カテゴリ:読書(哲学)
ドゥルーズは言う。
「革命家は技術の進歩と社会の全体性を分ける隔たりの中に生きて、そこに永遠の革命の夢を刻む。そして、この夢が、それ自体で活動であり、現実であり、すべての既成の秩序に対する効果的な脅威であって、それが彼の夢の実現を可能にする」と。 國分巧一朗は、この一文を感動的だとする。 私はこの甘い楽天性に嫌悪を覚える。 それは、マルクスの「共産党宣言」における甘さにも似ている。 共産主義がいかに悲惨な結果をもたらしたか。 勿論、資本主義もそうであるが。 例えば、IT革命は世の中を便利にはした。 しかし、ミャンマーでロヒンギャ虐殺に至ったデマを拡散したのはSNSだったそうだ。 アラブの春の結果も大して進展していない。 イランでは未だに女性のサッカー観戦は禁止され、逮捕者も出ている。 確かに、歴史を振り返れば、民主化は徐々に進んでいるように見える。 だが、名前は変われど、世の中を一部の強者が支配していることに変わりはない。 昔が王なら、今は資本家だろう。 「自由・平等・博愛」を謳ったフランス革命後のフランスにも、しっかり階級は存在し、公共の場でヒジャブは禁止されている。 人間は徹底的に差別的なのだ。 そして、世の中には独善的な言説で溢れている。 「革命」などという大風呂敷を広げてはいけない。 ガンディが言ったように、善きことはかたつむりの速さで進むのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/09/12 12:00:17 AM
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