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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Apr 21, 2009
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カテゴリ:映画
本好きのフランソワ・トリュフォーは本を紐解くタッチで映画を造った映画作家でもあり、その愛読書を画面に引用することでも頻繁でした。その同じフランス映画でパトリス・ルコント作品などの脚本を書いてきたセルジュ・フリードマンが、映画を詩のように書いてみたいと思ったに違いないと感じたのが「天使の宿り木」(2004)の、そこはかとないアトモスフィア。

ヴァネッサ・パラディの娼婦が同じ娼婦に、わが子を孤児院に迎えに行って引き取ってほしいと頼まれる。ところが引き取ってその母親に渡す前に、その娼婦でもある母親は死んでしまう。ヒモらしき男がその母親が金を隠したとその息子を追っかけ、行きがかりの親切がアダ、宙に浮くその息子をどうするかというてんやわんやをそこはかとない交情で綴っていく、一見すさんだ生活でお疲れの娼婦が捨てるに捨てきれないその少年の純と、娼婦に残る純とが共鳴してゆく詩心が生むファンタジー。

寂しいなんぞというのも境涯からいえば当たり前の双方が、そんな感情をおくびに出すも恥ずかしい言わずもがなの境地を互いに感知し合っているのがもう当初の出会いからということでありつつ、いっさいのことばは封じ込められ、それでも相手の感情が手に取るがごとく虹の架け橋、夢のありかともなる背景の風物さえも借りてもたらされるポエジー。

おとなになるとついに帰らぬ詩心を、娼婦と少年の、寡黙でいながらすべてを透徹してしまう心の行く立て、それもあまり美し過ぎず、可愛過ぎもせずのこの二人ならばこそ、切実にも奏でられるある種えもいわれぬはかなさ、いとおしき感情、そこが見どころの、マイナスだらけの境涯から醸し出される麗しきフィーチュア。もって瞑すべしではある。
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Last updated  Apr 21, 2009 08:44:51 AM
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