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カテゴリ:明け暮れる配達の日々
なだらかな休日・・。
いつものように時間に追われることのない朝。 僕は配達の手を休めると、川の畔まで足を伸ばし 缶コーヒー片手に佇むのが好きです。 僕の配達区域には、関東でも有名な大きな川が流れています。 小高い防波堤を少し登ると、都会の狭い空で慣れてしまった感覚を 打ち破るほど、雄大に視界が開け 幼い頃登った山々の景色とだぶつきます。 凸凹なテトラポットを跨ぎ 川に一番近い場所に陣取ると、何を考える訳でもなく ただ、紫煙を燻らしながら、ぼーと大いなる流れを見つめているのが 堪らなく大切な時間に思えて来ます。 まだ日も昇らぬ夜。 しかし、陽光の綻びで変わりつつある朝。 そんな微妙な調律の空気を肌で感じながら 徐々にグラデーションされていく空に舞う水鳥の影を目で追うと さながら天然の絵画を見ているようで 日常に鈍化していく感情を 再び引き戻せた気になるから不思議です。 川が好きです・・。 海でも湖でも沼地でもなく ただ淡々と流れていく川は、時間の流れそのものを 直視しているようです。 例えば、流れていくあの一片の流木に 自分の生き様を重ね合わせ もう戻れぬ川上と、あてどもない川下なんかに想いを馳せると ふいに涙がこぼれてしまいます・・。 暗闇に続く河の先・・。 僕らは何処に行こうとしているのでしょうか・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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