グレーナイト

2006/05/11(木)01:13

愛国心問題・続

政治、社会問題(62)

ミラクルさんは、なかなか真摯な方ですね。 私も真剣に、自分の思うところを、引き続き述べてみたいと思います。以下引用しつつ。。。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーーー なるほど。国連によって安全保障をまかなうことが出来ると考える人もいると。 全文引用しましたが、仙一どんさんのおっしゃりたいことというのは 警備員を雇ってより安全性を増すプラス面と、近所との関係が緊張状態になるマイナス面を 比較検討する必要があるでしょうね。 と考えてよろしいでしょうか? ーーーーーーーーーーーーーーーー まあ端的にいって、そういうことと解釈して頂いて結構です。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーー そうだと考えるならば、まず国連により安全保障が出来るのか? ということを考えなければいけないと思います。 私としてはクウェートは1963年以来国連加盟国であったということやハンガリ-は1955年以来国連加盟国であったということや連合王国が国連当初からのメンバーであることから考えても、国連に加盟していることは他国の侵略的な軍事行動を抑止する手段になりえないと考えます。 また、国連憲章第51条にも自衛戦争を行う権利というのは明記されていますので、仮に日本が敗戦国であったとしても自衛戦争を行うための戦力を持つことはなんら問題ないと考えています。 ーーーーーーーーーーーーー 上記に関しては、至極真っ当なご意見と思います。 何ら反論の余地はありません。 私がいっておきたいのは、ただ、 「国連により安全保障が出来るのか?」という課題に関して、ミラクルさんのおっしゃるところは至極妥当であると私も思いますが、 同時に、「出来る」とする意見も、決して一笑に付すほど低レベルではないと思う、ということが一点。 であるがゆえに、当初の、ミラクルさんの、「自衛隊の有無」に関して、「ないよりあるほうが全ての面で有益なのは自明」といったニュアンスのご意見に関しては、やはり、多少強引に過ぎるのではないか?といわざるを得ない、ということ。 次に、 では、国連により安全保障ができない、という点に関して、これを認め大前提として議論を展開した場合に、 「では、国連プラスどの程度の自衛力を保有すれば、安全は保障できるのか?」という命題に対して、 果たしてそれほど簡単に正解が導き出せるであろうか?という点が二点目。 つまり、ミラクルさんは、たとえばクウェートの例を出されていますが、 では、クウェートがどの程度の軍事力を有していれば、ああいった事態は防げたのか? といった課題は、実は、極めて難しい問いであるといわざるを得ず、 それを突き詰めていけば、極端な話、「アメリカを上回る軍事力でも持っていない限りは、100%の安全の保障など得られない」という結論に至らざるを得ませんし、 もっといえば、アメリカを上回っていたとしても、他国に束になって攻められれば100%の安全が保障されるとはいえないわけで、 とどのつまり、自国以外の他国が束になってもなお上回るほどの強大な軍事力がなければ、どこまでいっても100%の安全など保障されない、としかいいようがない、ということ。 勿論、これは屁理屈であって、 現実的には、「どこの部分でバランス点をみつけるか?」というのが、政治的な課題、ということではあるでしょうが、 それはすなわち、「所詮、度合いの問題に帰着」し、「その度合いは、それぞれの感性によって異なる」としか言いようがないということ、 すなわち、「国連をもって十分」とするような意見にも、やはり、聞く耳を持つ、あるいは、一考の余地、議論の余地はある、という態度は、必要ではないか?というのが、私の意見です。 私はなにも、「現実的に、国連だけで安全保障は十分」という意見の持ち主ではありませんが、「国連だけでは安全保障が十分でない」とされる論者の皆さんであっても、「では、十分な安全を保障できる軍事力はいかほど?」という問いに答えられる人は、恐らくいないですよ、ということを、指摘したいだけです。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーー 次に近所との緊張関係が増すデメリットをあげていますが、自衛隊が存在していてもあいつらは拉致したり尖閣狙ったり竹島不法占拠したりとやりたい放題なので、いっぺん殴ってやったほうがいいと考えています。 あくまで、被害を受けているのは我々です。 ーーーーーーーーーーーーーーー これに関しても、ミラクルさんの強気のご意見は確かに承りましたが、 現実的に、日本がとるべき最善の策が、「いっぺん殴ってやること」かどうか?については、そう拙速に結論が出せるような問題ではないでしょうね。 私個人の意見をいうならば、竹島に関しては、「測量を強行」→「一度紛争を生じさせる」→「国際的な話し合いの場に問題を持ち込み裁定を仰ぐ」 という選択肢を、一度はとるべきではないかと。 この選択を少なくとも、今回日本政府がとらなかったことは、私は、失策とみなしております。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この見方にはちょっと首を傾げざるを得ません。 たとえば安重根という人がいます。この人は韓国からすれば英雄ですが、日本からすれば殺人犯です。いや、韓国以外どの国でも殺人犯だと思います。 しかしながら、この人をどのように扱うかに関しては韓国内部の問題であり、日本としては文句をつけたことはないと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どのように扱うかに関しては韓国内部の問題だと思います。 ただ、その扱い方に関して日本サイドが納得いかなければ、これに対し、抗議をする自由が、日本にはあると思います。 もし、「その扱い方には納得がいかない。扱い方を改めるまでは、首脳会談キャンセルも辞さない」くらいに扱い方が気に入らなければ、そういう強硬な態度に出る自由も、もちろん日本にはあります。 今、靖国に関して、日本と中韓の間に生じている軋轢は、まさに、こういった類の軋轢であることを、日本政府は自覚すべきです。 日本に心の自由があるならば、周辺国にも心の自由があります。 日本首脳に靖国参拝の自由があるならば、それを不満として首脳会談を拒否する自由も、周辺国にはあります。 結局、行き着く先は、譲ること、譲らないことによって、どういうメリット、デメリットが生じるのか?といった、純粋に政治的な駆け引きです。 残念ながら、「外交」という側面だけに光を当てたとしても、靖国問題は、日本に分があり利益のある駆け引きとは、私は受け取っていません。 そんなことで労力を使うなら、日本に分のある「竹島問題」その他にもっと光を当てるようにもっていくのが、国益優先の政治手腕というものです。 そして、これまでこのブログで何度も触れてきましたが、靖国に関しては、こういった「政治的」「外交的」側面のほかに、 国内的にもコンセンサスがとれていない、国内問題としても多くの問題をクリアできていない、問題の多いテーマだということが、挙げられます。 靖国に反対する人は、何も、「中韓が文句をいうからやめろ」という人ばかりではない、という点を、参拝賛成派の方は、今一度認識する必要が、あるでしょうね。 現に、経済同友会も、明確に、反対の姿勢を打ち出していますし、 私も、中韓に反対されるされないに関わらず、靖国に対する嫌悪感、うさんくささ、きなくささから、総理の参拝に対して、強い反対の気持ちを持っています。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーーーーー すでに安重根は罪を償い、東条英機、松井岩根、木村兵太郎、板垣征四郎、土肥原賢二、武藤章、広田弘毅らも罪を償いました。 また、戦犯に関してはサンフランシスコ講和条約第11条の手続きにより、拘留中の戦犯に関しては赦免がなされているわけですから、国際的にも(極東軍事裁判における)戦犯の罪は消滅していると考えるべきではないでしょうか? 死した彼らに対してのみ永遠に罪を着せるのはちょっとアンフェアかなあと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー これも、我がブログで何度も述べてきていることではありますが、 A級戦犯が、戦争責任を一手に引き受ける必要があったのかどうか?については、 ぶっちゃけ、「なかった」というのが、正しい見方ではあるでしょう。 ただ、彼らに一手に責任を押し付けることによって、本来、責任の一端をとらなければならない多くの人たちが、「お咎めなし」となっているという歴史事実を、きちんと踏まえる必要はあるでしょう。 「彼らが戦争責任を全てかぶる必要はないんだ!」ということを声高に主張するならば、 逆に、「本来かぶる必要がある人は、誰々だ!」ということも、同時に明確にする必要があるでしょう。 それをしないで「戦争責任をかぶる必要はない!」とだけ主張することこそ、アンフェアです。 一旦受け容れたサンフランシスコ講和条約の精神を、一方的に放棄するということに他ならないからです。 A級戦犯でけりをつけることによって、最も恩恵をこうむっているのは、何を隠そう、天皇家です。 それを明確に認識しているからこそ、天皇は、絶対に靖国に参拝などという馬鹿げた行動を起こそうともしない。 その意も汲み取るべきだと考えます。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーーーー 仙一どんさんが是々非々でいくべきというのはよくわかりました。 確かに指摘されているように「声高に主張することによって長期的に利益を損なうケースというのはあると思います。 靖国に関しては私は譲るべきではないと考えますが、仙一どんさんはそうは思わない。これは見解の相違というやつで、これから、仙一どんさんの過去のエントリ等参考にしながらゆっくり揉み解しながら意見交換できれば、お互いのBLOG閲覧者に対して有益だと考えています。 ーーーーーーーーーーーーーー 是非またご意見をお聞かせください。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーー 「反日」の基準ですが私としては ・日本を貶めるために嘘を主張する。 人は反日とレッテルをはってもいいと思っています。 ーーーーーーーーーーーーーーーー おっしゃる基準はよくわかりますが、 ミラクルさんが、「反日」の判断を下していらっしゃるうちの多くが、 「日本を貶めるために」という要件を満たしていないのではないか?と、私は疑っています。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーー BSEに関しては些事だと考えます。ここでアメリカともめるメリットを見出せません。とはいえ、アメリカの検査局ももっときちんと仕事をしろと思いますが。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私は、些事とは思っていません。 極めて大きくて重要な問題です。 私は、この問題の根底には、アメリカ人の日本人に対する、「人種差別意識」すら横たわっていると個人的には感じていますし、 深い憤りを感じています。 靖国で中韓にあれだけ怒る人々が、なぜもっとアメリカに対しては怒らないのか?私には理解できないくらいです。 ミラクルさん ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 長くなりましたが、以上です。 今後も意見交換が出来ればいいなと思っています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー こちらこそ。是非また宜しくお願いします。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る