グレーナイト

2006/08/21(月)11:12

「戦争」ということ

政治、社会問題(62)

先日書いた日記について、篠原さんとおっしゃる方からコメントを頂いていたので、 ま、その答えになるかどうか、、、 終戦記念日も過ぎたことですし、 新たに日記を一本書いてみます。 戦争とはどういうものなんでしょうか? 理想としては、「戦争がない」ことが一番、 このことに関しては、良心的な方は、どなたも皆賛同されるでしょうね。 (実は、ここに、「戦争の存在」によって利益を手にする人もいたりするので、 全人間にとって、、と言い切れないところに、この問題の難しさの一端が 垣間見える部分もあるのでしょうが。。) A国がB国を攻める場合、当然、そこには、攻めなければいけない理由が 存在するわけですが。。 で、その「理由」には、たぶん、グレードが存在するのでしょうが。。 そのグレードを判断するのは、一応、国連ということになっております。 現実世界では、アメリカに代表される大国の意図、パワーというものが、 同じくらい大きな影響力を保持します。 ここが、理不尽さを感じさせる最大の理由なんだと思いますが。。 さて、ある国がある国を一旦攻めた場合、 もはや、負の連鎖は、よっぽどの意志と決断がない限りは、止まりません。 なぜなら、攻められた国には、「やり返す」という大義名分が付与されますからね。 ということで、一旦戦争が始まってしまえば、 二度と憎しみの連鎖が終わることがない、というのは、現実です。 終わるためには、勇気をもってどこかで、どちらかが「大義名分を放棄する」か、 もしくは、太平洋戦争の時の日本のように、完膚なきまで打ちのめされるか、 どちらかです。 そして、「戦争」という名の下に、何が起こっているのか? 先日、テレビでの特集では、レバノンにて、民間人が多数、爆撃によって 殺され、そしてその遺族達が嘆き悲しむ様子を、カメラが捉えていました。 若い女性達は、民間人の家族を突如として失ったことに嘆き悲しみ、 号泣していました。 そして、その号泣がおさまったあと、カメラに対して、 「必ずやり返すし、やり返す勢力を支持する」と、力強く宣言していました。 私は、非常に悲しい気持ちになりました、 が、誰が彼女達を責められるでしょうか?? 9・11のテロ、、、悲惨な出来事でした。 でも、さかのぼれば、テロの加害者たちにも、上に書いたような事情が あったりする。。。 テロと戦争は似て非なるものですが、通じる部分も多くあります。 私はもちろん、テロの加害者達を擁護するつもりはありませんが、 彼らにも言い分はあり、 その言い分は、突き詰めれば、「やられたらやり返せ」であり、 「正義を悪から守る」である、というのが、やっかいなところです。 なにせ、その言い分だけを聞いていれば、安部官房長官の威勢のいい 語録と、そう大差ありませんからね。 さて、こういったことだけを書いていると、夢見がちな理想主義者という レッテルを貼られそうなので、 現実にどうするのが一番か、考えてみましょう。 私は、日本がたとえ攻められた場合でも、 自ら反撃をすることには慎重であり、 国連に預けるのが一番である、という意見です。 これは、理想主義的に、ではなく、現実主義的に、です。 (つまり、理想と現実の一致、、なんと素晴らしいことでしょう!(笑)) 篠原さんのご質問は、「日本ではなく他国にとってはどうなのか?」 という内容なので、 それにも答えるならば、 私の考えでは、現状の枠組の中では、「他国にとってもそれが一番」というものです。 そうでない国も一部ありますが、 それは、アメリカに代表される、超大国のみでしょう。 決して国連の決議に100%従うわけではなく、独自のパワーで独自の路線をいつも とっているアメリカが象徴的ですが、 そんなことできる、そんなことをして損をしないのは、アメリカくらいでしょう。 それでもアメリカでも、一方的にまんまと得ばっかしている、、というようには なっていないように見えますが。。。 篠原さんへのお答えをより具体的に致しますが、 たとえば、韓国が日本から攻撃されたとして、 韓国にとって最も得策は、 恐らく、国連に預ける、ことだと思いますが。。。真剣に。 そこで、日本に反撃することが、果たして、長い目でみて、韓国の得になるかどうか? ということです。 攻撃するくらいの日本ですから、当然、韓国の反撃に対して、再反撃するでしょうからね? ということは、行き着くところは、単なる消耗戦、、ということでしょう? 両国民が疲弊しきって終わるのか。 あるいは、そうなる前に、勇気をもって、核を使いますか? 国際社会を敵にまわすリスクをとって、何らかのリターンがあるでしょうかね? あるいは、疲弊しきった状態で、漁夫の利的に北朝鮮が攻め入ってきたらどうするんでしょう? 戦争状態がある程度進んだ段階で、国連に預けますか? それなら最初に預けちゃったほうが、被害も最小限で、理屈的にもこちらに分があるのでは? 結局、いろんなことを考えれば、 最初の段階で国連に預けるのが、殆どの国にとってベストの選択だと、 私は現実的に思いますよ。 戦力を充実させて、ならずもの国家の侵略や侵攻に100%対応する、 という発想自体が、夢物語でしょう。(それこそ平和ぼけです) 街で喧嘩になったら、さっさと警察に駆け込むのが一番、という話です。 自分が暴力団であれば、アメリカみたいに横暴に振舞っても、街の喧嘩では無敵かも しれませんがね。 チンピラ相手で、返り討ちにしてやった!と思ったら、またその仲間達が報復に くるかもしれませんしね。 東大阪の大学生リンチ殺人なんて、まさにその構図なわけですしね。 と、最後は話がとびとびになってしまいましたが、 私は、現実主義として、以上のように考えております。 PS-815の小泉靖国参拝について。 参拝後の会見で、小泉さんが、ようやく、きちんと反論を試みようとする姿勢を見せて いましたね。 そのこと自体は、評価します。 参拝反対=中国のいいなりになれということ、、、 という間違った論理構成一点張りから、ようやっと脱却したようで。 論点を3つに絞ったうえで、それに対し、自分なりの理論武装をしたという意味では、 評価に値します。 ただ、脆弱な部分も、何点もありましたがね。 たとえば、私にいわせれば、「伊勢神宮は誰も言わないのに。。」というのも、おかしな 理屈です。 厳密には、伊勢神宮も、アウトでしょ? ただ、靖国に比べ、いろんな意味で目くじらを立てるほどでもない、と殆どの国民が 思っているから、敢えて争点になっていないだけ、というのが正解でしょう? 「ま、目くじらを立てないでいいか。。」というレベルのことを、「スタンダード」と して解釈しようというのは、あまりにも都合がよ過ぎます。 それから、「ブッシュに言われたとしても。。。」というくだりも。。 ま、「信念の人」小泉としては、また格好よさを印象付ける発言で、 結構なことですが、 現実外交としては、「言った相手がブッシュなら。。(従っておくか。。)」 という視点は欠いてほしくないですね。 (口がさけても言えんでしょうが。) つまり、理屈の話ではなく、何が日本に益するのか、という視点は持っていないと。 「俺達は正しいことをやっている。それを理解しない周りが悪い。 正しいと思うことを、頑としてやっていく」 というのは、一見勇ましく見えますが、言ってることは、アルカイダと一緒ですぜ、 ということ。 それに、そこまで威勢のいいことを言う割には、牛肉ごときであっさり譲歩の連続じゃん! と、私なぞは、さめてしまいます。 もっとも、こういう小泉節に、5年前はまんまと騙された一人ですが。。(笑) 5年前は、ここまで口ほどにもないとは思わなかったから。。 さてしかし、ことは、小泉よりも、安部。 こいつだけは、本当に、総理大臣は、やばすぎるでしょ? ほんと、世間知らずのお坊ちゃんが、ただ勇ましすぎるだけじゃん! 挫折なしに来たから、政治も外交も、なんでも挫折なくうまくいく、と 信じ込んでいるんだとしたら、、、 人生初めての挫折に、国民を巻き込むのだけはやめてね!! 大体、個人よりも国家の方が大切、、、的な発想が怖い。 あんたはその方針で振舞ってくれていいけど、 それを国民個人個人に押し付けるのはやめてくれ! 誰でも一番大切なのは、個人ー自分自身。 次に大切なのは、自分の家族。 ここまではほぼ間違いないけれども、 その後は、人それぞれだからね。 その次に、「全世界」がくる人は、理想主義の平和ボケといわれ、 その次に、「国家」とか言い出す人は、ナショナリズムといわれ、 その次に、「おらが町」な人は、田舎者、 なんだろうけど、 すくなくとも、一国の指導者レベルになる人は、 やはり、本来、一番上、の視点に立っていないと。 ま、それが理想に過ぎないんだけど。。。。 結局、世界の指導者には、「おらが町!」(この場合は、「うちの国家」) と言い張る、世界のなかでは「田舎者」が多いんだろうね。 アメリカの大統領と、石原東京都知事あたりも、よく似ているもんね。 それだけのパワーがあるんなら、 もっと、その力を全世界が良くなるために使ってよ! と言いたくなるけど、本人たちは、 「アメリカアメリカ」「東京東京」の一点張り。

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