カテゴリ:映画
ジャームッシュの新作であれば見ないわけにはいかない。
大して期待しなかったがかなりの秀作だった。 ニュージャージーのパターソンという町にいるバス運転手が主人公だ。 主人公の名前もパターソンというのはジャームッシュらしい。 彼は趣味で詩を書いている。 美人だが、カーテン、壁、服、ギター、カップケーキなどすべて白黒模様にするちょっと変わった妻と暮らす。 まぁ、詩人にはそれくらいでちょうどいいのだろう。 パターソンは犬の散歩のついでに馴染みのバーに寄る習慣がある。 そこで、幼馴染に付きまとわれ困る女性も登場する。 ストーカーと化した幼馴染はおもちゃの銃で狂言自殺まで演じる。 長年書き溜めた詩のノートを愛犬にズタズタにされ落ち込むパターソンをその男が「日が昇らないことはない」と慰めパターソンは「今まではね」と答えたシーンが笑えた。 笑えるといえば、常連に「テレビを備えては?」といわれたバーの店主が " Hell ! No ! " と答えたシーンも笑えた。 途中、パターソンがひとりで親と姉妹を待つ少女を心配して声を掛け詩の話をするシーンがよかった。 別れ際「ディキンソンを知ってるバス運転手さん、さよなら」といったのが感動的ですらあった。 しかし、圧巻は、パターソン出身の詩人が好きな日本人(なんと永瀬正敏)が落ち込み公園の滝を眺めるパターソンに話掛けるラストだった。 彼は会話からパターソンが詩人であることをすぐに悟った。 だが、パターソンは「ただのバスの運転手だ」と答えた。 すると、日本人は、普通の仕事をしていた芸術家を何人か挙げた。 そして、出会った記念にまっさらのノートをパターソンにプレゼントし握手し別れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/01/06 03:09:38 AM
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