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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Nov 23, 2008
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カテゴリ:映画
アフリカの女王」('51)撮影でアフリカ・ロケに行ったジョン・ヒューストンの、撮影そっちのけで(にしては作品はきちんとまとまっているが…)象狩りにいそしむ姿を追ったクリント・イーストウッドの「ホワイトハンター ブラックハート」('90)。
この素材をイーストウッドがなぜ撮ろうと思い立ったのかわからぬが、プロデューサーも言葉を返せぬジョン・ヒューストンの横暴と人種差別に身を呈しての喧嘩沙汰と、振幅の激しい人物像を定着させてはいる。

タイトルの意味は、作中、白人のハンター邪悪な心、というような字幕も出るが、それではちと短絡で映画の趣旨にそぐわない。むしろ白人のハンターと黒人の心、とした意味がドラマの陰影を掬う気もする。象狩りのさなか象が襲ってくる刹那に現地案内人である黒人がジョン・ヒューストンの前に立ちはだかり死んでいくからだが、いずれにせよモデルと言える描写は同行する脚本家とジョン・ヒューストンのみと言ってよく、プロデューサー(サム・スピーゲル主演男女優(ハンフリー・ボガート&キャサリン・ヘップバーン)はそれらしき存在以上ではない。

脚本家のモデルはピーター・ヴィアテル、聞き覚えありと確かめたらわが愛好のデボラ・カーの最後の夫君ではないか。この原作もそのヴィアテル氏が書いて、この撮影時の混乱さらにはキャサリン・ヘップバーンにも著作があるというからアメリカではひとつの事件だったのかもしれない。あれこれ映画人への想いも交錯してそうした意味では興味深くはあった。

だが作品としては焦点深度の中心にジョン・ヒューストンが居ることが知れても、その撮影時の混乱のままのような印象なのは果たしてどうか。イーストウッド作品としては話題性に引きずられたとも見える主題のおろそかな作品。
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Last updated  Nov 23, 2008 11:13:31 AM
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