エシェンハイマー物見塔(Eschenheimer Turm)
現在この塔の右も左も自動車道になっていて,周りには古い建物はほとんど無い。 写真右側は薬品会社バイエル社。下部はカフェバーになっているようだ。 また週に一度は市がたち にぎわう。
高さ47mのこの塔は1426~1428年にドーム棟梁のマーデルン ゲルテナー によって建てられた。街の中央ハウプトヴァッヘから北の方へ見渡すと場違いな感じ の中世の塔がポツンと立っている。この塔のある通り(Große Eschenheimerstraße) は中世にはタウヌスを越え、リンブルクからケルンに到る荷馬車が通った道であった。この二つの都市を結ぶ道は輸送の為重要な道だった。当時、フランクフルトの人口は10000人程度。ケルンの人口は既に30000人に達していた。
1333年以来、フランクフルトには60の塔が造られるが、その中で最も贅沢なつくりの塔である。初め(1346年)には丸い塔として造られた。下側を四角形に、その上を丸くしたのは1428年に再建された時である。
偶然この塔にまつわる伝説を見つけたので紹介する。 市の森で捕らえられた,常習の密猟者ハンス ヴィンケルゼーは、死刑を宣告され エシェンハイマーの塔に投獄された。死刑執行の当日、最後の願いを聞き届けられる 事になった彼はライフル銃を所望した。風見がうるさくて一晩も寝られなかったので、 ここで過ごした9日間を記念して風見にこの銃で数字の9撃ち抜こうと思うといった。 そこで もしそんな曲芸じみたことが出来たら自由にする事を約束して銃が渡された。 彼は9発でこれを成し遂げて自由のみとなった。
この時の数字の9は今も見ることが出来る。 塔の下に立ち見上げると,9の字を肉眼で確認出来ます。 (もちろん当時のものではないと思いますが…)
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