この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

2007/12/07(金)11:06

ローラという女の個性が際立たず!

映画(426)

あまり観ていないジーン・ティアニー、いまひとつの印象のダナ・アンドリュース、曲者役者クリフトン・ウェッブ、若きヴィンセント・プライスときて、監督は頑固者オットー・プレミンジャーの「ローラ殺人事件」('44)。 タイトルは<殺人事件>だけいささか余計な感じで原題はそのままローラ。ローラに魅き寄せられる男たちのお話といった視点で観たほうが面白いからだが、そこまでジーン・ティアニーが魅力的かというと、筆者にはいまひとつ。 まあそこそこは綺麗だから勢いで惚れるということもある、フムフムというところで観たが、ダナ・アンドリュースがここではしっかり役目を果たし、やはりクリフトン・ウェッブが巧者で目立つ。ヴィンセント・プライスそこにいるだけ、ジーン・ティアニーも演技的には凡庸、全体的な成果はいまひとつ。 視点をしかし女に群がる男たちというところで観れば、いささか屈曲していて、それなりには楽しめる。ヒロインが常識的に演じられている分だけ妙味はないが、これをたとえばベティ・デイヴィスあたりがやれば趣は大いに異なって、女が男を翻弄しているさまがもっと際立っていただろうと、その役柄の重要をあまりこの女優は把握できていないようにも見える。 はたしてジーン・ティアニーは綺麗どころだけで一時期を謳歌しただけの女優なのか、それとも別の作品ではその存在を大きく刻印しているのか、主演クラスの作品は初めてで、いずれにせよこれはイマイチ。 やはり役者のアンサンブルで立ち上がってくるものも異なってくるのである。                  Copyright (C) 2007 Ryo Izaki,All rights reserved.

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