|
カテゴリ:節約お弁当記録
家の中はまだ静かで、台所の電気だけがついている。卵を溶いて、フライパンを温めているうちに、だんだん目が覚めてくる。 今日のお弁当は、若鶏の旨だれから揚げ、卵焼き、人参とピーマンとウインナーのレンチン、それからプチトマト。ご飯には三島食品の「ひろし」 お弁当作りは高校生の頃からだから、もうかなり長い。 とはいえ、当時は節約とか健康とか、そんな立派な理由ではなかった。 友だちもお弁当を作ってきていて、なんとなく見せ合う空気があったのである。 タコさんウインナーだの、やたら仕切りを凝ったりだの、ハムを薔薇のように巻いてみたり、人参を星の形に抜いてみたり。 お弁当の中だけは小さなイベント会場だった。 今思うと何と戦っていたのかわからない。でも当時はそれなりに真剣で、朝から色合いや配置に頭を悩ませていた。 今の自分が見たら、ずいぶん余裕があったなと思う。 今は家族のためのお弁当。 見た目も気にはするけれど、とりあえず食べられればいいか…の割合が昔よりずっと大きい。 それでも最後にプチトマトを入れるのは、たぶん高校生の頃の名残だ。 赤がひとつあるだけで、それらしく見える。 長年の習慣というのは案外抜けない。 毎日作っていても、特別感謝されるわけではない。 お弁当箱はだいたい無言で流しに置かれているし、唐揚げの照りについて論評されることもない。 まあ、それでいい。 詰め終わったお弁当を見る。 卵焼きもきれいに焼けたし、色も悪くない。 誰も褒めないので、自分で褒めておく。 今日もちゃんと作った。えらい🌟🫅 そう思いながら白湯を飲んでいると、家の中で物音がし始めた。 朝が動き出す前の時間は短い。 台所には甘酢と卵焼きの匂いが残っていて、その匂いを嗅いでいると、蓋を開けた瞬間の見栄えに本気になっていた頃のことを少し思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.07.10 08:30:31
コメント(0) | コメントを書く
[節約お弁当記録] カテゴリの最新記事
|