音盤道楽

2010/05/12(水)23:55

I Hear You Rockin’!

All Tomorrow's PARTIES(83)

思えば、ちょうど1年前だったのだ。 てか、もう1年かよ!? という印象の方が強いが。 湘南方面に活動範囲を広げようとしていたベーシスト、ナカガワケイスケくんの希望を叶えようと、半ば強引に地元のレーベル、サンドフィッシュ・レコードを冠にしたイヴェントをオレが思いついたのが、去年の春先のことだった。 幸いにも、宮井くん、ナカガワくんともにこのアイデアに賛同してくれて、更に『サウサリート』のジョージさんの協力もあり話はトントン拍子に進み、晴れて「SANDFISH RECORDS NIGHT Vol.1」として、『ロング・トーン・カフェ』にて開催の運びとなったのだ。 この「SANDFISH RECORDS NIGHT」。初めてにしては、成功と言って良かったし、早くも2ヶ月後には「Vol.2」までやってしまった。 とにかく、オレの思いつきのようなアイデアを形にしてくれた関係者の人達の尽力には今でも頭の下がる思いで一杯だ。 さて、私的な回想はこれくらいにして、あれから1年。 イヴェントよりニュー・リリース。と思っていたのはオレだけじゃない筈だ。 1年半以上待って届けられたのは、エリカ・ギンペルという黒人女性SSWの作品。 サンドフィッシュで黒人女性SSWと言やぁ、何と言っても(少なくとも藤沢界隈では)同レーベル最大のヒット作となったイーサ・デイヴィスがいるわけだけど、イーサとは明らかに異なるヴェクトルを持ったアーティストだ。 一言で言ったら、70年代前半のニュー・ソウルをスタイルだけじゃなく、精神性まで忠実に継承した21世紀型SSW。とでも表せば良いのか。 宮井くんのライナーによれば’64年生れだそうだから、70年代音楽の良心にリアルタイムで触れることのできた最後の世代なわけだ。 そのことが全ての曲の細部から、ヒシヒシと伝わってくる。これは、文句無く“本物”だ。 ミドルテンポの「Can It Be」、パーカスが乱舞し、途中のフルート・ソロも素晴らしい「Wherever the Road Leads」あたりは、なるほどライナーでも彼女が影響を受けたひとりであるであると語っていた、ダニー・ハザウェイが影を濃く落とすが、その要素もこのアルバムを通して聴けば彼女の数ある引き出しの一つであることが分かるだろう。 で、このアルバムでのオレのフェヴァリットと言えば、非常に難しい選択だけどスローな「The Love You’ve Given Me」とかだったりするのです、ハイ。 タイトル曲「Spread Your Wings」は、オレには何かボブ・マーリーの「No Woman No Cry」の(女性からの前向きな)アンサー・ソングのように聴こえた。勿論、これはオレだけのタワけた戯言なので聞き流して下さいね。 さて、この待ちに待ったサンドフィッシュのニュー・リリースを記念し、今度の土曜日(15日)に『Bar Cane’s』で「Radio Cane’s I Hear You Rockin’!」なるイヴェントがとり行われる。詳細はここ。 これは『Cane’s』で毎月やってる、二見くんのお馴染み「Voices Inside」との今回はコラボ・イヴェントとなる。 内容は、疑似公開ラジオ番組とも言うべきもので、リスナー(お客さん)からのリクエストを事前に受け付け、その曲に纏わる思い出、エピソード等を紹介しつつホストのふたり(宮井&二見)が曲をかけまくる。という構成らしい。 ホントのラジオ番組だったら「電リク」ってヤツだね。 これは面白そうだ。 勿論、オレも「電リク」を!と思ったが今回はFAXもOKみたいなので、そっちでリクエストしまくるつもり(笑)。選曲はベタですよ(笑)。 曲がかかれば、そりゃ嬉しいが仮にかからなくてもそれでOK。 「電リク」は参加することに意義があるのだ(笑)。

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