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テーマ:お気楽・元気になる秘訣(160)
カテゴリ:こころについて
話題の本などを紹介する雑誌「ダヴィンチ」の今月号で、「スナフキン特集」
なんてのをやってるのが目に留まったので、ちょっとナナメ読みしてみた。 スナフキンってのは、ご存じの人も多いだろうけど、「ムーミン」に登場する、 さすらいのギター弾き(ハーモニカだったっけ?)で、自由人。 同じくムーミン谷に住むミムラ姉さんやミーとは、異父兄弟でもあるらしい。 特集の内容っていうのはどってことはなくて、「ムーミン」の中でスナフキン が、友達のムーミンに語った語録だとか、『スナフキンって芸能人にたとえ ると誰?』みたいなアンケートだとかいうのが前面に出ていて、それ自体は さほど興味を覚えなかったんだが、懐かしいという思いと、自分はスナフキン の存在についてどんなふうに考えてたかなあ、なーんてことに、しばし考え をめぐらせつつ、この特集コラムを読んだ。 スナフキンは、その印象をひとことで云えば「かっこいい」。 自由に世の中を旅して回り、一人ギター(ハモニカ)を奏でたりしている。 ただ、それに酔いしれたり悦に入ったりしているわけでもない。 一つのことに耽溺することなく、常に世の中を客観的に見つめている。 はたで見ると、それは世の中を「正しく見ている」ようにも見える。 スナフキンは、「屈強の漢」ではない。むしろ弱っちそう。 たぶん「体育会系」とは対極にいる人だから、部活なんて絶対無縁である筈 だし(体制を嫌う彼は、「軽音楽研究会」にも入らないだろう。そもそも学校も 中退とかしてるかも)、あまつさえ肉体を鍛える姿など想像もつかない。 けれど、長らく放浪の旅や屋外生活をしても、病気ひとつしない(?)ところを 見ると、雑菌に対する抵抗力が強いといった、身体の芯のところの強さみたい なものは、ほかの人より優れているのかもしれない。 主人公のムーミンは、物事に迷うと、よく川辺で釣りなどをしてるスナフキン のところへ、相談にやってくる。 スナフキンは、互いに害のない範囲で、相談に乗ってやる。 ムーミンの問いに対するスナフキンの答えは常に客観的でドライで、ときに 冷たく突き放すような言葉もあるのだが、彼は、友達であるムーミンへの 尊重と思いやりを忘れない。 ムーミンは、話すうちに自分で答えを見つけ、満足して帰っていき、以後も その良好な関係は続いていく。 ある意味、スナフキンのような態度でカウンセリングできるようになるのが、 今後の私にとっての目標でもあったりする。 彼は常に反体制的な思考を持ち、公的な干渉には断固抵抗する。 共同体を好まず、好んで孤独に生活しているにもかかわらず、周囲の人望 は厚い。 スナフキンが、若者ウケするタイプだというのははっきりしている。 だから若い頃、「スナフキンみたいな生き方に憧れる」と云う人は、けっこう いた筈。 「理想の生き方」なんていう人もいたりする。 でも、結局その憧れ、理想は、大半において実現できなかったりする。 悪い云いかたをすれば、スナフキンは風来坊であり、生産性がないし、多分 収入を得ようとしないから税金も納めてないだろうし、そのくせ役人を批判的 な目で見てるだろうから、ホームレスみたいなもんで、公的に厄介な存在で あるのは間違いない。 役人にとって、スナフキンみたいな存在は、消えて欲しい悩みの種だ。 ムーミン谷を管轄する、ヘルムという警察の署長さん(?)は、スナフキンの ことを厄介者扱いしているし、逆にスナフキンもヘルムを毛嫌いしている。 若者がスナフキンに憧れる理由の一つに、こんな反体制的な側面を漂わせ ている点も、含まれているに違いない。 スナフキンは、完璧な人物では決してない。 けれど、完璧でないところこそが、彼の魅力でもあったんじゃなかろうか。 よくわからないけど。 どうでもいいことながら、そんなふうに思ったりする。 「ダヴィンチ」のスナフキン特集コラムの中に、「スナフキニズム」なんていう 言葉が使われていた。 あまり丁寧に読んでなかったので、ライターが意図する正確な意味は、よくは 理解してなかったんだけど、改めて意味を想像するに、 「スナフキンに憧れ、スナフキンのように物事に拘泥せず、不安定を恐れず 自由奔放に生活し行動する主義」 みたいな意味なんだろうか。 それとも、 「スナフキンの心を忘れず、適宜自然に帰り自分を解放する主義」 という意味なんだろうか。 もし後者が、このライターのいう「スナフキニズム」であるとするなら、たとえば 週末や休日、あるいはオフタイムなどに「スナフキニスト」になることは、自分 の使い分けをするような価値観がまかりとおる今の世の中、誰でもできるん じゃないか、なんてアホなことを、ふと考えた。 まあ、なろうと思えばなれなくもないんじゃないの、ってことだけどね(笑)。 昔あれほど憧れてたのに実際できなかった「スナフキンみたいな生き方」が、 休みの日だけならできるよ、というわけ。 とはいえ今の私は、「スナフキニスト」にはあんまりなりたくないかも。 観念的には共感するけどね。 物理的には、そんな真似をする元気やパワーは、今の自分にはない。 スナフキンが嫌ってそうなものを好きだったりするし。 不便や不安定を恐れずに生きていくことなどできない。 たとえばスナフキンは、パソコンなんか絶対使わないだろうしね(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 19, 2005 10:35:06 AM
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