カテゴリ:演奏会ルポ記
パリから一時帰国している友人がドビュッシーの歌曲のピアノ伴奏で演奏するので、聴きにいってきました。ドビュッシーの歌曲を生演奏でまとめて聴くのは初めてでした。
ドビュッシーの歌曲を聴くと,ドビュッシーが印象派の作曲家と単に言いはめるには、狭すぎるのではないかと感じさせられます。今回の演奏会で、ドビュッシーが創造した音の響きと歌の旋律による、独特の音楽美を堪能する事が出来ました。 来年1月のリサイタルで演奏する、ドビュッシーの「ヴィーニョーの門」(前奏曲第2巻)でも、ドビュッシーは独自の音の世界で、見事なスペイン音楽を作り上げています。 ドビュッシーはスペインを訪れた事もないのに、スペインの作曲家のファリャから送られてきた、絵葉書に描かれている「宮殿のヴィーニョ門」を音の響きで作り上げ、ファリャも絶賛する真のスペイン音楽を作ってしまうのですから、その直感力と想像力にはあっぱれです。 ドビュッシーは音の響きを、ある時は「霧」や「水」の自然現象に、ある時は遠近法を駆使した情景を作りだし自在に扱うだけでなく、聴き手にそれを実感させてしまうのですから、まさに音の魔術師です。 事実、ドビュッシーはオカルトにも興味を持っていた様ですから、まさに本物です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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