カテゴリ:読書
さすがの文章力だった。
「人情の機微を描く」という表現が陳腐に感じるほどの域に達していた。 奇を衒うというほどではないが、絶妙な設定に気の利いた表現がみっしり埋められているので読み応え十分だった。 だが、どこか冷めていたり、ズルさや意地悪さ、愚かさを抱えた人物ばかりなので共感出来るキャラは一人もいなかった。 「チェーホフの正統な後継者」と看做されているようだが、もっと辛辣で哀しかった。 まぁ、だからこそリアリティを感じるのだろう。 様々な賞をはじめ、ブッカー賞やノーベル賞を貰い、「短編の女王」と形容されるくらいだから、卓越した文章力もさることながら、同じような人生への想いを持つ人が大勢いるということのなのだろう。 いずれせよ、強靭な知性の持ち主であることは間違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/05/26 12:00:22 AM
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|