【お弁当作り】ハムカツと卵焼き。いつもの朝が、なんだか懐かしい
朝、台所に立つ。今日も弁当を作る。まずハムカツを揚げる。ハムカツという商品名だが食感はスパムに近い…。油の音を聞きながら、そろそろかなと覗いて、いい色になったところで返す。朝はまだ頭が半分眠っているけど、こういうときだけは気を抜けない。残った油でピーマンを炒める。緑色が少し鮮やかになって、しんなりしてくる。焦げないようにフライパンを時々動かす。卵を溶いて、卵焼きも作る。卵焼きは、なぜか毎朝ちょっと緊張する。流して、待って、今だと思ったら巻く。もう一度流して、また巻く。冷蔵庫からプチトマトを出して、冷凍しておいたきんぴらごぼうも取り出す。きんぴらは凍ったまま弁当箱へ。昼頃にはちょうどよくなっているはず。ご飯を詰めて、おかずを並べる。ハムカツ、ピーマン、卵焼き。赤いトマトがひとつ入ると、いつもの弁当らしくなる。台所には揚げ物の匂いが残っている。フライパンを洗い、まな板を片づけていると、家の中から人の動く気配がする。どこかから犬の鳴き声、わが家の犬が返事をする。何を言っているのだろう?昔の朝も、こんなふうだったなと思う。テレビの音。誰かが出かける前の、少し慌ただしい気配。そんなことを思い出しながら、弁当箱のふたを閉める。特別なことは何もない朝。でも、こういう朝が続いていくのも、悪くない。窓を少し開けると、秋の匂いがほんの少し混じっていた。