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今回紹介するのはレアなローランドモルト、レディバーンです。レディバーン蒸留所は1966年に創業し、1975年に閉鎖されました。操業していた期間はわずか9年ほどで、前回紹介したキンクレイスよりさらに希少価値の高いシングルモルトです。ほんのりと甘い麦芽や軽やかなシトラスの風味が特徴的で、ローランド産らしいすっきりした飲み口に仕上がっていますね。現在はまだ入手可能ですが、大変高価でコレクターズアイテム的な要素が大きな商品となっています。
レディバーン蒸留所は、ウィリアム・グラント&サンズ社によって、1963年にガーヴァン・グレーンウイスキー蒸留所の建造とともに、工場群の一角に建てられました。設備はステンレス製のウォッシュバックが6槽、ポットスティルは初留が2基、再留が2基の合計4基。なお再留釜のヘッド部分には、酒質を軽くするためにピュアリファイヤ(精留器)が取り付けられていました。仕込み水は、ペンワップル貯水池から引きました。 このシングルモルトがレアなのは、蒸留所が短命だったこと以外にも、オフィシャルボトルがわずかしかリリースされなかったという理由もあります。グレーンウイスキー蒸留所と併設された他の蒸留所(キンクレイス with ストラスクライド、グレン・フラグラー with ガーンヒース、ベン・ウイヴィス with インヴァーゴードンなど)と同様、レディバーンももともとは自社のブレンデッドウイスキー「グランツ」の原酒として使用するためにつくられた蒸留所だったのです。グランツのグローバルアンバサダー(親善大使)であるルド・デュクロさんによれば、グランツ25年のようなプレミアムクラスのブレンデッドには今日でもレディバーンが使用されているそうです。 2000年に、1973年ヴィンテージの27年ものオフィシャルボトルが突然リリースされ、モルトファンを驚かせました。またボトラーズものでは、少量ですがゴードン&マクファイルやシグナトリーなどから「エアシャー」のブランド名で発売されています。 ちなみにガーヴァン・グレーンウイスキー蒸留所では、2007年にアイルサ・ベイという新しいモルトウイスキーの蒸留所が創業しました。ウィリアム・グラント&サンズ社の説明では、アイルサ・ベイはレディバーンの復活ではなく、まったく新しい蒸留所だとのことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月23日 10時13分11秒
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