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いり豆 歴史談義

2016年01月05日
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カテゴリ:芸術エトセトラ

あけましておめでとうございます。
今年も、よろしく、お願い致します。


正月のお飾りというわけでもないですが、
私の家に「三番叟」(さんばそう)という名の
おめでたそうな土焼き人形があります。


三番叟.jpg


扇と小槌を持ち、微笑んでいるかのような表情を浮かべる翁と
鯛をつるした竿を手に持つ翁の2体の人形。

でも「三番叟」って、いったいどういうものなの?

部屋に飾っていながら、何も知らないというのも、どうかと思い、
この「三番叟」について、少しばかり調べてみました。

そのなかで、少しわかったこと、、。
「叟」というのは翁のことであり、どうやら、この「三番叟」というのは、
翁猿楽と呼ばれる日本の宗教的芸能を源流とする演目であるということでありました。

(狂言における三番叟)

現在、「三番叟」という演目で、最もポピュラーなのは、
狂言で演じられているもののようです。

特に、野村萬斎が演じている「三番叟」が人気のよう。

これは、2段の構成になっていて、
前半が面をつけずに舞う「揉之段(もみのだん)」、
後半は、面をつけて舞う「鈴之段」といいます。

特に、前半の「揉之段」は、とても迫力があるようで、
激しい足拍子を繰り返し、「舞う」というよりも、
「踏む」と言われるほどに、躍動感があるのだそうです。

これに対して、「鈴之段」は、鈴を振りながら舞う、荘重なもの。
この動と静のコントラストというのも、きっと、魅力のひとつなのでしょうね。

そして、こうした舞いの所作の中には、深い意味が込められているのだと言います。

「揉之段」で繰り返えされる足拍子というのは、
農耕における足踏みを現すものであり、
また「鈴之段」の中では、種まきをするしぐさが織り込まれているということで、
そう、この「三番叟」というのは、もともと五穀豊穣を神に祈るための神事であったのです。

(三番叟の歴史)

「三番叟」が、もとは神事であるということを書きましたが、
それでは、その歴史・成り立ちについて。

日本における芸能ということで、古いものとしては、田植えで豊作を祈って踊ったという
田楽がありますが、その一方、中国から伝わった大衆芸能「散楽」を基礎にして、
日本で生み出されていった「猿楽」という寺社向けの芸能があります。

そうした猿楽の中のひとつが、「翁猿楽」と呼ばれる宗教色が強いもの。
これは、父尉、翁、三番猿楽、冠者など、いくつかの演目からなっており、
天下泰平や五穀豊穣などを祈願し、寺社に奉納するために演じられていたものでありました。

実態としては、聖職者である呪師が行っており、
かなり、格式の高い神事といえるものでありました。

中でも、春日若宮の祭りで行われていたものが、最も古いとされ、
また、興福寺や延暦寺でも、この翁猿楽が奉仕されていたのだといいます。

神に捧げる神事であった翁猿楽。

しかし、この中で三番目に行われていた三番猿楽だけは、
呪師が行うのではなくて、芸能者である猿楽師が務めていました。

これが、「三番叟」の原型となります。

やがて、翁猿楽の中でも一番目の「父尉」が省かれることが一般的となり、
本来、その余興芸のような位置づけであったはずの猿楽師の芸が、人気を得ていったため、
「三番猿楽」の部分だけが、芸能として残っていったということのようです。

さらに、この猿楽師の芸は、世阿弥によって集大成されていくことによって「能」として定着し、
そこから、さらに派生するような形で「狂言」が生まれていくことになります。

現在、この宗教的儀式としての翁猿楽は、
いくつかの神社で、伝統芸能として一部伝えられているようですが、
芸能の舞いとしては、能、狂言、歌舞伎の中に取り込まれてしまっているのだと言えます。

***

と、まあ、相変わらず新年から取りとめのない話を綴って参りましたが、
今年もまた、思い出したように、時折ではあるかも知れませんが、
ブログの更新を続けていきたいと思っています。

この一年、皆さまにも、幸多き年でありますように。

本年も、よろしく、お願い申し上げます。








最終更新日  2016年01月05日 22時01分26秒
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