200503 ランダム
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少しずつ一歩ずつ

少しずつ一歩ずつ

足のこと

ぶーくんは赤ちゃんのころから体が固めでした。(チャトくんは反対に柔らかすぎて、よく妙な姿勢で体をねじって遊んでいるのが好きでした。)

 ぶーくんは母乳を上手に飲むことができませんでした。NICU入院中の直母(直接母乳を飲む訓練)の時にも、ほとんど飲むことができず、退院してからもそれは同じでした。母乳を飲もうとすると、顔と口がひっぱられたように上か反対を向いてしまうんです。その様子は、飲みたくないから、というよりも、飲みたいのに、意に反して体が勝手に動いてしまう、というように見えました。
 ミルクならば飲むことができましたが、一時期は、そのミルクさえ上手に飲めなくなってしまい、困ってしまいました。お腹がすいて泣いていたはずなのに、ミルクを飲もうとすればするほど顔が反対を向き、体が反ってしまうようだったんです。しかたなく、当時はミルクを飲ませるときにはテレビをつけていました(ベイビー・アインシュタインのビデオ)。テレビ画面に気をとられていれば、なんとかミルクを飲むことができたからです。チャトくんについてはそういったことは全くなく、ぶーくんよりも体が小さいのに母乳もミルクも上手に飲んでいました。
 2人並んで寝かせていても、チャトくんが静かに寝ている横で、ぶーくんが一人でアップアップとおぼれるように手を動かして体を反らせていることがよくあり。当時、かなり心配していました。


 その後、修正1才半のときに2人とも脳のMRI検査をうけました。
検査の結果、2人とも左の脳室が大きめで、チャトくんは問題ないが、ぶーくんは左側の脳に脳室周囲白質軟化症(PVL)が見られると診断されました。

 診断をうけた当時、ぶーくんとチャトくんはもう歩きはじめていました。
チャトくんは、じきにスタスタと歩けるようになったのですが、ぶーくんの歩き方はなかなか進歩しませんでした。ゆっくり歩く、ということがなかなかできず、ゴールまで一気に走る、という移動のしかたでした。少しゆっくり歩けるようになっても、両手をもちあげてバランスをとりながらでないと歩くことができませんでした。左足をピーンと棒のように伸ばしきり、明らかに偏ってギクシャクした歩き方でした。

 歩き方が偏っているのは、PVLからくる軽度のマヒで右足の足首が固いせいだったのです。MRIの画像をみて診断をした発達外来の先生からは、成長にともなって尖足(つま先歩き)になる可能性がある、と言われました。整形外科では、場合によってはアキレス腱の手術が必要とも言われました。

 それでも、発達外来の先生に実際にぶーくんの歩き方や動きを見てもらったところ、先生は 「おや?」 と意外そうな顔をしていました。
 MRIの画像から見るかぎり、ぶーくんの右足の動きはもっと悪いと予想されていたようです。確かに偏ってギクシャクした動きではあるけれど、当時ぶーくんは 「しゃがむ」 という動作ができていました。歩き方も、先生が予想していたよりは、ずいぶんと良かったようです。

 発達外来からの紹介で、PTの訓練がはじまりました。
月に1回、歩き方や動きをみてもらい、ストレッチの仕方や、筋肉をつける運動、訓練の仕方を教わり、毎日実行していました。
といっても、当時のぶーくんは極度の人見知りの時期。訓練の時間には大泣きして動かなくなってしまうため、当時は、公園や家で歩くところをビデオにとって、見てもらっていました。

 PTの先生からは、ぶーくんの症状の場合、装具をつけたほうがいいと言われていました。ところが、仮の装具を着けてみようにも、歩き方を見てもらおうにも、ぶーくんは泣いて泣いて(吐くまで泣いて)、お話になりませんでした。それでも無理やり装具をつけると、嫌がって大泣き。まったく動こうとしなくなります。
 相談の結果、装具をつけないで様子をみてみましょう、ということになりました。ぶーくんの性格からいって、むりやり装具をつけてしまうと、動かなくなってしまい、かえって良くないだろうというのが理由です。

 それが良かったのかどうかはわかりませんが、ストレッチや筋トレ訓練の成果か、その後、歩き方は少しずつ改善していきました。それでもギクシャクした動きはあいかわらずで、ずいぶん長い間、歩く時には右手をあげてバランスをとって歩いていました。


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