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カテゴリ:本のこと
絵本というと子どものためのものと思われがちですが、実際には大人の心にこそ深く届く作品があります。長谷川義史さんの『いいからいいから』シリーズも、そのひとつです。 このシリーズには、雷の親子や貧乏神、宇宙人など、少し不思議でユーモラスな“お客さん”が次々と現れます。本来なら驚いたり慌てたりしてしまいそうな出来事ばかりですが、そこに登場するおじいちゃんは、どんな状況でも同じ言葉で受け止めます。 「いいからいいから」 財布がなくなっても、思わぬトラブルが起きても、ただこの一言。状況の深刻さに関わらず、態度は変わりません。 その姿は単なるのんきさではなく、出来事を良し悪しで分けずにそのまま受け止めるような、大きな器の静けさを感じさせます。読んでいるうちに、張りつめていた気持ちがふっとゆるむような感覚があります。 もちろん現実では、同じようにはいきません。予想外の出来事に不安になったり、頭の中が落ち着かなくなったりすることの方が多いものです。 だからこそ、この「いいからいいから」という言葉は、ひとつの救いのように響きます。すべてをすぐに解決しなくてもいい、全部を抱え込まなくてもいいという気持ちになります。 物語のように単純にはいかない現実の中でも、この絵本を読むと呼吸が少し深くなるような、温かい余韻が残ります。 絵本は子どもだけのものではありません。忙しさや不安を抱える大人にこそ、手に取ってほしい一冊です。
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最終更新日
2026.06.01 12:53:22
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