ニコワンをドーピングする
ニコワンの売りの一つにアダプタFT1がある。AF-S VRレンズと組み合わせるとAF,VRが使えるのだ。まぁ当たり前だわね。んで、かなり早い時期にアダプターFT1を手に入れていたんだが、手元にあるのはAiやただのAF Nikkorばっかり。肝心のAF-Sレンズがなくて、カメラ古墳で眠る羽目になっていた。これじゃ宝の持ち腐れ(お迎えしたカメラ関連物は大方が宝の持ち腐れ状態ではあるのだが)なので、機会があればレンズもお迎えする心つもりだった。狙っていたのは55-200。そうダブルズームキットに同梱されてる奴ね。で、なかなか踏ん切りがつかない日々が続いてたんだが、そうこうしてたら二代目55-200がお手頃になったのでめでたくお迎えしたのだ。さすがキットレンズだけあって、もうプラスチックの塊。まずD4辺りに付けるなんて絶対できないし、ミドルクラスに付けるのも躊躇われる。まさに初心者向け、ファミリー向け。ところが、このレンズ、ニコワンに実によく似合う。デジイチには小振りすぎるサイズが逆にジャストフィット。専用レンズと見まがうくらい。しかもセットでも実に小さい。いやぁ、こんなに小さいくせに35ミリ換算で540ミリまでの望遠撮影ができるし、それでいて小さいバックにも入るんだよね。実に痛快です。AFのスピードは純正とそれほど遜色ない感じ。この辺りは厳密には落ちるんだろうけど、そもそもオリジナルが超速AFだもんね。ニコワン専用レンズに比べると機能制限がいろいろありますが、最も大きいのが測距ポイントが中央1点だけということ。これについては、多点測距だとレース撮影時に意図しない対象にピントが合うこともあるので中央だけでも使い方次第かな?そしてニコンが売りにしていた「スマートフォトセレクター」が使えない。というか、そもそもこの機能使ったことない。なにわともあれ、まず試写だわね。早速バックにニコワンを放り込んで散歩に出かける。すると川沿いに多くのカメラマンが集結してるじゃないか。見ると三脚に大砲レンズがズラリ。何だ何だ新手のアイドル撮影会でもやってるのか。近づくと「丁度良いとこですわ。ええ娘来てまっせ。」と声を掛けられる。しかし、指さすほうを見ても誰もいないし何も見えない。むーん、なんだこれは?すると突然、モデルが登場した。いや、目の前を高速で横切った。こ!こいつは!そう野鳥界のトップアイドル「かわはぎ」‥じゃなくて「カワセミ」じゃないですか。いやぁ、写真でしか見たことがなかったカワセミの実物がこんな近所にいたんだ。ビックリ。今度ははっきり場所が分かったので、ニコワンを構える。ぐわ!小さい。35ミリ換算で540ミリの超望遠でも本当に小さい。止まっているときはほとんど動かないが、ひとたび羽ばたくとあっという間に視界から消え去るカワセミ。離陸の瞬間はもう運任せです。でも面白かったなぁ。久しぶりに「写真撮ってる」気分を味わえたのだ。たださぁ、今日の一件でニコワン用の70-300がとっても欲しくなったのよ。FT1では中央1点しかAFポイントを使えない、スポーツならそれでも大丈夫だと高をくくっていたけど、あんな小さいモデルを中央1点のAFポイントで追いかけるのは不可能。それと「こんな機能など要らんわ」と悪態をついていた「スマートフォトセレクター」。これも野鳥撮影にはあったほうが絶対有利だわね。あぁ煩悩と物欲に限りなし。