今回は08年最後の特別版として為替市場関係者16名を対象に、来年の為替市場見通しについてアンケートを実施した。その結果、ドル円DI(上昇-下落)は-18.8で「ドル安」、ユーロドルDIは-31.3で「ユーロ安」、ユーロ円DIは-18.8で「ユーロ安」との見通しになった。また、「今後の世界経済の浮上時期は?」との質問については、「2010年以降」が最も多く、次いで「2009年10-12月期」となった。
その結果、ドル円DI(上昇-下落)は-18.8でドル売り、ユーロドルDIは-31.3でユーロ売り、また、ユーロ円DIについても-18.8とユーロ売りが優勢となった。
今回最もマイナス幅を拡大させたのはユーロドルDI。これについて邦銀筋は「ユーロ圏の景気悪化が深刻化するなかで、欧州中央銀行(ECB)が利下げへ動くこととなれば、現水準から下向きに調整される」(外銀筋)という。また、別の筋からは「ECBが今後、ゼロ金利政策の実施に向かうかに注目している」との声も聞かれた。一方、ドル円についてはややドル売りが優勢となっているものの、その中でも意見は割れており、外銀筋は「目先の安値である87円台を割り込むと実弾介入もある」との声がある一方で、別の外銀筋からは「主要各国が利下げを実施し、日本と同水準まで低下するなかで円買いポジションを崩す動きは考え難い」との意見も出ている。よって、現在の状況では方向感が掴み難い部分もあるようだ。
今回の個別テーマは「今後の世界経済の浮上の時期は?」と年明け後の一番の注目となるオバマ氏の大統領就任を前に「オバマ新政権に対する現在の期待度は?」との質問を追加した。なお、後者については5段階評価で回答を頂いた。この結果、世界経済の浮上の時期については、「2010年以降」との意見が最も多く全体の半数を占めた。次いで「2009年10-12月期」が31.2%となり、2009年後半以降の回復を予想する声が8割強に上った。ちなみに2009年前半での回復を見込む声は無かった。
また、オバマ新政権に対する期待度については、「4」の評価が最も多く、次いで「5」の結果となり、両方を合わせると全体の6割強を占め、市場関係者の米新政権に対する期待がいかに高いかを示す結果となった。一方、低評価の「1」をつけた関係者はおらず、また、「2」については12.5%となった。