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ウォーク・オン・ザ・ワイルドサイド

2005.04.16-30

2005年04月16日
新聞とってません


少し前のこと、尊敬しているある人から「新聞をとっていない」ことを聞きました。積極的に新聞をとらないビジネスパーソンは、その人がワタシの知っている範囲で4人目です。もちろん「新聞など読まない」という意味ではなく、ホテルのロビーや飛行機で手に取ることもあるし、大きな事件があったときは駅で買うこともあると。とにかく毎日配達してもらってまで読まないということで。

「とらない」理由はみなほぼ同じ。世の中で起こっている事実のみ知りたいと思えば、インターネットのニュースを見たほうが早いから。ヘッドラインにササッと目を通せば大まかな動きは分かりますからね。紙の新聞は余計なことが多すぎて頭に入りにくいし、読むのに時間がかかります。だから暇つぶしにはいいけれど情報収集ツールとしては効率が悪いというわけです。それに意外と隅っこの小さな記事を見落としていることもあるんですよね。ネットなら上から順に並列ですのでそういうことも少ない。

ワタシも「とってない」派。もっともワタシの場合は数年前に経済的理由から購読を停止し(4月12日の日記参照)、それがない生活が当り前になってそのままってことなんですが。でも結構困らないものですよ。ときどき日経の『愛の流刑地』の展開が気になったりするくらいで。


2005年04月17日
走れ!ブロス


昨日、新聞はとらないとカミングアウトしたワタシですが、じゃあテレビはどうかといいますと、これはほとんど観ていないです。この1ヶ月間、自宅テレビの電源スイッチに触れた回数はほとんどゼロ。友人の家や食堂でたまたま観たのを含めても、月間視聴時間はたぶん3時間以内(しかもその大半はスポーツニュース)。自動車の運転だったら完全なペーパードライバーです。

ところがワタシ、テレビ雑誌は買ってるんですよ。「TVブロス」。
この雑誌、とにかく徹底して独自路線なのがイイ!タイトルに「テレビ」とついているのにテレビ局が用意したような宣伝臭い記事は一切ナシ。つまらない作品やタレントは徹底してコキおろすし、ゴスペラーズなんてもう3年近くおちょくられ続けです。その執念深さもワタシ好み。まあとにかく、テレビを観ていなくても楽しめる雑誌なわけです。

だいたいテレビ以外の話題が半分以上なんですから、ある意味無法地帯。とりあげるトピックスや俳優だって「平均的な」テレビ視聴者なら聞いたことないようなのがかなりの部分を占めています。印刷は広告以外はモノクロで、デザイン・レイアウトもどことなくミニコミっぽい。それでもコンビニでは他のテレビ雑誌と肩を並べているんですから、ファンはそれなりにいるのでしょう。

今店頭に並んでいる号の特集なんてすごいですよ。「2005年度版 好きな男、嫌いな男」。それ自体はどうってことないですが、1位がだれなのかと見ると堺雅人。アンアンでは考えられないでしょう? 続いて2位高橋一生、3位大倉孝二、4位寺島進、5位佐々木蔵之介・・・。演劇雑誌でもないのにこの偏り方、尋常ではありません。このランキングを見た人は「次は?」と身を乗り出すか、「何これ」と放り出すかどちらかでしょう。いいなあ大好きです、ワタシもそういう「濃い」仕事をしたいものです。

で、かなり独自性の高い総合ランキングの後がまたブロスらしいといえばらしいんですが。ジャンル別のランキングというのがあるんです。
「好きな男性アナウンサー、嫌いな男性アナウンサー」
これはわかります(ちなみに好き1位は日テレ羽鳥アナ)。
「好きな韓流スター、嫌いな韓流スター」(好き1位はピ。だれ?)
も、まあわかります。でも
「好きなお金持ち、嫌いなお金持ち」(好き1位は鮎川純太テクノベンチャー社長)
「好きなお年寄り、嫌いなお年寄り」(好き1位は笑福亭仁鶴)
とくると「おいおい」です。でもまだまだ止まりません。さらにこう来ます。

「好きなデブ、嫌いなデブ」(好き1位は佐渡裕、うーん)
「好きなブサイク、嫌いなブサイク」(好き1位は清水宏保、ぷぷっ)
「好きな金八先生の同僚、嫌いな同僚」(好き1位は理科の遠藤先生、観てないので知らない)
「好きな源平武将、嫌いな源平武将」(好き1位は木曽義仲、会ったことあるのか!)
「好きなローマ皇帝、嫌いなローマ皇帝」(好き1位はハドリアヌス、知らないよ!)

よく見ると、これランキングとはいってもアンケートじゃないんですよね。ジャンル別ランキングは担当ライターが勝手に作ったもの。総合ランキングですら「編集者、ライター、投稿常連者の

意見をもとに独自集計

してみました」だそうですので。要するに「勝手に作っちゃったよ」なわけです。公平性、客観性まるで無視!いいね!

ほんと、作家になりたいとはべつに思いませんが、ブロスのコラム連載陣に名を連ねるのは夢の一つです。いやマジで。


2005年04月18日
女々しい


1ヶ月前から打ち合わせを重ねてきた仕事がありまして、来週からの実施に向けて最終の調整に入るはずの今日、クライアントから電話。
「あの、来週からの仕事なんですけど、C社さんのお世話になることにしましたので・・・」。
「えっ?」
「すみません!何か一つくらいは必ず回しますから!」
ガチャン。
一体何を言われているのかすぐに理解できませんでした。結婚前夜に「他の女の子が好きになってしまったんだ!」と告白された女性ってこんな感じなのかな、なんてふと思ったりして。

情報力に定評のあるC社、ワタシがクライアントと詰めている話をどこかで聞きつけ、「同じ仕事を3割引でやる」と持ちかけたのだそう。
その仕事とは、クライアントがあるサービスをスタートさせるオープニングのキャンペーンなんです。まだ十分な資金がないクライアントにとって、3割引は魅力だったのでしょうね。

まあいいです。選ぶのはクライアントですから。
言っときますけど、C社って契約書を交わした後はてのひらを返したように冷たくなるので有名なんですから。1ヶ月後に頭下げて帰ってくる姿が目に浮かびます。

ああでも悔しいなあ。
ワタシが出した提案書の束を返してよ。
だれかと2人で読むのはやめてよ。
今日は絶対に飲まずに寝ます。飲んだらきっと暴れます。



2005年04月19日
落ち込む間もなく


昨日一つの愛が、じゃなかった仕事が突然終わってしまったわけですが(でも仕事ってある種の愛だよなと思うこともありますけどね)、失恋の痛手を癒すのが新たな恋であるように、新しい仕事が発生すれば失注の落ち込みなどどこへやら。です。

なんと今日は2つのプロジェクトが同時にスタート。
一つはアクセサリーのオンラインショップのプロモーション。この「お店」、WEB上だけで月商ン千万の売上があるというのですからすごい。超優良店です。こんなお店の手伝いがワタシにできるのか不安ですが(でもあくまでお客には自信ありげに。これコンサルタント時代に身につけた基本姿勢です)、とにかくやるしかありません。

もう一つはビデオレンタル店。こっちはリアル店舗への集客が至上命題です。だって会員登録はお店でしかできないわけですからね。で、来月末にオープン予定のそのお店は、今はちょっと言えませんがもしかしたら関西じゅうのマスコミが取材に来てもおかしくない目玉を持っているんです。
さっそくその会社の専務に話を聞いたんですが、一言で集客と言ってもレンタルビデオ店のそれは他の業界のそれとは大きく違うんですねー。こりゃイチから勉強だ。

振り返ってみれば今月は仕事仕事仕事な毎日。とりあえず連休までは走ります。そこから先はそのとき考える、ってことで。



2005年04月20日
本日はコピーライター


故中島らもの著書の中で「広告会社の営業である自分がコピーまで書く」っていうのがありました。クライアントには外注に出しているように説明しておいて、「ここの表現、前に説明したニュアンスと違うよ」なんて言われたら「すいません、よく言っておきますから」とか言って、会社に帰って自分で書き直したり。ま、広告屋の間では珍しくもない話ですが。

インターネット広告だって文案を考えるというステップはあります。そんなわけで、今日はワタシ一日中コピーライターです。雨だし(天気で仕事決めるなよ)。
外部にライターはいますが、結局自分で書いたほうが早いし、外に出せるほど予算ないし。もちろんクライアントへの見積り書には外注に出しているように書いてありますけどね。

今作っている広告のクライアントは探偵事務所です。わはは、面白いでしょ。
どんなコピーを書いているかというと「浮気調査はプロにお任せ。あなたのパートナー○○探偵社!」みたいな。
「悩むより、確かめることを選んだあなたへ」
「一日も早く『あなた』を取り戻すために」
「いつまで自分に嘘をつくつもりですか?」

うわわわ(赤面)、しょうがないでしょ!クライアントがこういうの書けっていうんですから!(言い訳)

まあしかし、ニョーボには絶対見せられませんな。


2005年04月21日
40代の会話


2ヶ月ぶりの名古屋。昼過ぎまでの所用を終えたあとは、ザビエル@顕正会館さんと再会です。わざわざ車で迎えに来ていただきありがとうございました。

普段メールをやりとりしているとはいえ、会うと話したいことは次から次へと湧いてくるものです。二人で目的地に向かう車中はほとんど言葉が途切れることもなく、なんだか久しぶりに会った遠距離恋愛中のカップルみたい(ポッ)。あ、いや、ウォーミングアップ不要なのがブログ仲間のコミュニケーションの特徴ってことです。

いやしかし、生まれ育った場所は違えど同い年の人間との話というのは盛り上がります。とくに子供時代の話ね。
車中で盛り上がったのはプラモデルの話。
「ウォーターラインシリーズって、たしか静岡の模型会社が4社くらいでやってたんですよねえ」とワタシが言うと、即座に「タミヤ、アオシマ、ハセガワ、フジミですね」。回答に要した時間0.1秒。ご存知ない方のために説明すると、ウォーターラインシリーズというのは第二次大戦の日本の連合艦隊の模型シリーズです。
「ワタシはね、空母が好きだったんですよ」
「そうですか、ボクもですよ」
「何が一番好きかっていうとね、地味なんですが『隼鷹』って知ってます?」
「はいはい知ってますよ!」
「『隼鷹』はもと商船だったのを改造したんですよね」
「橿原丸(平然と)」
「そうそう、だからちょっとデザインが変ってるんですよね。『瑞鶴』とかは洗練されすぎてていまいち面白みがないんですけど『隼鷹』はところどころに商船の名残があって、ちょっとどんくさい感じがするんですけどそこがいい」
「あのモデルは評価高いんですよ」

いやいや40歳過ぎてプラモデルの話をするとは思いませんでした。一瞬にして気分は小学校の放課後の教室です。あのころ、仲間が集まると模型のカタログを眺めながら「次、何買う?」なんて話を飽きずにしていたものです。
みんなで月に1つ模型を買えば○ヶ月後に連合艦隊ができるな、できたら写真撮ろうな、オレ父ちゃんのキヤノンAE-1持ってくるわ、とか。「将来なりたいもの」の作文には「海軍大将」なんて書いたりとか(すみません、それはウソです)。

それにしても、ワタシにとってプラモデルは「懐かしい思い出」であってもザビエルさんには現在進行形の趣味兼ビジネスなんです。ちゃんとした職業も持ちながら子供時代の「好き」をいまだに変らずもち続けているって凄い。尊敬します。

いつか一緒に面白いことやりましょう。きっとですよ。



2005年04月22日
商売熱心


職場のPCアドレスに入ってくるメールは一日100通以上。と言ってもそのほとんどはワタシ個人にではなくて勤めている会社宛に届いたもの。それがスタッフ全員に回ってくるわけで。
内容は「新サービス情報」「キャンペーン情報」「直前空き枠情報」とか、そんな感じ。代理店ですのでね。いろんなWEB媒体が「うちとこのスペースを売ってよ~」というセールスをかけてきているわけです。平たくいえば。

そんな山のように来るメールの中に「社長日記に広告枠設置!」という件名を発見。「社長日記」を書いている社長は日本中に大勢いらっしゃるでしょうが、今「社長日記」と言えばあの人しかいません(いちおうライバル社だし、消されたらヤだから名前は伏せておきます。ネット業界ってそのあたりネチっこいですからね)。
どんなもんじゃいと思って添付の媒体資料を開くと、なんと日記の上部に特大横長バナー、その下にテキスト広告(文字だけなので思わず引っかかってしまうヤツ)、右横に正方形のバナーと、3箇所も広告スペースを取っていたのでびっくり。
気になるお値段のほうは、うーん、書くとまずいかな。まあ一番高い場所はまずまずの自動車が買える値段です。ひゅー。

いろいろと騒動を起こして注目度を上げて、自分の日記の空きスペースを高値で売りさばくという。熱心なことです。しかしヒネリも何にもないビジネスですよねー、ITなんて言ってもそんなもんですか。

えー、そういうわけで広告出したい人、いたらこっそりメール下さい。
(そういうことかよ!)



2005年04月23日
とっぱらい


4月から個人情報保護法が全面施行されたわけですが、これが私にとって思わぬ追い風になりました。これまでコンサルタント会社時代にお付き合いのあったいくつかの会社から「ちょっと社員に個人情報の何たるかをしゃべってもらえんかなあ」みたいな依頼を受けまして。おっと、これって 以前書きましたね。
まあ弁護士や何かの資格がなければ語ってはいけない分野ではありませんし、喜んでやらせてもらいました。いいでしょ?ブラックジャックだって無免許で医療行為やってるんだし。

そんなこんなでなかなかウレシイ臨時収入になりました。迷走行政書士そうまさんほか専門的な情報を提供してくださった皆様、ありがとうございました。近いうちにお礼にうかがいますね。

今日は3月に講演を開かせてもらった数社に集金です。自分の足で会社まで行って現金をいただく、いわゆる「とっぱらい」です。なぜ銀行を通さないかと言いますと、それはまあ、分かって~ください~(因幡晃の声で、なんつってもワカモノは知らんかな)。



2005年04月24日
ジャーニーマン


日記を始めた当初はほとんど「非公開」にしていたプロフィールのページも、いつの間にかじわじわと「自分」を出すようになり、今日はとうとう「年表」まで書いてしまいました。職歴だけを書いたんですが、よろしかったら見てやってください。

所属した会社はいちおう8つ。実は試用期間中に辞めた(クビになった)会社は省いていますので、「勤めた」ということならあと2つあります。多いですか?ですよね。まあいいじゃないですか。野茂だって毎年チームを変っているし。あ、そういえばメジャーリーグでは野茂のようにひとところにとどまらずいろんなチームを渡り歩く選手を「ジャーニーマン」と呼ぶそうですよ。ワタシも会社員のジャーニーマンということにしておいて下さい。

8つの会社を並列に見ると、なんだかこれまでの社会人歴を8等分してしまいそうになりますが、実は「期間」はかなりまちまちなんです。いちばん長く勤めたのは3つ目の経営コンサルタント会社で10年以上お世話になりました。だからワタシの基本的な職業観とか仕事の仕方とかはほぼここで培ったものです。あとはまあ、話のタネというか(おいおい)。

これだけいろんな会社に勤めたのですから、それなりにいろんなことがありました。ほうっておくと忘れてしまいそうなので、今後日記ネタのない日は昔話でも書こうと思います。


2005年04月25日
ニョーボが山拓と!


もう寝ようかとふとんを敷いていたら、単身赴任中のニョーボから電話。
やけに上機嫌なのでどうしたのかと聞いたら、福岡の衆院補選で自民党のヤマタクこと山崎拓氏が当選したのがうれしいと。

「えっ、でも九州の話やろ。べつに投票したわけじゃ・・・」
「ええんやそんなことは。今回の選挙の大事さがあんたは分かっとるんか?国政の今後を左右するかも知れんのやで」
「・・・そうなん?」
「アホやなアンタはもう・・・。まあ広告屋ごときに言うても無理か」
「悪かったな。しかしキミは自民の支持者やったんか」
「ちゃうちゃう。でも今回は山拓に勝ってもらわんとな。たしかに郵政民営化は困るけど、今は人権擁護法案がゴリ押しされることのほうが怖いんや。そっちの牽制のためにも山拓が必要なんや」
「そうすか」
「しかしな、山拓かて今回は公明の票をもろてぎりぎり勝ったようなもんや。せやから現実を認識して謙虚にやってもらわなあかん。まあその辺はよう言うといたけどな」
「は? 言うといたって・・・」
「さっき選挙事務所に電話したんや。先生出して言うたら本人出よったで」
「いいいいーっ!?」
「まあ遅い時間にどうかと思たけど、祝いの電話やしええやんか」
「で、謙虚にやれとか・・・」
「そう、まあウチは福岡の住人でもないし自民党の支持者でもない言うたら一瞬口ごもってたけどな」
「普通そうでしょ」
「まあ今日は向こうも余裕あるんやろ。いろいろ言うたけど素直にハイハイ聞いとったで」

うむむむむ。何というか、キミの物怖じしない性格はすごい。
結婚する相手を完全に間違ってるよ。



2005年04月26日
数キロ先の出来事


昨日、列車事故の話を知ったのは神戸のクライアントと電話しているときでした。
「なんかすごい事故があったみたいで、今うちの社員が乗っていなかったか調べているところです」
「そうなんですか」
インターネットのニュースを見るとたしかに速報が出ていて、そのときは線路上に入った自動車が電車と激突したと報じられていました。そして場所は尼崎と塚口の間だと。ワタシの職場からそこまではほんの数キロ。淀川を渡った少し先、電車の駅なら2つ先です。ワタシ自身も何度か利用したことのある路線です。

しかしワタシはすぐに「戻る」ボタンを押し、PC画面を前に見ていた企業の通販サイトに戻しました。急ぎの仕事があったのです。昨日のうちにそのサイトに増設するページの原稿を書かねばならなかったのでした。
「彼女へのプレゼントにD&Gのリストウォッチをどうぞ」みたいな。

結局仕事は夜遅くまでかかり、うちにたどりついたときは夜12時を過ぎていました。事故のニュースを見ようと思ったのですが、風呂に入ったりメールチェックをしたりしていると眠くなり、結局テレビは見ないまま。
今日の朝、電車の中で通勤客が広げるスポーツ新聞を横目で見ながら、ようやく事故のアウトラインを把握できた次第です。

いや、べつに忙しぶっているわけではなくて。おそらく日本中が注目しているであろう大事故がほんのすぐ近くであったのに、そのことについて何も知らないというのが何か不思議な感じで。
事故について地元民だから知らなければならないのかといえば、そうではないでしょう。しかし知らない理由が「彼女へのプレゼントに」みたいな駄文を考えているからだというのは、なんだかなあと。

知らないことに後ろめたさを感じることもないのですが、でもなんとなく胸の奥に残るこのヘンな違和感が気になっています。
知ろうと思えば何でも知ることができるこの環境で
知っているべきこと
知らねばならないこと
知らなくて良いこと
って何なのだろうと。



2005年04月26日
一夜明けて

ワタシは大阪市内を東西に横断する「JR東西線」を仕事でよく使います。東西線は福知山線ともつながっており、直通電車は当然昨日の事故現場を通ります。普段は「宝塚行き」の電車も今日は「尼崎行き」です。

地下にある東西線の駅に降りていくと、切符販売機の前には「福知山線の復旧は見通しが立っていません」の立て看板。反対方向に行くワタシはとりあえず問題ないのですが、切符を買って進むと自動改札のこちらと向こうで若い駅員さんが「ありがとうございます」と乗降客にお辞儀しています。もちろんいつもはいない人たちです。深々と腰を折るその姿勢には、「申し訳ありませんでした」のニュアンスがにじんでいます。お辞儀されるお客も何か言いたげな顔で、でも何も言わず黙って通り過ぎていきます。
「アナタガタニナニカ言ッテモシカタナイシ」。

地下深くにあるホームに降り立ち、しばらくすると電車が滑り込んできました。電車が目の前に停車すると、ホームにいる人たちから小さなため息が漏れたのが分かりました。
「うわあ、同じだ」と、女子高生の声。
扉を開けてワタシたちが乗り込むのを促しているのは、乱雑に破いた包装紙のようにマンションにからみついていた、あの車両と同じメタリックとブルーの車両でした。



2005年04月27日
おつかれさま


先週に引き続き再び名古屋。会社の関係で大きなイベントがありまして、数日前からAM野郎(午前様というほど偉くない)連続で準備してきたその本番です。一日中立ちっぱなし、しゃべりっぱなしでくたびれましたが、とりあえず無事終了。よかったよかった。今年前半の大きな山を越えて、明日は出勤なのに気分はもう連休です。

撤収後は苦労をともにしたスタッフと慰労をかねた夕食会。名古屋電通担当で栄周辺に詳しいY君の案内で、ひつまぶしが美味いというお店に直行です。
席につくとリーダー格Aさんが「すいませーん、ひまつぶしの特上5つ」。
全員しらっ、…と思いきや大笑い。大きな仕事を終えてみんないつもの10倍くらい寛容になっています。
「さすがAさん、ひつまぶしとひまつぶしなんて普通の人は気づかないっすよ」
「おざなりとなおざりみたいな」
「バンガローでガンバローみたいな」
「かとうあいと阿藤快みたいな」
意味不明…。

ひつまぶしには「一膳目はそのまま、二膳目は薬味を添えて、三膳目はお茶漬けで」という作法があるそうです(お品書きに書いてありました)。まかない飯っぽいのになんかカッコつけてるよなあと思いながらも従って食べると、うーん、美味い。カリカリに焼いたウナギとお茶のよく合うこと。わさびや薬味もなかなか。でも上品ぶってちまちま三膳に分けるより大きな丼でかっこんだほうが美味いような…、とどこか往生際の悪いワタシ。まあいいか。

店を出たらその場で解散。名古屋に残る者、東京に行く者、大阪に戻る者、それぞれ次の持ち場へ。いつも同じメンバーが顔を合わせるのでなく必要に応じて必要なメンバーが集まる、そういうチーム。おつかれさまでした。



2005年04月28日
海の向こうで戦争が始まる


列車脱線の大事故以来、大阪のJR駅を利用すると異様な空気を感じることがあります。一言で言うと、殺気だっているというか。
この数日間で、駅員が乗客にからまれている光景を何度か見ました。こんな時期だからということもあるのでしょう、駅員はまったく抵抗することなくただ頭を下げるばかり。それを見てからむほうは怒りをさらにエスカレートさせるようです。
「謝って済むと思ってんのか!駅長呼べボケが!」
怒鳴っているのはヤクザではありません。普通のスーツを着たオジサンです。

このところ運転に慎重になっているのか、JRは朝も夜も遅れがちです。
急ぎすぎて脱線したという話を聞いてもまだ、到着が3分遅れるというアナウンスが流れただけで、ホームのところどころで舌打ちが聞こえます。何かもう、空気にガソリンが混じっているような感じ。だれかが火をつけたら爆発を起こしそうな。
2ちゃんねるを見ると、駅で暴行を受けている駅員も多いそうです。
どこかでためた鬱憤を、手近なところで吐き出しているのか。

今日の夜は、ある投資関係の仕事をしている方と食事をともにしました。
アメリカにもコネクションを持っているというその方がおっしゃるには、近いうちにアジアで戦争が起こるのだと。一応どの国とどの国がというのも聞きましたが、軽率に日記に書くようなことではないので伏せておきます。当然アメリカもからんでいて、すでに戦後処理のシナリオまで出来ているのだそうです。
山師っぽい人なのでホラであればいいんですが(株屋はこの手の話が多いんだ)、今のアジア全体を覆う爆発寸前の空気を考えると、リアリティがないわけではありません。

ここ数日のJRに対するやたらサディスティックな空気(悪いのはあいつらだという絶対的な自分優位感)は、もしかしたら事故に起因するだけではなくて、何か大きな世界的な流れ(病気?)のような気さえします。




2005年04月29日
事例マニア

WEBでも紙でも同じだと思うのですが、広告屋がクライアントから求められるものに「他社事例」があります。よその会社、できれば自社と同じ業種で似たような商品を扱っている会社が、同様の広告で以前にどのくらいの効果をあげたのかと。

これを聞くたびに「またか」とうんざりします。同業の方なら分かりますよね?
「他社がキャンペーンに○○万円かけて××万円の売上をあげた」なんて知ったって何の保証にもならないんですから(保証させる会社もありますが)。
目安が何にもなかったら不安だというのは分かります。でも事例を欲しがるクライアントは他社事例を5件10件と持ってこさせたがるんですよね。統計でもとってるのかっつーの。ワタシはこういうリクエストには最低限しか応じませんが、言われるままに情報提供している同業者もいるみたいです。

最近お付き合いが始まったクライアントP社も情報を欲しがるタイプでして、担当者が何かといえば「他社事例はどうですか?」なのでイヤだなと思っていたんです。でも昨日初めて社長と話をして、ちょっと考えが変わりました。

「ウチはよそさんの結果を聞いて安心しようというんじゃないんですよ。広告は『やってみなければ分からない』のは承知の上です。だからこそ、うまくいかなかったときのことを想定してリスクヘッジしておきたいわけですよ。そういう意味では『最高でこのくらい』という期待値より、『最悪こういう場合もありえる』悲惨な事例のほうがむしろ知りたいですね(笑)」

なるほど。大抵の「事例マニア」のクライアントは他社の成功事例を聞きたがり、同じことをすれば同じくらいの成果をあげられると期待します。要するに頭の中で「最高の結果」を思い描き、それを裏付ける(ような気がする)データをかき集めて安心するわけです。「この売り場から1億円が出ました!」とポスターを貼ってある店で宝くじを買う客と同じですね。
これに対してP社の社長は次に打つ手を考えるための材料を得ようとしているわけです。うーむ、若いのに(まだ20代かな?二代目です)なかなかやります。そう言ってくれればこちらも情報提供のしがいがあるというものです。


2005年04月30日
テレビっ子復活


ここのところ忙しかったこともあり、まったくテレビを見ない日々が続いていました。昔は一日中でも飽きずに見ていたのに、今ではスイッチに触れる回数すら月に一度か二度。面白い番組があると噂には聞くのですが、いざうちに帰ってみるとその気になれず、「ゴメン疲れてるから」とブラウン管に詫びるテレビレスな日々。完全にワタシとテレビの関係も冷え切っていました。

このままではイカンと思ったわけでもないですが、連休前に大きな仕事が片付いたこともあり、昨日今日と久々にテレビを見まくりです。
なんか長期の海外出張から帰ってきたみたいですね。だって見たことのないCM、知らない番組ばっかしなんですから。毎日見ている人は飽き飽きしているかも知れませんが、とにかく新鮮です。

まずインスタントカレーのいろんな食べ方を次々に映す「○○派」のCM、あれイイですねー。カレーの「食べ方」を前面に押し出したCMって画期的じゃないかな。商品名が頭に残らないのでその辺は制作者に申し訳ないですが、まあしかしカレーを食べたいって気になりますからね。明日はカレーにしよう。

『報道ステーション』の古舘氏がだんだん報道の顔になってきました。気負いがなくなってその分自信が湧いてきたのか、安心して見られるようになりました。ただ河野さんの奇妙なファッションセンスは相変わらずですが。

『タイガー&ドラゴン』は3話目でようやく見れました。他のクドカンドラマは『ぼくの魔法使い』しか知らないんですが、異常なハイテンションぶりと最期にきちんとオトシマエを付ける作風は健在ですね。年配のドラマファンにはしんどいでしょうが、これを面白いと思えるワタシはとりあえず大丈夫(何が?)。
しかし今回の「必死だからだよ」はシビレました。オレたちぁ必死でやってんだ、評価するほうも必死でやってくれ、って感じですかね。そういうセリフをおそらくヘラヘラ笑いながら書いているであろうクドカン氏を想像して鳥肌が立っちまいました。

『解夏』。げげ。タイトルの意味が知りたかったので見たんですが、イマイチよく分からず。全然感情移入できないままお終い。何だったんだ2アワーズ。
まあとにかく長崎の町はきれいでした。観光映画ならまずまず合格点。

あと関西だけの放送ですがMBSの『VOICE2時間スペシャル』が出色。腐敗の殿堂・大阪市役所をこれでもかと追い詰める姿勢が素晴らしい。たとえば一人の市役所員を一ヶ月以上毎日尾行し続け、一回も職場に出ずに組合活動していることを確認した上で取材を申し入れ、「ヤミ専従はありませんよ」と上司にウソを言わせてから取材で得たヤミの事実を小出しに見せていく。上司のバツの悪そうな顔!これはある種のいじめですよ。でも痛快!もっとやってくれい!



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