カテゴリ:犬種
この前終了したクラスの中に、モカというピットブルがいました。その子はSPCAからもらわれた子です。モカはクラスでは1番いい子でおとなしく、よくトレーニングできているように見えました。
でも飼い主さんはいつもとてもモカのことを心配していて、あまり他の犬とも遊ばせたがりませんでした。他の人が近くに寄ろうとしてもかなり気にしていました。 ピットブルは今アメリカで一番処分されている犬です。ピットブルが人を攻撃した、というニュースが流れるたび「ピットブルは怖い」というイメージがどんどん広がっています。実際ピットブルの飼育を規制している地域もあり、ピットブルを飼っていると家屋保険に加入できないということもあるそうです。 危険だと言われているピットブルですが、咬傷、殺傷事件を起こすほとんどの場合、飼い主に責任があります。 もともと闘犬として改良されてきた犬なのでとても体力があります。(今でも実際闇で闘犬は行われているそうです。)あごの力もとても強いです。そのエネルギーを発散させるためには相当の運動量が必要ですし、徹底した服従訓練をしなければなりません。もちろんどの犬も運動やトレーニングは必要ですが、ピットブルの飼い主になるのであれば、特に時間を割く必要があります。 事件を起こす犬は、闇で闘犬に使われている犬や、ただ強い犬がほしいからとか子犬が可愛いから(ピットブルのパピー、かなりかわいいです)という安易な理由で人に飼われ、正しいトレーニングも社会化もされていない不幸な犬が多いそうです。SPCAにもその様な安易な理由で飼われ放棄されたであろうピットブルが多くいます。 モカの飼い主さんは、いろいろな話を今までいろいろな人から聞かされとても気にしていたみたいです。最後のクラスが終わった後、トレーナーさんがモカをよくトレーニングされた犬と遊ばせて、様子を見ることを勧めました。 しばらく飼い主さんは迷っていましたが、「トレーナーとボランティアも一緒なら」ということで、モカともう一頭の犬を遊ばせることになりました。 今までドッグパークに行ったことがないというモカは、本当に楽しそうにその犬と遊んでいました。プレイバウをして遊びに誘い、うれしそうに口を開けて走り回っていました。じゃれ方もとても友好的で、礼儀をわきまえていました。立っている私たちにも寄ってきて、愛嬌を振りまいていました。 飼い主さんはモカが上手に他の犬と遊べたことをすごく喜ばれていて、自信をつけられたようでした。これからもモカのトレーニングは続いていきます。いくら飼い主さんが頑張ってトレーニングしてモカがいい子でも、人々のピットブルに対する偏見はなかなか消えないと思います。でもこの飼い主さんなら大丈夫だろうなと思いました。 ★「ピットブル」というのは犬種の名前でなく、アメリカン・ピットブル・テリア(APBT)、アメリカン・スタフォードシャー・テリア(アムスタッフ)、スタフォードシャー・テリア(スタッフィ)、これらの雑種犬の総称だそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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