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穏やかな爆弾

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なだらかな休日・・。
いつものように時間に追われることのない朝。

僕は配達の手を休めると、川の畔まで足を伸ばし
缶コーヒー片手に佇むのが好きです。

僕の配達区域には、関東でも有名な大きな川が流れています。
小高い防波堤を少し登ると、都会の狭い空で慣れてしまった感覚を
打ち破るほど、雄大に視界が開け
幼い頃登った山々の景色とだぶつきます。

凸凹なテトラポットを跨ぎ
川に一番近い場所に陣取ると、何を考える訳でもなく
ただ、紫煙を燻らしながら、ぼーと大いなる流れを見つめているのが
堪らなく大切な時間に思えて来ます。

まだ日も昇らぬ夜。
しかし、陽光の綻びで変わりつつある朝。
そんな微妙な調律の空気を肌で感じながら
徐々にグラデーションされていく空に舞う水鳥の影を目で追うと
さながら天然の絵画を見ているようで
日常に鈍化していく感情を
再び引き戻せた気になるから不思議です。

川が好きです・・。
海でも湖でも沼地でもなく
ただ淡々と流れていく川は、時間の流れそのものを
直視しているようです。
例えば、流れていくあの一片の流木に
自分の生き様を重ね合わせ
もう戻れぬ川上と、あてどもない川下なんかに想いを馳せると
ふいに涙がこぼれてしまいます・・。

暗闇に続く河の先・・。
僕らは何処に行こうとしているのでしょうか・・。





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Last updated  Oct 13, 2004 09:15:24 AM
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