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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Dec 19, 2005
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カテゴリ:映画
旧ロシアの男優はインノケンティ・スモクトゥノフスキー、女優はリュドミラ・サベリーエワと、わが相場は決まっていて、かつて国力を挙げて映画にも取り組んでいたロシア映画もほとんど新作を見ることはないから、この評価は生涯変わらぬこととなりそうである。
インノケンティ・スモクトゥノフスキー、覚えてしまえばほとんどスラリといえるこの名前も初めての方には覚えにくいかもしれない。覚えてしまったのは「ハムレット」('64)と「チャイコフスキー」('70)のせいだ。
楽聖映画は数々あれど、チャイコフスキーのものはあまりお目にかからないから、おそらく現在のところこれが最大にして最高作。
しかも本国産で、西部劇を始めとして数々のハリウッド映画の映画音楽史を飾ったデミトリ・ティオムキンが故国に帰って音楽を担当した力作。不満と言えば<弦楽セレナーデ>や<イタリア綺想曲>の演奏がないこと、モノラルであること(手持ちのDVDは遥か前の版で、トール仕様ではなく、トール仕様版はなんと5.1ch)くらい。買い直さなければいけないかもしれない。
             チャイコフスキー2
このチャイコフスキーには気品があって、フォン・メック夫人との関わりもさこそと思える理想の至高の関係で描かれ、下手な新解釈を施さないところがまことにグッド。チャイコフスキー・ファンにはこれで良し、という過不足のない表現に終始し、出過ぎた真似をしなかったために、作品の品格も残り得たという、全編に奏でられる名曲に親しむだけでも聴き応え充分の封切り時映画館の初見だったが、このたびの再見はスモクトゥノフスキーのチャイコフスキーという観点。
躍動するハムレットにくらべて、ひたすら静のチャイコフスキーですが、お馴染みの演奏がかえって絢爛、きらびやかに酔えるのは、異国の背景も寒空のロシアならばこそ、冬に見る映画としてもお奨めと言いたい案配。





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Last updated  Dec 19, 2005 08:01:41 AM
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