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ビール片手に

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小川洋子

March 19, 2008
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カテゴリ:小川洋子
小川洋子の「ブラフマンの埋葬」を、読んだ。


著者は、掴みどころがない不思議な空間を描くのが上手いと思う。私は、彼女の無国籍で独特な匂いのする世界に浸りながら、本を読むのが好きだ。軽く飲んで、半分まどろみながらベッドで本を開くと、一気にその世界に浸れる。繊細で硬質な文章も心地良く、数時間は居心地のいい読書を保証される。「薬指の標本」に出てくる洋館も、猥雑な俗世間と切り離された閑静な場所に佇み、読者の想像を様々に掻き立たせてくれた。登場人物や小道具等、設定の妙に心を奪われた。

ブラフマンの埋葬も、ミステリアスな浮遊感に溢れる作品だった。ブラフマンの正体は、最後まで明かされない。ヒントは森の動物と言うことだけ。でも、彼の日常生活・生態・しぐさ・動き・感情まで、手に取るように詳しく描写され、その愛くるしくいじらしい姿に癒された。「古代墓地」と言う設定も、面白い。死者を葬る場所での恋人同士の逢瀬や、名も亡き人が遺した家族写真に想いを馳せるところ。緑色の泉、オリーブ林、ラベンダーの棺。死者と生者の境界線も曖昧な、不思議な世界にどっぷりと浸れた。心地良い時間だった。

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Last updated  March 19, 2008 05:58:50 PM
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January 28, 2008
カテゴリ:小川洋子


「薬指の標本」と「六角形の小部屋」、二編収録。

繊細で緻密な描写によって浮き上がる、ミステリアスで幻想的な物語。
依頼者から頼まれたあらゆるものを標本にして保管する、風変わりな標本技術士と、その仕事を手伝うことになった「わたし」。
人々は、それぞれが持つ「永遠に封じ込めたいもの」を持ってやってくる。
「封じ込める」という言葉自体に、時間がそこだけ踏みとどまり、化石のように堆積していくイメージが広がる。永遠に、何人にも犯されず聖域として保管しておきたいものって、私にとって何だろう?
浴槽での二人の逢瀬は、背筋がぞくぞくするほど官能的。
息が詰まりそうな束縛から、自ら「封じ込められること」を望んで変化していく「わたし」の心の移ろい。原作は、フランスで映画化されたようだ。映画も観てみたい。

「六角形の小部屋」

著者は、言葉に表現できないような繊細な心の移ろいを描写するのに、つくづく長けていると思う。以前読んだ「妊娠カレンダー」でも、独身の妹の妊婦の姉に対する心理描写は、圧巻だった。善意とも悪意とも解釈できる、頭では分かっていても心で割り切れないような微妙な心理って、人間には確かに存在する。
語り小部屋になら打ち明けられる秘めたる想いも、人生を生きていくうちに埃のように堆積し、それぞれが抱え込んでいるのだろう。

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Last updated  January 29, 2008 12:00:04 AM
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