2004/09/01(水)10:22
人工内耳埋め込み手術後のセラピー
およそ1000人に3人の割合で耳が聞こえない赤ちゃんが産まれているそうです。
先週セラピーを見学したハッサムもその一人でした。
彼は出生数日後に受けた聴力検査がきっかけで聴力障害があることが分かり、1歳7ヶ月で人工内耳埋め込み手術(Cochlear Implant)を受けました。
そして今は5ヶ月目。
聴力障害がない赤ちゃんは、7月30日の日記に書いたようにお母さんのお腹にいる時から言語のイントネーションを聞いています。
そして生まれた時はすでにお母さんの言語のイントネーションを聞き分けられるまでになっているのです。
1歳7ヶ月で音を聞き始めたハッサムは、実際は1年7ヶ月よりもっと長い間「普通の子」より遅れをとったということになります。
1歳7ヶ月。他の子は言葉を話し始める時期にハッサムは初めて音を聞き始めたので、その差をなるべく縮めるようにセラピーをしないと後々まで言語に影響が出るようになります。
こういう子達は急に音を聞くようになっても、自分の耳を信じなかったりするそうです。
なので音が聞こえてハッサムが反応する度、音のソース(電話など)を指さしたりして「そうそう、ここから聞こえているのよ」などと確かめてあげます。
また音によって意味が違うこと(時計の音・車の音など)、言語にはイントネーションがあること、音楽というものがあることなど教えていきます。
ハッサムは音を聞き始めて5ヶ月、もうすぐ2歳になりますが、私が見学したセラピーで初めて「あーああー」とイントネーションがついた声を出しました。
「バイバイ」とか「もっと(more)」らしきことも言ったので家族と一緒に大喜びしました。
これは「音はコミュニケーションに使える」ことを理解し始めた証拠。
ハッサムの人生は始まったばかり。家族には大変なことだと思うけれどぜひ頑張って欲しいです。