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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Dec 23, 2005
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カテゴリ:映画
ディートリッヒを語るに欠かせないのが、ジョゼフ・フォン・スタンバーグとすれば、ジャンヌ・モローに関してはルイ・マルであろうか。
そのジャンヌ・モロー('28~)が自ら製作・監督・インタビュアーとして仕上げたのが「リリアン・ギッシュの肖像」('83)―NHKBSならではの放映である。
リリアン・ギッシュ(1893~1993)といえばD・W・グリフィス、そのあたりを克明に伝えてくれるインタビューである。そのニューヨークまで出かけたジャンヌ・モローもいつもより太り気味で控えめ、互いに腰に手を回して支えあって歩く風景もあり、綺麗なおばあちゃんとなっているギッシュの方もかくしゃく、歴史を彩った名女優が歴史を超えて対面している風情だけでも見どころだが、知らなかったいくつかの事実も伝えてくれる。
『彼女の見開いた瞳は告げる。20世紀が一瞬にして過ぎ去ったことを……フィルム1巻分だ』というフランソワ・トリュフォーのことばを引用して始まるインタビューは淡々と、風雪に耐えたもはや飾る必要のない真実を伝えてくれる。バイオグラフ社、メアリー・ピックフォード、「国民の創生」「イントレランス」、そしてD・W・グリフィスの行為と行動、etc.
当時映画は全身サイズで撮るのがセオリーで、それを逸脱するグリフィスに苦情を言う会社側のエライさんに、その当人の目前につめ寄り、この状態で全身が見えますか?と認めさせたというエピソードや、公開された「イントレランス」は会社側の意向でかなりの部分切られたもので、もとのものはより明確明晰であったという当事者でもある評言、当初は午後一番で上映し、夕食の時間を設け、夜の部の上映となる長尺映画であったという事実。
或いはリリアン・ギッシュの忌憚ない性格を現すと言っていいエピソードは、ユナイテッド・アーチスツ設立の関わりだろう。チャップリンが音頭を取りD・W・グリフィス、メアリー・ピックフォード、ダグラス・フェアバンクスの4人によるものだが、ギッシュも誘われ足手間といになるからと遠慮をした、というくだりかもしれない。
映画は世界共通言語となると早くから言っていたというD・W・グリフィスのいろんな先見が見えてくるドキュメンタリーであるだろう。
「デジタル・シネマ・ダイアリー」
D・W・グリフィス傑作選(初回限定生産)
Griffith





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Last updated  Dec 23, 2005 10:31:00 AM
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