小松菜が虫に食われる…わたしは虫を養っているのだろうか?
家庭菜園というものは、もっとこう、穏やかなものだと思っていた。朝、ベランダに出る。「おっ、育ってる育ってる」みたいな顔をする。葉っぱをちぎる。味噌汁に入れる。健康。丁寧な暮らし。そういう未来を想像していた。だが現実は違う。小松菜、めちゃくちゃ食われる昨日まで「おっ、葉っぱ増えてきたな」と思っていた小松菜が、翌朝には「誰!?」みたいな姿になっている。葉脈だけ残っている。もはや昆虫?ナメクジ?側からすると、 ここはビュッフェなのだろう。人はなぜ“民間療法”に走るのかネットで調べる。すると出てくる。コーヒーの出がらしを撒くとよい卵の殻は肥料になる木酢液唐辛子スプレーキラキラテープコンパニオンプランツ愛情最後の方はもう精神論である。私はとりあえず、 コーヒーの出がらしを撒いた。なんとなく効きそうだからである。虫も、 「あっ…カフェっぽい…」 となって帰るかもしれない。ベランダが徐々に“何か”になるさらに卵の殻も撒いた。カルシウムが良いらしい。私は今、コーヒー卵土を混ぜている。もはや家庭菜園というより、 巨大なティラミスを作ろうとしている感じがある。しかし虫は元気そして数日後。普通に食われている。全然いる。むしろ以前より 「ここ、なんか居心地いいな」 みたいな顔でいる。なぜだ。小松菜を育てるというより、虫を養っている説最近はもう、 私は小松菜を育てているのか、 虫を育てているのか分からなくなってきた。葉っぱを見るたびに、「これは人間用ですか?」 「それとも虫用ですか?」と確認したくなる。でもちょっと楽しいとはいえ不思議なもので、毎朝チェックして、 穴を見つけて、 「また食われてる!!」 と騒ぐのも、なんだか少し楽しい。たぶん家庭菜園って、 収穫だけじゃなくて、「自然、思ったより勝手だな」というのを体験する遊びなのだと思う。結論コーヒーの出がらしも、 卵の殻も、たぶん 「完全に無意味ではないが、劇的でもない」 という感じがする。でもいいのである。人類は昔から、 「これ効くらしいよ」 で色々撒いて生きてきた。そして私は今日も撒く。コーヒーを。卵を。そして希望を。