仕事のやりがいって何。…考えてきたことの記録・2@2008年6月
悩んで迷って紆余曲折して立ち止まったり後戻りしながら、私がいま此処に至るまでに考えてきたこと。 きっと今後またどこかで迷う時の励みになるといいなぁと思って,昔の日記をここに記録しておこうと思う。その12008年6月の日記 ------------------------------------あたしは原料部に配属されました。 それが決まって最初に感じたことは、商品を作って売って成り立っている会社の大事な部分に関われて、仕事の規模も大きそうで、大変そうだけどなんだかやりがい、ありそうだなぁ~ってこと。 今はまだ仕事の「し」の字をかじりはじめたレベルで、自分の担当があるわけじゃないし、全体像も見えてこないからかもしれないけど、以前のあたしは「やりがい」ってものが何なのかちゃんと分からずにやりがいありそう~とか言ってたんだと思う。 スケールでかい仕事をすることの何がやりがいに繋がるのかとか全然考えてなかった。 仕事のやりがいって何なんだろう。 今はまだ何も感じてない。 いざ仕事を少しかじりはじめて分かったことは、仕事のスケールがあたしの身の丈を超えてしまっているということ。全体像も見えずに、何がなんだか分からない。 完全にキャパ超えしてる。 所謂、大企業で歯車の一つになって働く…ってきっとこういう感じなんだろうなぁと思った。 あたしは果汁の購買をするといっても、ただお台場のオフィスの中で、パソコンと電話を使うだけで、扱う製品はあたしの手元に届きもしない。あたしが依頼するけど、製品は直接、サプライヤーからうちの工場に送られてしまう。 取引先の方が来て商談をするけれども、その方は製品を何も持っていない。果汁の取引をするけれど、その果汁はあたしたちからは見えないところにある。見えないものについて取引してる。 自分が一体何を買っているのか分からない。 果実がどういう風に果汁になるのかも分からないし、原料としての果汁がどいういう形で工場に納入されているのかも分からない。 果汁見たことないもん。ドラム缶だって実物よく知らない。 だから「委託先工場に封印のついていない原料が納入されました。差し替え対応お願いします。」っていうトラブルが発生した時に、一通り状況を説明された後「じゃあまずはサプライヤーに電話して」って言われたときは、意味不明すぎてどうしようかと思った。 一応言葉で説明されて全く分からないわけじゃないけど、うまく納得できないし、すっきりしない。それでもとりあえずは対応しなきゃならない。あたし以外の人はみんな分かってて、あたしの対応を待っているから。 でもやっぱりあたしにはキャパ超えで、結局最後は先輩がやってくれちゃったけど…。 自分が何してるのか実感がないから、気持ち悪いし、怖い。 熱いも寒いも何も感じない快適な箱の中で、ただただ時間だけが恐るべき速さで過ぎていく。 …たとえば。 営業実習の時は、スーパーとかコンビニ巡って、重たいケースをひたすら積み上げて、汗だくになって、体痛くなって…それでも売り場が出来上がると嬉しくて、小さいことだけどちゃんとやりがいを感じられた。 店頭で推奨販売したときは、大声出しまくってのど痛くなって疲れも半端なかったけど、積み上げたケースがどんどん減っていくのをみると気持ちよかったし、お客さんから元気があっていいね~とか言われると素直にうれしかった。 売れれば嬉しい。売れなければ悔しい。 これくらいの規模があたしの身の丈には合ってるんだと思う。 今回の生産実習では、いろいろ感じた。 果汁の原料が見てみたくて、食品の工場で、全体の研修が終わった後、工場の方にお願いして特別に原料受入ヤードとかを見せてもらった。 ドラム缶の封印っていうのとか、濃縮果汁が凍ってて硬くなってるのとか、倉庫の様子とか、今まで言葉でしか分からなかったモノの現物を見ることができて、本当に良かった。 そして工場で働く方たちをうらやましく思った。 彼らはひたすらウイスキーなりビールなりホンモノと向き合って、どうやってよりよいものにしていくかを考えて働いている。 目の前にあるものがどうやって変化していくのかとか、ちゃんと見ることができる。 だから、あたしもできるだけ実感を持って仕事をしていきたいと思った。 仕事にやりがいを見つけたい。 これからキャパ超えしてることに取り組んでいかなければならない状況がたくさん来て大変だろうけど、負けずに、前向きに、頑張っていきたい。 別に今の仕事がいやなわけじゃない。むしろやりたいし、これからが楽しみ。 だってここで頑張れば知らない世界を知ることができるんだろうから。 今はできないことも、できるようになれるだろうし。 それに原料部に来てなかったら、こんなに現場や現物を知りたいだなんて思わなかっただろうし、こんなにもこの実習で多くを感じることもなかったと思う。 工場で原料を見せてくださいなんて頼めなかった。 これからも、仕事を覚えることはもちろんだけど、 できる限り外にも出て行って、現場や実物を見ていきたい。 ホンモノをちゃんと知りたい。倉庫でも、畑でも。機械でも。 取引先に来てくださいって言われたら何とか時間作って全部見にいきたい。 それで、現場にいる人の顔を見て、話を聞きたいし、 ホンモノの果汁の香りをかぎたいし、味もみたい。 果実から果汁へ加工して変化していく過程も全部見てみたい。 そうやって少しでもオフィスの中で目に見えないものを扱うというあたしの仕事を 分かりやすいもの、感じやすいものにしていく努力をしたい。 今は少なくとも、実感することがやりがいに繋がっていくんだと思うから。。 …というわけでまずは明日一日、目の前の仕事、頑張ってきます。------------------------------------今から思えば、この時に感じていた実感を伴わない日々への疑問が最後まで私に付きまとって会社を出る後押しまでしたような気がする。1,000,000と10,000,000という2つの数字を見たって何も「実感」はない。だけど私がしてきた仕事というのは、この1,000,000円と10,000,000円の持つ重い意味をとにかく具体的に想像して物事を前に進めていくこと。全てを決断して会社を動かしてるけども実感を伴わない数字。それを見て喜び、恐れ、追い詰められていた。だから結果的には数字に「敏感」になれたから社会人としては良かったんだと思うけど。あとはもしかしたら直属の上司との相性もあったのかも。私が現場を見に行って自分の仕事の実感を得たいと思っても、私の上司は必要ではないと考えていた。だから外に出るチャンスがあっても、出してもらえないことが多かった。まぁ結局、自分の上司の信頼を得られなかった私の問題なんだけどね!