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テーマ:政治について(19781)
カテゴリ:政治、社会問題
率直にいうなら、NHKは必要だと思う。
なくても成立するが、あったほうが、個人的にはいいと思う。 よく、民放はどこのチャンネルを回しても同じ番組ばかり、、、という声が上がるが、商業ベースで視聴者に受け入れられる番組、となると、どうしても似通った商品が多くなるのは、ある意味必然でしょう。 たとえば、電化製品だって、そうだ。 大型テレビだって、DVDレコーダーだって、結局は、各社、似たような機能、価格、デザイン、そういったところに収束してくる。 ほんとは、各社の生産能力をもっと違った機能の充実に投入すれば、全然違った製品が出来上がるかもしれなくても、 商業ベースで、「どういう機能、どういう製品が、お客に受け入れられるか?」がある程度周知されてくると、当然、各社とも、「売れる機能、売れる製品」を重点的に充実させる。 言ってみれば、視聴料を取らず、全てをCMに依存している以上、視聴率を気にせざるを得ないし、視聴率を気にすれば、おのずとこういう番組作りにならざるを得ない、のが、民放の宿命。 では、翻ってNHKはどうか? これまで、NHKだけが、治外法権的に、この呪縛から自由であった。 そして、数年前までのNHKは、まさに、この特権を生かして、市民の支持を十分に得てきたのではないだろうか? 視聴率こそ取れなくても、質の高い番組がNHKにはある、そういう認識が、世間一般にあった。 この信頼が揺らいだのは、まあ、細かいことをいえばいろいろあるが、端的にいうと、二つの大きな事件、事例によってだ。 一つ目が、元紅白プロデューサーによる、キックバック方式の金儲け、不祥事。 二つ目が、ご存知、安部、中川による政治圧力に屈したのではないか?との疑惑。 結局、NHKとは、視聴者から有無を言わせず受信料をかっぱぐわけで、 そんなものが制度として成立、機能するためには、何をおいても、視聴者の「信用」が第一だったはずなのだが、 この二つの大事例で、その「信用」が大きく揺らいだ。 一つ目は、言語道断。 一説には、プロデューサーは、大物芸能人を自らの番組に出演、キープさせるために多額の交際費を必要とし、その捻出のために不正を働いたともされているが、 本末転倒甚だしい! NHKは、視聴率ではなく、「視聴質」で勝負しているからこそ、安易な人気芸能人起用などは、求められないはずなのに、 この本質を、プロデューサー(もしくは圧力となった周囲?)が、すっかり失念していたということなんでしょう。 二つ目も、言語道断。 視聴者からの厳しい消費行動選択の荒波にさらされないNHKだからこそ、信用「命」なはず。 その信用を保持するためには、文字通り、「李下に冠を正さない」清廉潔白な態度が求められるはず、、、なんだが、 いかにも「怪しい」行動をとってしまった。これは、事実がどうであれ、「怪しい」時点でアウト! 「信用」というのは、そういうものである。 ホリエモンの問題でもよく話題にあがる、「グレーゾーンか黒か?」 ルールに基づいてならば、グレーゾーンはアウトでは必ずしもないかもしれないが、 NHKのように、「ルール」というよりは、「信用」を基盤にしているところにとっては、グレーでもアウト! そのことを、当時の経営者はじめ、よくわかっていなかったようで、実際その後、信用は、失墜、受信料収入が激減したのも、周知の事実。 ただ、すっかり落ちるところまで落ちた今だからこそ言いたいが、私は、NHKは、現状のシステムをほぼ踏襲する形で、残るべきだと思う。 今一度反省に立ち返って、質の高い、視聴率は取れない番組作りに、まい進すればいいのである。 その姿勢が、民放にも刺激を与え、時折とはいえ、民放においても、そういった精神の番組を生まれさせるし、 これは、結果としては、日本のテレビ番組の、多様性、高品質に、必ず寄与するはず。 また、民放の金太郎飴的番組作りに飽き飽きとした「高品質の視聴者」にも、必ず支持してもらえるはず。 NHKは、長らくの信用に、あぐらをかきすぎた。が、今一度再生することは、可能だと思うし、日本のために、そうあるべきだと思う。 よく、BBCは英国で信頼感十分なのに、なぜNHKは違うのか?なんて話を聞きますが、私から見れば、NHKだって、数年前には、十分な信頼を得ていた。 ただ、NHKの体質にも問題があって起こった二つの大きな不祥事。こういったちょっとしたことで、信用は100から0になったってことでしょ? BBCとの違いは、、、、BBCにはそういった悪い土壌がないのか、もしくはまだ出ていないだけなのか、そこは知りませんが、そこだけでしょうな。 ただ、そこだけというには、あまりにも大きな違い、なんだろうけど。。。 でも、NHKは今も、良い番組をたくさん作っているし、潜在能力としては、きっとやり直せる、と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.20 11:30:22
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