2005.07.01-302005年07月01日2週間ぶり 出張から帰ってきました。ちょっと外国になんか行っていました。 雨のKIXに着陸して5分もたつと、からだが自然に「いつもの自分」にアジャストしています。もうちょっと感じていたかったんですけどね。生活のスピードとか、人ごみの空気とかの違和感を。 さすがに疲れたので早く寝ます。皆さんの日記は明日まとめ読みさせていただきます。楽しみです。 あ、ところでミュージックバトンって何すか?大田黒さん。 2005年07月03日 いちばん好きな言葉 帰ってくるなり仕事が山積みで、土曜も日曜もなく打ち合わせの連続。 おかげで日記も書けません。はー、でももう2週間も空いてしまったし、気分はヒットを打たれてノーヒットノーランが途切れたピッチャーです。逆にすがすがしいというか。これまで皆勤できましたが、円グラフに緑色の部分があるのもキレイじゃないですか。ぼちぼちいきますのでまたお付き合い下さい。 そうだ。その前に、お礼を言っておかなければ。 前の日記、あれ実はKIX(お分かりと思いますが関西空港のことです)に到着して電車が出るまで時間があったので、喫茶店でお茶しながら打ったんです。そうしてうちに帰って日記を見たら、何人もの方から「お帰り」のコメントが。 うれしかったです。これまでにも何度か女房と一緒に暮らせていないことを書いてきましたが、遠方から帰ってきて誰もいない部屋のドアを開ける寂しさというのは、何度経験しても慣れるものではありません。 窓を開けてもまだ生暖かく湿っぽい空気がたちこめる部屋の中、皆さんの「言葉」は目にしみました。 コメントを書いてくれた皆さん、また女房のことでお気遣いをいただいた方々、どうもありがとうございました。返事は本日の日記に代えさせていただくということでご容赦を。 ネットをしない人がよく言います。 「PC画面上の文字のやりとりなんか本当のコミュニケーションじゃない」とか。 なんと想像力のない人かと悲しくなりますね。 そりゃあ書き手の表現力の巧拙はあるでしょうが、そういうのを抜きにしても、書いてある「言葉」で気持ちが通じ合うことは絶対にあります。(だからこそ『電車男』みたいなストーリーが成立するんじゃないですか) 「言葉」って「人」そのものです。文字であろうと声であろうと。 それにしても「おかえりなさい」。 たぶんワタシのいちばん好きな言葉です。これから先ずっと。 できたら言うほうの立場でありたいですけどね。 2005年07月06日 ワタシがアンカー? ミュージックバトンって何?って聞いているのにだれも教えてくれない・・・。 こっちは外国帰りで日本の事情は分からないのに(何年行ってたんだよ!)。 とりあえず怒りのドクターの日記でどういうものかは理解できました。 なるほど。たしかにこういうネットの伝言ゲームみたいなのって後味が悪いことがありますよね。でもこれは「遊び心がない」ながらも悪意もなさそうだし、ワタシは乗りますよ。 基本的に「人に自分のことを聞かれる」のはうれしいし、大リーグ・インディアンスのロッカールームにも「インタビューには答えるように」という貼り紙があるらしいですからね。 1.コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量は? コンピュータで聴かないのでゼロ。 2.今聞いている曲は? ラジオで知らない曲がかかってます。さっきはWinkの『愛が止まらない』の英語のモト歌がかかってました。何てタイトルかな?(結構好き) 3.もっとも最近買ったCDは? 一番最近買ったのは友だちへのプレゼント。自分用のは鬼束ちひろの『sign』のシングル(と思う)。車の中でかかっていたFMで気に入り、その足でCDショップに行って買い求めました。聴いてから買うまで約10分の自己最短記録。 4.よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲 まあ結局コレですよね。この「バトン」のキモは。こういう質問は「ブナンにやり過ごす」「ウケに走る」「感心させる」といったネタの出し方が考えられますが、どうしようかな。とりあえず普通に、「よく聞く」とはいえませんが「思い入れのある」曲を思いつくままに。 『イエスタデイ・ワンスモア』(カーペンターズ) 中2のときの話。音楽の先生が学期途中に休職してしまいまして。そこにやってきたピンチヒッターのJ先生(女性)が最初の授業で歌ったのがこの歌。 圧倒的でした。それまで、先生が自己紹介しようとお構いなしにざわついていた教室でしたが、When I was young ですべての会話がストップ。I listen to the radio で全員が姿勢を正しました。後ろのほうでギャーギャーわめいていた悪ガキどもはポカンと口をあけたままフリーズ状態。「パンチのある」なんてもんじゃない、「声の往復ビンタ」。マイクも使っていないのに、教室の窓ガラスがビリビリ震えていましたから(マジ)。 今思えば「クラブ歌手」みたいな印象でした、J先生。そんなわけで「ライブ初体験は?」と聞かれたら、ワタシはこの日の授業だと答えています。 『ワイルド・ホース』(ローリング・ストーンズ) Wild horses couldn't drag me away・・・だもんなあ。あまりに美しいバラッド。楽器は何にもできないワタシですが、神様が「一生に一度だけ演奏する能力を与えてやろう」と言うならこの曲を選びます。聴衆は女房だけでいいや。 『スタンド・バイ・ミー』(ジョン・レノン) BEKよりJL。これは閉鎖する前の日記でも一度書きました。この曲は詞もいいんです。 If the sky that we look upon Should tumble and fall, Or the mountain should crumble to the sea. I won't cry, I won't cry 「空が落ちてきて山が海に崩れ落ちても僕は泣かない」って、泣くとかそういうレベルの問題じゃないでしょうに。まあそういうムチャさがいいんですが。白眉はDarlin,darlin のところ、ジョンのシャウトが最高。 『あなたがここにいてほしい』(ピンク・フロイド) これはアルバムの中の曲。フロイドというとプログレ、プログレというとシンセメロメロの電気っぽい曲を連想してしまいますが、フロイドはこういう土臭いブルース調のもやってるんです。原題は「Wish you were here」。仮定法過去形です。現在の事実に反する仮定です。あなたはここにいない。もう永遠にいないことを実は知っている。そういう歌。 『ボーン・トゥ・ラン』(ブルース・スプリングスティーン) 今日はちょい気合入れていくぜ!というときのワタシのテーマソング。邦題「明日なき暴走」など完全無視。こんなに素晴らしいタイトルがあるのに。 関係ないですが、詞の内容を確認したくて検索したら「株式会社ボーントゥラン」という会社を発見してしまいました。きっと熱い社長なのでしょう。入社したくはないですが。 こんなところです。もうワタシの知っている人は全員バトンが回ったようですので、「5人にまわす」は省略。こんなとこでいいすか?大田黒さん、野沢さん。 バトンは体育準備室に直しておきまーす。 2005年07月08日 七夕80'sナイト 「情熱の学校」 学長エサキ氏のお誘いで、北新地の某バーで開かれた七夕パーティーへ。ああ憧れの北新地。わいはいっぺんここで酒を飲んでみたっかたんや。(分かる?) まあお酒よりも目当てはライブ。同じく「情熱」メンバーのコンポーザーT氏がギタリストのO氏とコンビで80年代のヒット曲を演奏してくれると聞けば、行かないわけにいきません。手を伸ばせば触れそうな距離でプロの演奏が聴ける至福。しかもそれをバックに歌えるなんて。 歌いましたよワタシも久しぶりに。 白系のモダンファニチャーで決めたスタイリッシュなバーは、いつの間にか歌声喫茶状態。いいのかママ? ママは浴衣を着てカウンターの中で笑ってました。 「長い夜」。「な、があああああーい」と引っ張れるかどうかがポイント。できたら周囲の人と握手しながら歌おう。 「そして僕は途方に暮れる」。女子は目をつぶって唇をちょんと突き出すように。そういうCMがあったんだよ! 「思い出がいっぱい」。オヤジの階段をのぼりきったワシはもう窓際族よ。 「初恋」。放課後の校庭で走る君を見てたら今ならストーカー扱いだ。 「銀河鉄道999」。いまやヅラのテーマソングなのね! 「フレンズ」。最初はマドンナの真似をさせられてたんだよねえ、ノッコ。 「愛は勝つ」。こういうストレートすぎる歌は当時歌えませんでした。今なら平気。 室内にはだれが立てたのか七夕の笹が。短冊も吊るしてあって、ちらっと見ると「フェラーリ」と。いいねえ。こういうところには思いっきりバブルな願い事がよろしい。ささやかな幸福なんて似合わない。だからワタシは書きませんでした。 2005年07月09日 新入社員だより 最終回 2週間あまりの長い出張から帰ってきたら、職場の隣のデスクの上がキレイに何もなくなっていました。その席にはこれまで「新入社員だより」で紹介して(おちょくって)きた新卒入社のT君がいたんですが、6月末で退職したのだと聞かされました。 久しぶりに開けたメールの受信ボックスには、T君から全社員への「退職のご挨拶」が。それとワタシの机の中には書き置きがありました。 「短い間でしたがお世話になりました。教えていただいたことは決して忘れません」。 どういう因果か、ワタシがこれまで在籍した会社は社員の入れ替わりが激しい会社ばかり。出張中に人が減ったり増えたりしていることなどもう何十回も経験しています。ですが、やはり新卒の新人に去られるのはつらいですね。先輩として仕事の面白さややりがいを教えてやれなかったわけですから。 彼はワタシだけでなく同期の仲間にもだれひとり相談せず、「退職」という結論だけを上司に告げて、その日のうちに荷物をまとめて去って行ったそうです。ちょうど月末の忙しい時期だったので、お別れ会もないまま。 その日、T君と同期入社のU君も出張に出ていて「ご挨拶」メールを宿泊先で開いたといいます。そして文面を読んで泣いたそうです。せっかく一緒の会社に入って仲良くなったのに、どうして一言相談してくれなかったのかと。 なあT君、ワタシが仕事で教えたことなんて全部忘れてしまってもいいから、君のために泣いてくれた友だちのことは忘れんじゃねーぞ。そういう友だちにめぐり会えることなんてさ、社会じゃめったにないんだからさ。 2005年07月12日 ゴーストやってます 女房の入院費を稼ぐためには本業以外の仕事もせねばならず、知り合いの社長に「なんかやらせてくださいよ」と頼み込んだら「ああ、じゃアレやってよ」といとも簡単にお仕事GET。 アレというのは6月4日の日記で書いたブログ代行。あんなのをマジでやらされることになってしまいました。っていうかもうすでに数日前からやってます。どこの会社かって?それは言えません。ゴーストだもの。 ああしかし、この会社が上場なんかしたらブログが株価に影響したりするんでしょうか。まずいよなあ。それでなくても取引業者の人から営業っぽいトラックバックをされるは、社員からは「社長がんばって」メールなんかもらうわ。いちおう社長に毎日電話をして「今日はどんなことしました?」と聞いて書いているんですが、そのうち「適当に書いといて」みたいになるのは見えてるし。 こんな調子でワタシの精神がいつまでもつやら。そのうちアイデンティティ・クライシスを起こすんじゃないかと思っていたら、最近は意外な変化が自分に起きていることに気がつきました。むしろ良い変化。社長になり代わりブログを書いていると、なんだか気持ちが経営者になってくるんですよ。将来独立を志すワタシにはなかなか良いエクササイズです。いやほんと。ビジネススクールでも「社長ブログ」なんて講座を入れたらどうだろう(ねえ?アリ@RT365さん)。 あるいはブログが精神的な癒しになるかもしれない。ブログセラピーとか本にできないかな(どうすか?大田黒さん)。どうでもいいけど他人のブログばっか書いてるから自分の日記の更新の遅れること! 2005年7月17日 百式@大阪に行った (4) 丸一日休みなのは、長期出張から帰って今日が初めて。かけもち仕事が多くなって、それなりにリズムみたいなものもつかめてきたんですが、やっぱたまります疲労物質ってやつは。立ち上るのも億劫です。もうくたくた。 職場では「昨夜は暑くて眠れなかった」みたいな話をよく聞きますが、うらやましい限りです。ワタシゃ夜遅くにうちに帰って万年床(干さないとそろそろヤバイ)に倒れこんだら1分以内に熟睡する自信があります。ほんと「早寝」がオリンピック競技なら、ワタシは日本代表の強化選手くらいにはなる自信がありますね。 そんな毎日ですが、情報収集の窓を完全に閉ざしてしまうことだけは避けなければ、というわけで百式@大阪セミナーに行ってきました。金曜日の夜の話です。(だれか行った人います?) ご存知ですよね?百式。もし「日本のメルマガベスト10」みたいな企画をやったら無条件で上位にリストアップされるであろう超人気メルマガ。その主催者田口氏がわざわざ大阪まで来てブログやソーシャルネットワークの今後について語ってくれるというのですから、行かない理由がありません。 内容は、・・・うーん、ちょっと書けないっす。だって分かる人が聞いたら本を一冊書けそうなコンセプトが山盛りだったんですから。でもそれじゃ愛想がなさすぎですので一つだけ端的に言うと、「ブログはより一層コミュニケーションにおいて重要な役割を果たすようになる」ということ。ワタシはどちらかというと近いうちに「下火になる」と思っていたんですが、とんでもない!って感じです。 この日の話を聞いてワタシも考えが変りました。なるほどすごい可能性を秘めていますよ、ブログというやつは。これを「情報操作」みたいな危険な方向に陥らせずにビジネスにする方法も何となく見えました。ありがとう田口さん! このセミナーは最後の30分がワークショップ形式になっていて、そっちも面白かったです。たまたま近くの席に座った5~6人でチームを作って、一つの企画をまとめてプレゼンするんです。80人近くいたので15~16のチームができたのかな(セミナー、オフ会によく出る方なら分かるでしょうが、メルマガ上での呼びかけだけでこれだけの人数が集まるのってスゴイことです)。 「お題」は「まったく新しいショッピングサイト」。ワタシのチームは「商品が届くのがとにかく早い」をコンセプトにアイデアを提出したんですが、田口氏の選ぶベスト3にはあえなく落選。 どんなのかというと、まあショッピングサイトというよりはオークションサイトなんですが(だからボツだったのかな)、普通のオークションサイトは最も高値の人が落札するでしょ? でもこのサイトは「早さ」が最重要ポイント。たとえばある人が「A社のBというパソコンを○○万円で買いたいな~」と書き込むと、その条件で商品を提供できる個人や業者が「うちは明日の夕方5時にお届けします!」というように入札するんです。その一番早いところが落札する。 それってトラブル多そう・・・という他のメンバーを「とにかく分かりやすいじゃん!」と押し切って提出したんですが、分かりやすいだけでは足りなかったようで・・・(でも優勝したアイデアも大したことないと思ったんだけどなあ)。 それにしても、ウチもヨソもわずか30分たらずでよくまとまったと思います。ほんとアイデアというのは追い詰められたほうが出るものだと改めて実感。 さきほど田口氏の個人ブログ「IDEA*IDEA」の7/16付を見たら当日の写真が出ていて、なんとワタシの後姿がちらっと写っていました。分かるかな? 2005年7月18日 父のパジェロ (16) 今、ワタシの身内には入院患者が2人もおりまして。父親と女房なんですが、父親のほうはめでたく今日退院。車で迎えに行き、荷物をまとめ、本人を乗っけて帰ってきました。 運転するのはもちろんワタシ。車は父のパジェロ。父親は後ろの席から「あんまり乱暴な運転して揺らすなや。ワシ、ニトロ持ってるんやからな」と、どこかうれしそうに。「もしものとき」用のニトロを持たされてドラマの主人公になった気分でいるようです。まあそれだけ「死」を他人事のように語れるというのは安心できる状態なのかも知れません。困った老人ですが。 実家に到着して父母と荷物を下ろすと、ワタシはそのまま車に乗ってあるところへ向かいました。車のディーラーです。父親はもう車には乗れないので、引き取ってもらいに行ったんです。父親の命令です。 ワタシの父親は中学校を出てすぐ造船所に就職し、途中転勤や単身赴任などあったものの定年まで勤め上げました。会社や仕事の話を家ではほとんどしない主義だったので、会社での仕事ぶりがどうだったかまったく想像がつきません。ただ定年前に何度も「ワシは会社辞めたら好きなことを存分にやる」と言っていましたので、それなりに我慢しながら働いていたのでしょう。少なくとも「第二の人生」にやりたいことを山ほど持って会社を卒業したわけで。 父親が定年を迎えた数ヵ月後、実家に帰ってみると自家用車がカローラからパジェロに変っていました。「どしたん?」と聞くと車で旅行をするのだと。実際その年、父親は車がボロボロになるほど国内を走り回ったのでした。 旅で満たされると今度は囲碁と将棋でした。市内の囲碁将棋会館に通って毎日夜まで打っているという話を母親から電話で聞き、「そのうち飽きるよ。いくら好きでも毎日打てるもんか」とワタシは答えたものです。が、父親は倒れる前の日まで、10年間ほぼ毎日会館に通っていたのでした。老人の集まる囲碁将棋会館にはおよそ不似合いなパジェロに乗って。それが、今後はおそらく自分の力で外出することもままならないわけで。 ワタシが父親のパジェロのハンドルを握るのは今日が初めて。そして、最後。父親が会社勤めしながら暖めていた夢を果たした相棒がこの車だったわけで、それを処分する役はさすがに気が重いものでした。今さらですが、少しでもワタシが相手になってやれたらよかったのかなあ、とも。大人になってから父親と何かをしたことってほとんどないですから。 ディーラーの駐車場にパジェロを停め、エンジンを切って、営業の人にキーを渡し、オーナーは父親でなくなりました。父親は9月に再入院しなければならないのですが、そのときはタクシーを使うことになります。 ありがとな、パジェロ君。へんこなジジイで疲れただろうけど、おつかれさま。 2005年7月21日 クイズ (4) 以下の有名人の方々の共通点は何でしょう? 室井祐月(作家) 吉村作治(学者) 氣志團(ミュージシャン) 森永卓郎(エコノミスト) 木村カエラ(タレント) サエキけんぞう(ミュージシャン) 枡野浩一(歌人) リサ・ステッグマイヤー(タレント) 古田敦也(野球選手) 奥田瑛二(俳優) 玉木宏(俳優) 杉本彩(女優) だいたひかる(お笑い芸人) 井上和香(タレント) 乙武洋匡(作家) 堀江貴文(ライブドア社長) 「人間」とか「生きている」とか言わないでね。 締め切りは次にワタシが更新するまで(いつだそりゃ?)。 2005年7月23日 「公式ブログ」考察 その1 (2) なんだかなー。簡単に答えを出されてしまって、ちょっとがっかり。前回のクイズのことです。ちぇっ。答えの分かる人にとっては眞鍋かをり(字、お間違えなく)をあえて出さない「仕掛け」だってミエミエなんだろうし、恥ずかしいっすね。落とし穴を掘っているところを遠くで見られていた、みたいな。 「ブロガー」で正解ですが、正確には自分ドメインのサイトを持って日記を書いているのでなく、楽天やアメブロやライブドアのようなブログサービスの中で「公式ブログ」を持っている人たちってことです。もっと身も蓋もない言い方をすると「頼まれて書いてる人たち」。もしくは運営会社が「名前をお借りしている人たち」、うわっと! どうしてこういうクイズを出したかというと、いま仕事の関係でブログサービスをいろいろリサーチしているんです。お客に頼まれたのではなく、ワタシがWEB広告屋としてこれをうまく活用することを考えていまして。(もちろんヤラセ記事を書くような品のない発想じゃないですよ。先週「百式@大阪」で刺激されたのがきっかけです) それで、国内で提供されている無料のサービスをくまなくチェックしていると、どうしても目につくのが有名人の「公式ブログ」です。正直言って驚きました。まったく紺屋の白袴です。自分が利用しないポータルなどほとんど見ないですから、これほどまで有名人の「公式ブログ」があるのかと。 クイズに出したのはごく一部。本当はもっとたくさんの芸能人やスポーツ選手や作家たち「プロ」の皆さんがワタシたちと同じように日記を書いているんです。 ちょっとサイト別に整理してみましょうか。ブログサイト名はがんばってリンクを貼りましたのでご参考まで。(個別のブログまでは勘弁) 【楽天広場】 まずはお世話になっている楽天。意外というか、芸能人の「公式ブログ」はそれほど多くなく最近以下の2つが始まったばかり。 泉ピン子「泉ピン子のダイエット人生」 高畑充希「たかはたみつきのこれやみつき!」 まあ芸能人に頼らなくても十分ユーザーは多いですからね。実際、楽天は作家の内藤みかさんやタレントの山口良一氏らが頼まれなくても自分から参加しているわけで、老舗の余裕ってとこでしょうか。(自主参加のプロの方、頼まれて参加すれば原稿料もらえたのに、なんて今頃ホゾを噛んでいたりして・・・) 【ヤフーBLOG】 IT界の巨人ヤフーがブログを開設したのは今年になってから。ちょっとブログのパワーを過小評価していたのかも知れません。こっちも楽天同様「公式ブログ」は少ないです。 福田沙紀「アタック☆ブログ」 なんてありますが、この人選もよく分かりません。でもヤフーに出るというのはある意味で「紅白歌合戦」に出るようなもの。圧倒的多数の目に触れるわけですから、タレントにとっては営業してでも出たいメディアではありますね。 【ライブドアblog】 社長そのものがタレントだもんなあ。その上広報社員まで。まあいずれにせよブログブームに大いに貢献しているサイトではあります。ポータルとしての会員数では10位ながら、ブログの会員数は2位なんですからね。 氣志團「氣志團ちゃん特設ブログ」 矢追純一「矢追純一のUFO裏メモ」 なぜ矢追さん? いいですけど、いまだに矢追さんといえばUFOなんですね。本人は辛くないんでしょうか。 【エキサイトblog】 ブログにもっとも力を入れているポータルといえばエキサイトでしょう。ビジネス系ブログを分類して別ページにインデックスを作っていたり、タイアップ企画も山盛り。ウチらはブログで天下取ったるんや!の意気込みを感じます。もちろん「公式ブログ」の数も群を抜いています。 ボビー・オロゴン「おれのまいにち」 野宮真貴「野宮真貴のおしゃれブログ」 上村愛子「Road to Trino」 吉村作治「考古学者のひとりごと」 石原聡(ゴーイングアンダーグラウンド)「一日一膳」 レイハラカミ「ふれあい押し問答 こたえはな~い」 ラッキー・チェン「Lucky Cheng's Blog」 hitomi「10th Anniversary Blog」 奥田民夫「ブログ OT」 野田義治「巨乳ビジネス概論」 西川りゅうじん「西川りゅうじんnoエレぇキテル!」 まだまだこんなものではありません。興味のある方は「ブロガー一覧」を参照。 「日記」というと半永久的に続けないといけないようなニュアンスがありますが、ある期間だけの限定みたいな企画もあるんです。たとえばエキサイトならロードオブメジャーや矢井田瞳なんかはツアー日記を提供しています。 この辺は運営会社とアーチストの間で「ブログ書いてくださいよ」「忙しいからダメ」「じゃあツアー期間中だけプロモーションの一環でならいいでしょう?」なんて会話があったのではないかと推察するのですが、どうかな? 【MSN Spaces】 何のためにやっているのかよく分からないブログサイト。トップページのデザインもあまりに地味、っていうか「みんな、MSNで日記を書いてね!」みたいな熱意もあるんだかないんだか。 「公式ブログ」は、提携しているJリーグチームの選手に書いてもらったりしていますが、書いているだけではプロモーションにもならないでしょう。「社長日記」を書いていた古川氏が退任されてどうなるかと思ったら、一個人としてブログは続けるそうです。「公式ブログ」って止めぎわが難しいですね。 【goo blog】 このサイトの「公式ブログ」の人選は、ある意味凄いです。 鹿取義隆「ホームシアター・スポーツ観戦記」 中畑清ブログ「絶好調」 森永卓郎「つながるモリタクBlog」 大前研一「ニュースの原点」 鹿取、中畑って80年代のジャイアンツの選手じゃん!何で今さらというこの人選にはビックリ。しかも中畑氏のブログはタイトルが毎回「こんばんは、中畑清です」というのにも愕然。ちょっとは考えろよ。 あとはモリタクに大前氏だから、巨人ファンの中高年男性スタッフが担当しているんでしょうか。しかし森永氏のブログは開けてみて脱力。もう犯罪的なまでのやる気のなさ。トップページに写真入りでバナーまで貼ってもらっているのにこれはあんまりです。 長くなりました。明日に続きます。(もはや日付の意味なし) 2005年7月24日 「公式ブログ」考察 その2 (4) ※昨日付から続いています。まず先に下からお読み下さい。 前回日記で取り上げたブログサイトの共通点って分かります? アリさんにばらされる前に言ってしまうと「大手ポータルサイトが運営しているブログ」です。ブログサイトって運営している会社によっても多少傾向があるんですよ。まあ今回は「公式ブログ」が主題なのでそっちはおいておきますが、興味深い事象ではあります。 さて、では「公式ブログ」考察の続きです。 【アメーバブログ】 新興ながら急速に会員数を伸ばしているアメブロ。このサイトは有名人のブログよりもむしろ企業とのタイアップ企画のほうに力を入れています。それもそのはず、運営しているのは広告会社(数日前に女優の奥さんと離婚した社長が経営しています)。ブログそのものを商品と考えている点はヤフー、楽天、ライブドアなんかと根本的に違うところです。「公式ブログ」は地味。 梨元勝「ブログで恐縮です!」 おちまさと「東京おちまさとランド」 同業者としては、このサイトの動向に注目しています。今のところ広告会社の運営するブログはこれくらいですからね。 【ウェブリブログ】 ここから以下はプロバイダ会社が運営するブログサイト。これはBiglobeです。 杉本彩「ビューティブログ」 玉木宏「ヒロシのブログ」 山本太郎「タロウのブログ」 片山右京「F1 Blog」 平尾誠二「ラグビーW杯招致ブログ」 福島晃子「AKKOの気まぐれブログ」 藤臣柊子「あっという間にブログ」 「ヒロシ」に「タロウ」って何だそりゃ?と思ったら、2人は親会社NECのパソコンのCMに出ているんですね。こういう「親会社のからみ」が露骨に見えるのが、新興のIT企業と大手電機メーカーの違いです。ワタシ的にはあまり好きではありません。 【ココログ】 これは@ニフティの運営。ここの一番の売り物は、おそらくこんな形でブレイクするとは本人も思っていなかったであろう「ブログの女王」眞鍋かをりブログ。味をしめてか有名人ブログはかなり多いです。 眞鍋かをり「眞鍋かをりのここだけの話」 松井稼頭央「KAZUO'S VOICE」 楢崎清剛「NARAZAKI.com」 室井祐月「室井祐月Blog」 ケンタロウ「Kentaro's rockin' cookin'」 枡野浩一「枡野浩一のかんたん短歌blog」 乙武洋匡「乙武洋匡オフィシャルサイト」 ダバディー「FLORENT DABADIE BLOG」 伊原剛志「伊原剛志の志して候う」 水野美紀「インテリア セレブ紀行」 木村剛「週刊!木村剛」 加藤ローサ「BLOG de チェキ日記」 サッカーの楢崎クンのブログタイトルがおかしい。普通「○○ドットコム」がタイトルだったら、それがそのままURLになるものなんですが・・・。全然ドットコムじゃないんですよね。 【Blogzine(ブログ人)】 これはOCNの運営。ってことはNTTの関係です。というわけでこっちもCMがらみでぐっさんのブログがあったりします。いかにも、ですね。「ブログ人」っていうタイトルもセンスが古い、っていうかオヤジくさい。ブログのマガジンってことでしょうけど、わざわざ意味ありげなタイトルをつけるほど独自性を感じる編集でもないんです。 山口智充「ぐっさん部屋」 井上和香「和香のキモチ」 奥田瑛二「瑛二独談」 リサ・ステッグマイヤーの「Risa'sジャーナル」 中村江里子「パリスタイル」 【So-net blog】 プロバイダ系のブログサイトは「会社名+ブログ」ではないオリジナルネーミングが多いですが、これははっきりソネットの名前を出しています。アリさんも読んでいるという古田選手のブログはワタシも好き。もうちょっと頻繁に更新してほしいですね。 古田敦也「古田敦也公式ブログ」 だいたひかる「だいたひかるの情緒不安定Blog」 木佐彩子「木佐彩子のほほんblog」 ハイヒールモモコ「モモコのフルーツバスケット!」 どうでもいいですが、このサイトの中に「ノストラダムスブログ(絶賛予言中!)」なるブログを発見。筆者プロフィールを見ると「はまっていること:カミサンの悪口。好きなもの:塩辛、じゃこ天」ってアンタ一体だれよ!? 思わず開くとあまりの馬鹿馬鹿しさに脱力。うーん、こういうブログ、大好き。 【ヤプログ】 これはGMOなるIT会社が運営しています。GMOは他にも「ティーカップ」というブログを運営しているんですが、なんか近いうちに統合しそうな予感。あまり一般にはなじみがないかも知れませんが、メルマガのまぐまぐなんかはGMOのグループなんですよ。 長野智子「長野智子blog」 サエキけんぞう「サエキけんぞうのsaekingdom.com」 パラダイス山元「パラダイス山元の公認サンタクロース、ライフ。」 公認サンタクロース、テレビで見たことあるなあ。 【JUGEM】 運営はペーパーボーイというDCブランドみたいな名前の会社。「ロリポップ」というお菓子みたいな名前のレンタルサーバの会社です。ここの「公式ブログ」ははっきりと「コラボ企画」とうたっています。こういうスタンスってワタシは好き。要するに宣伝目的と明言しているわけです。大事なことだと思うんですよ。ブログみたいな「言っている」のか「言わせている」のか曖昧なものは特に。 木村カエラ「kaela★Blog」 ・・・・・・・・・・・ 大体こんなもんでしょうか。あとブログサイトでは老舗の「はてなダイアリー」や「seesaa ブログ」を忘れるわけにはいかないんですが、これらには有名人の「公式ブログ」は見当たりません。ポリシーでもあるんでしょうか。だとしたら良いことです。ただし「はてな」は有名人のブログはないものの企業とのタイアップはしているようで、「企業ブログ」の話をすると必ず話題になる「ブラザー社員の日記」は「はてな」の協賛です。 ふう、疲れました。このリサーチのおかげで(もちろん「公式ブログ」だけを調べていたわけじゃないですよ)ブログ事情というものが随分頭の中で整理できました。次は、やはりこの道では先進国のアメリカの現状も勉強しておかなければ。シックスアパートとかゴウカーとか、すごい興味あります。 ・・・・・・・・・・・ おっと、もう気にしてなどいないアクセス数ですが、今日めでたく7000を越えましたのでご報告。キリ番を踏んでいただいたのはyjkfw481さんでした。何か良いことがありますように。 2005年7月29日 久しぶりに笑った (3) 友人から「テレビ欄占い」というサイトを教えてもらいました。 名前(ハンドルネーム可)と生年月日を入力して「結果を見る」を押すだけで、自分が主役の素敵なテレビ番組表を作ってもらえます。しかも性格判断をテレビ欄と視聴率で教えてくれるのですからすごいです。 ちなみに意地悪なワタシは同じ生年月日で別の名前をかたって占ったところ、視聴率と性格判断はそっくりそのまま同じでした。この部分は生年月日で決まっているみたいですね。 番組表は占うたびに別のものが出るので、これはお遊び。あまりバリエーションもないようですし、何度もやるのはよしましょう。 それではサンプルに、ワタシの占い結果を公開します。 きっかけは「テレビ舎路人」! ●テレビ舎路人 5:30 舎路人モンTV 激安舎路人と旅行▽多摩で田中麗奈が 7:00 おはよう舎路人です お得! 激安舎路人▽今すぐ食べれる宮崎の舎路人▽かさぶたが長い? 8:30 はなまる舎路人 主婦のおこづかい倍増計画▽とことんつくすタイプ中森明菜の愛?▽不器用でも楽しい? スリッパ遊び 10:25 (S)それいけ! 舎路人マン(再)「舎路人マンとおたまじゃくしマン」ほか (声)伊集院光 11:28 ONLY舎路人 11:32 舎路人かたろぐ◇35(N)(天) 0:00 おもいきりテレビ 総理大臣完全撃退法▽イタリア料理が中性脂肪減らす 1:00 (S)(字)楽しいキョンシー 1:30 (S)左足計画 森田剛 赤井英和ほか 2:00 必殺仕事人間(再)「中指を見た女」◇(N) 3:00 (S)鉛筆探偵!(再) 有野晋哉ほか 3:48 (N)◇52サスペンス傑作劇場「新宿法律相談所3・消えたスカート」(再)桜井幸子 石橋貴明 細川たかし 渡辺美奈代ほか 6:00 天才舎路人くんワイド▽ナマ放送・めだかゲーム大会▽ミュージック▽アニメ 6:45 不思議なパンツ物語 「父と電柱」(後) 7:00 プロ野球~佐渡島ドーム 巨人×舎路人ズ 解説・アグネス・チャン 実況・hyde(最大延長9:24まで、以降の番組繰り下げ) 8:54 (N)スポット 9:00 ドラマ・永遠にしょぼい舎路人 「ラジカセは白っぽい」 三宅健 田辺誠一 長瀬智也ほか 9:54 (S)ニューススポッティング 9時54分ですよ▽舎路人意味深発言の波紋▽気になる野球の結果▽佐藤藍子のぶらり旅お、おいしそうお台場街道で 11:00 (S)11時の音楽ショー 広末涼子vs久本雅美! 11:30 (N)出来事 11:55 スポーツ舎路人 パリのエース初登板…▽0:07舎路人ッコ 爆笑新企画 いやらしい湿地他▽42舎路人24時間全裸でトーク! 1:25 舎路人のエロスぎりぎり 近藤真彦感激松山千春と 2:45 (S)映画案内 3:20 買い物 3:25 催し◇(N)24 ・・・・・・・・・・・・・・・ 舎路人さんの平均視聴率は、4.5%、テレビ局タイプは、NHK教育です! ・・・・・・・・・・・・・・・ NHK教育さんの性格 一言でいうと実直、勤勉です。目立つ風貌ではありませんが、人はあなたと一緒にいると落ち着きます。あなた自身も人と一緒にいることが好きで、人から抜きんでることは好みません。仲間はずれにされると、とても傷つきます。人に言われたことには従いますが、それで負けたとは思いません。普段はおっとりとしていて柔らかいあなたですが、ひとたび怒るとその怒りは相当のもので、しかも怒りは持続します。けれど相手が心をこめて謝ると、善良なあなたは許してあげます。 ・・・・・・・・・・・・・・・ ↑占いはここまで。 性格判断はまずまず当たっているかな。ワタシに会ったことある人、どうですか? ワタシは局にたとえるとETVってことですけど、それはちょい複雑です。 気になるのは夜9:00の「ドラマ永遠にしょぼい舎路人」なんじゃそりゃ! 午前1:25からの「舎路人のエロスぎりぎり」も見逃せません。 生年月日を知っている有名人でやっても面白いです。 ちなみにホリエモンでやってみたらワタシと同じNHK教育タイプでしたが、平均視聴率は14.6%でした。ちょっと悔しい。 ああ、ひさしぶりに笑った。 2005年7月30日 クレーマーなワタシ (10) あああなんか日記が週刊ペースになってるうう。 いろいろ忙しくて、結局自分のやりたいことが一番後回し。でもワタシがゴーストで書いている某社の社長日記が、なんと7月にスタートしたばかりなのに早くも10000ヒット突破! これには自分でもビックリ! これでどういうことを書けばアクセスが上がるのか、ビジネスにブログがどういうふうに活かせるのか、かなり見えてきましたね。いっぽう自分の日記は、更新しない日は平均アクセス10前後、皆さん、リンクはずさないでね。 ・・・・・・・・・・・・・ 一昨日のことです。ちょっと用事があって姉夫婦の家に行ったのですが、手ぶらでは何ですのでおみやげにちょっとした洋菓子を買って行ったんです。そこには中学生の姪っ子もいますので。 数時間後、話しを終えて自宅に帰る途中のワタシの携帯電話が鳴りました。 姉からです。 「あのな、気ィ悪うしたら申し訳ないんやけど、大事なことやし、言うとこうと思うてな」 「どしたん?」 「今日持ってきてくれたお菓子。あれな、消費期限過ぎててん」 「いいっ!ほんまに?」 「うん。包装紙に貼ってあったシール見たら、消費期限が昨日になってる」 おそらくだれでも同じだと思いますが、ワタシは相当ムカつきました。大事な相手だからお土産を買って持って行ったのに、それが消費期限切れとは。 翌日、ワタシはそのお菓子メーカーの消費者相談室にさっそく電話を入れました。出たのは観光地の名所案内のナレーションのような平板な口調の年齢不詳の女性の声。 「昨日○○店で買ったおたくのお菓子、消費期限切れてたんですけど」 「当社は品質管理には万全の体制で臨んでおりますので、そのようなことはないはずなんですが」 ムッカー!! 相談窓口のくせに何という口をきくのか。自分のほうに非がないという前提でよく相談窓口が務まるものです。しかしワタシは努めて冷静に話しました。 「そうですか。ではあなたはワタシがウソをついているとおっしゃるんですね」 「そうではございませんが、実物をお持ちですか」 「目の前にありますよ。これから持って行きましょうか」 本当は実物は姉の家にあるんですが、これはハッタリです。 「間違いないということでしたら、お取替えいたします」 「いいえ、もうおたくの商品など欲しくはありません。返金でお願いします」 「当社規定では同じ商品のお取替えでお願いしているんですが」 「勝手に決められても困ります。だいたいそれをうちまで持ってきてくれるんですか?」 「ご住所をお教えいただければお送りいたします」 このあたりでワタシの冷静さも限界です。黙って聞いていれば、さっきから一言のお詫びもないじゃないですか。 「あんなあ、ちょっと待たんかいや。さっきからあんた一言の詫びもないやないかい。ええ?こっちはいろんな商品がある中からおたくのを選んだんやぞ。それで大事な親類のところに持って行ったら消費期限が切れてたちゅうわけや。ワシャめちゃめちゃ恥かかされたんや。想像できへんか? お土産を買うっちゅうのんは客にとっては大事ぃなイクスピーリエンスやねんぞ。気にいらんかったら商品を取っ替えたら済むっちゅう、その態度がムカつくんや!わかっとんかいゴルア!」 すると手に負えないと思ったのか、女性は「お待ちください」と言い残して引き下がり、上司らしき男性が出てきました。ワタシはもしかしてクレーマー扱いされているのか。そういえば映画『クレーマー・クレーマー』のダスティン・ホフマンもワタシと同じ広告屋だったな。 などと関係ないことを考えていると、男性は「大変申し訳ございません。お買い上げいただいた店で返金いたします」とあっさり。ワタシは店の名を伝え、会社の帰りに再びその店に寄って代金を受け取りました。 で、今日です。一言謝っておこうと、ワタシはまた姉の家に行きました。 ことの顛末を話し、今度はしっかり日付をたしかめて購入したお菓子(別のお菓子屋のもの)を手渡しました。すると、姉は台所から例の消費期限切れのシールを出してきました。 「もしかしたらお店に見せろって言われるかと思って証拠品を置いといてん。見てみ。これ、消費期限の欄、7.27ってなってるやろ」 「ほんまやな。これ買うたん28日やもんな。間違いないわ。」 しかし、じっくりそのシールを見ていると、ワタシの心臓は急に大きく鼓動を打ち始めました。たしかに7.27は間違いありませんが、その前にしっかりと刻印されているじゃないですか。 2006 と。 消費期限はきっかり1年間あったということじゃないですか。姉ちゃん! 「あたし元号派だから」とか笑ってる場合じゃないよ。 これじゃワタシは菓子屋を恐喝したヤクザじゃん!どうすんだよおおお!!! イチボシ facebook イチボシ Twitter |