ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ★ダニー・ケイとニューヨーク・フィルの夕べ★指揮者というと「数十人のオーケストラを自在に操る魔法使い」というイメージを持つ。しかしそこには全てのパートを把握する常人では考えられないような努力や自分の解釈を伝える棒のテクニック、オーケストラの全てのメンバーを統率できるカリスマ性、そして何よりも多くのステージの経験を併せ持たなければ上手く行かない。指揮者は超人で無ければならないのだ。 かつてひどい指揮者のコンサートにたまたま居合わせたことがある。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、当の指揮者がタイミングをずらし振れなくなってしまっていた。コンマスが大きい身振りをし始め、オーケストラもピアニストも一切指揮者を無視して曲の演奏が進んでいく。あの指揮者は今、どうしていることだろう。。。 逆に楽譜が読めないのに立派に指揮をしている人がいる。それがこのLDの主人公、有名なアメリカのコメディアンであるダニー・ケイである。 ●An Evening With DANNY KAYE● Lincoln center for the performing arts とはいっても、もちろん彼がやっていることが素人にも出来ることではない。彼は「指揮者のパロディ」をニューヨーク・フィルという超一流のオケを使って一晩のコンサートに仕上げているのだ。 その指揮ぶりはとても「楽譜が読めない」とは思えない。下手な指揮者が振るより余程エキサイティングな演奏をするのではないかと思わせるくらい、その振り方が堂に入っているのだ。 彼の語りを加えながら「くるみ割り人形」などの有名な曲を様々な「ネタ」として演じている。そこでは最高級の「音楽コント」が繰り広げられている。 自分として結構好きな場面はヴェルディ「アイーダ」の行進曲で普段はオーケストラに見せているであろう指揮者の演奏中の顔を、観客の方へ向き直って演じている場面。もちろん「あってはならないこと」を演じてはいるのだが、もしかしたら真面目なコンサートでもこんなことが行なわれているのでは。と思わせるほどの「スゴさ」がある。 見せた生徒の反応だが、「こんなコンサートなら行ってみたい」という一言に尽きると思う。音楽鑑賞教室でもこんな一場面があればいいのに…。 発売元:株式会社 創美企画 (以前NHKで放映したらしい。VHSで発売もされていたようですが、詳細は分かりません。私はたまたまLDを中古屋で見つけました。まだ売ってるのかな…。) ジャンル別一覧
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