利益配分ルール今でもそうですが、新規公開銘柄の場合、公開時が高値で、その後、株価は低迷、初値を買った人は誰も儲からない、ということがあります。 バブルの時代には過剰なファイナンスが見られました。 そこで、こういう無謀な企業から個人投資家を守るために、証券業界の自主ルール として設けられたのが、株主への利益配分ルール(1992年から1996年の5 年間実施)です。 一言で言うと、公募増資をした場合、その後、3年間にわたって、年平均30%の 配当性向が義務となる、というものです。 計算方法は、ROEが8%以下ならば配当性向が30%、ROEが8%以上ならば 2.4÷ROEの値が配当性向となります。 また1割の分割(1:1.1)は10%の配当性向として計算されます。 この計算の配当性向が、現在の配当性向を上回る場合は、この計算の値まで配当性 向を上げるか、分割しなければなりませんでした。 通常、成長企業の場合、内部留保を厚くするので、分割をするのが普通でした。 つまり前提となっているのは、1.増益傾向のある、2.新興企業、にしか当ては まりません。 利益が減少する企業の場合、配当性向が高くなるので、何にもしません。 これは今では廃止されたルールです。 しかし分割を実施するかどうかの判定には、経験則からいって、これがもっとも適 当だと思っています。 すべての場合に当てはまるわけではありません。 でも、会社四季報には、 株主重視の経営1.配当性向目標値 株主重視の経営2.ROE目標値 が掲載されていますから、上記の計算式を知っている人には、重要な指標だと思い ます。 |