柔道(じゅうどう)
柔道(じゅうどう)は、明治15年に嘉納治五郎が創始した武道であり、格闘技、スポーツ、武術にも分類される。正式名称を日本伝講道館柔道という。「精力善用」「自他共栄」を基本理念とし、「柔能く剛を制し、剛能く柔を断つ」を真髄とする。単なる勝利至上主義ではなく、精神鍛錬を目的としている。剣道や空手道と並び、日本でもっとも広く行われている武道の一つ。柔道の試合競技は1964年の東京オリンピックで、正式競技となる。女子種目も、1988年のソウルオリンピックで公開競技、1992年のバルセロナオリンピックでは正式種目に採用された。現在は、世界中に普及し、国際柔道連盟の加盟国・地域も187カ国ある。日本以外では、欧州で人気が高く、特にフランスの登録競技人口は、日本の登録競技人口を大きく上回っている。 現在、国際柔道連盟の本部は韓国ソウルにある。四級以下:白帯三級から一級:茶帯初段から五段:黒帯六段から八段:紅白帯九段から十段:紅(赤)帯※六段以上は黒帯でも構わない。【競技規則概要】試合ルールは講道館柔道試合審判規定(以降、講)と国際柔道連盟試合審判規定(以降、国)がある。試合場内は、9.1m×9.1m(5間)(講1条)、もしくは8m×8mから10m×10m四方(国1条)の畳の上。(「試合場」は、講14.55m(8間)、国14~16m四方の場外を含めた場所を言う)講道館規定67種類,国際規定66種類の「投技」と29種類(講道館,国際共)の「固技」を使って、相手を制することを競う。試合は、試合場内で行われ、場外でかけた技は無効となる。場外に出たとは、立ち姿勢で片足でも、捨身では半身以上、寝技では両者の体全部が出たときを言う。ただし、技が継続していている場合はこれにあたらない(講5条、国9条)。審判員は主審1名、副審2名の3名が原則であるが、主審1、副審1、もしくは審判員1でも可能である(講17条、国5条は主審1、副審2の構成しか認めていない)。また、審判に抗議することはできない(講16条)。試合は立ち姿勢から始まり(講10条)、一本勝負である(講9条)。試合時間は3分から20分の間で決められ、延長も可能(国10条では、世界選手権大会と、オリンピックの男5分、女4分しか決められていない)。ただし、「待て」から「始め」、「そのまま」から「よし」までの時間はこれに含まれない(講12条、国11条)。また、試合終了の合図と共にかけられた技は有効とし、「抑え込み」の宣言があれば、それが終了するまで時間を延長する(講14条、国14条)。勝敗は優勢なものの勝ちとなるが、「一本」の場合残り時間にかかわらずその時点で試合は終了する。また、両者に投げ技や抑え込みによるスコアがなかった場合には、試合を同じ時間延長しどちらかが先にポイントをとった時点で試合終了となる(ただし講、国ともに、ゴールデンスコア方式で行うとは明記されていない)。それでもなお時間切れになった場合は主審および副審の判定により優勢勝ちが告げられる。大会の規定によっては引き分けとする場合もある。