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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Feb 15, 2009
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カテゴリ:映画
「モディリアーニ~真実の愛」に続いて「ポロック~2人だけのアトリエ」、そして「クリムト」と、画家の映画を続けて観た。続けたのは口直しという意味もあったが、だんだん毒を食らわば皿まで、という具合にあいなった。

どうして画家を描くとこうも特異な目線で映画を造ろうとするのか、筆者にとってはいずれも失敗作、映像とドラマが少しもフィットしてこない、隔離感を携えつつ最後まで観るのがつらかったのである。「モディリアーニ~真実の愛」については既に書いたので繰り返す要もないが、エド・ハリスの初監督作品「ポロック~2人だけのアトリエ」(2000)の方は、まだしもマジメ、だが熱演が必ずしも功を奏さないのは監督を兼任することでさらに大マジメになり過ぎたきらい、どうにもポロックのお守りをするリー・クラズナー同様、しんどいのである。

しんどいのを味わされる映画というのはこれもわが趣味ではないので、せめて絢爛と頽廃の世紀末の叙事詩にでもと「クリムト」(2006)に向かったのだが、これまた世紀末のミステリーに迷い込んだ挙句、いつのまにかマルコヴィッチの穴の中を迷走、いっこうに映像の絢爛とドラマとが交錯してこないまま、思わせぶりな、その割には少しも艶麗ではない恋人たちが入れ替わり立ち替わり出現するだけの作品となった。

これでは装置としてクリムトを利用したニコラス・ローグの「ジェラシー」('79)にすら、遠く及ばない。文学に淫しただけで映画は立ち上がってこない如く、絵画に淫しただけでも映画は立ちあがらない。そんな当然の帰趨がそこにあるだけで、絢爛に見せて絢爛に映じず、頽廃をなぞっても頽廃どころか淫靡も覗けない。
まずは画家に対する目線をシンプルにしないとね。
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Last updated  Feb 15, 2009 12:55:33 PM
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