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カテゴリ:日々のこと
眠りに落ちるとき、わたしの中の現実は少しずつほどけていく。 そのほどけた隙間に、昔の家がそのまま戻ってくる。 亡くなった母や祖母、父や親戚たちが、何も変わらない顔でそこにいる。 台所では誰かが水を流している。 茶碗の触れ合う音がして、テレビの音が遠くで小さく流れている。 わたしはそれを「そういうもの」として受け取っている。疑う前に、そこに馴染んでしまう。 ただ普通の一日が続いているだけだ。 それがあまりにも自然で、夢だという感覚は全くない。 目が覚めると、部屋は静かで、光が少しだけ冷たい。 さっきまで確かにあった気配が、どこにもない。 あれはどこへ行ったのだろう、と一瞬だけ思う。 でも答えはすぐに、何もないところへ戻っていく。 最近、わたしは少し疲れているのかもしれない。 今いる場所にいるのに、ふと「帰りたい」と思うことがある。 それはこの家ではなくて、もう戻れない時間のほうだ。 まだ誰も欠けていなかった頃の、ただの生活。 何も特別じゃなかったのに、いま思うととてもやわらかかった時間。 夢の中では、その時間が壊れずに続いている。 わたしはそこに混ざっているだけで、何かを変えるわけでもない。 ただ、そこにいる。 そして目が覚めるたびに、わたしは静かに今へ戻ってくる。 戻るたびに少しだけ、夢の手触りが薄れていく。 それでも、ときどき思う。 あの時間は消えたのではなくて、別の場所でそのまま続いているのではないかと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.04.27 11:53:56
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