司書が選ぶ男の子に読み聞かせたい昔話『くわずにょうぼう』
『くわずにょうぼう』稲田和子/再話赤羽末吉/絵福音館書店『くわずにょうぼう』男に全く共感できない!くわずにょうぼう を読むたびに思う。この男、最低である。「飯を食わない女房がほしい」って、かなりひどい。しかも理由はロマンでも何でもなく、単なるドケチ。嫁に食べさせる米が惜しいから。いや、嫁って何。労働力?家事して働いて、それで飯は食うなって。ブラック企業よりブラック。普通なら、「いっぱい働いたから、美味しいもの食べな」ってなるでしょう。好きな相手ならなおさら、 腹いっぱい食べて、元気でいてほしいじゃないですか。でもこの男には、その発想がまったくない。だから、正体が妖怪だったと分かった時、「あ、まあそうなるよね」って妙に納得する。むしろ、 「そのまま喰われてしまえ!」 と思う。なのに最後、助かるの男なんですよね。そこが解せない。鬼ばばは死ぬ。男は逃げ切る。昔話の形式としては分かる。異形のもの人外のものは退治される。でも感情が追いつかない。だって最初に「女を人として扱ってない」の、男のほうじゃない?食べない女がほしいって、 都合よすぎない?ただ働くだけの便利な存在を求めてる。それって、か〜な〜り〜怖い願望だと思う。子どもの頃は、 頭の口から握り飯を食う場面が怖かった。でも大人になるとわかる、 一番怖いのは男の価値観だ。もし、男の子がいるなら読んでやってほしいそして、女には優しくしないと恐ろしい目にあうよ…と、言い聞かせてほしい。くわずにょうぼう 日本の昔話 (こどものとも絵本) [ 稲田和子 ]【中古】 くわずにょうぼう おはなしのたからばこ5/二宮由紀子(著者),下谷二助