カテゴリ:音体験
やっとだよ。フジロック3日目報告、朝の目覚め~ジ・ナック編。 7月31日(日曜日) さて、いよいよ最終日である。 今日の携帯のアラーム音は別にファンでもないのに何故か魔が差して ダウンロードした長渕剛の「金色のライオン」だ。 結局、押入れに寝てもらう予定だったHSGWくんは駄々をこねたので、 雑魚寝をさせる事になったが、彼の天然パーマは寝起きで普段よりも いくぶんかモリモリと膨らんでいる。 今日も観るモノいっぱいだー!頑張るぞーー!!と気合を自分ひとりで入れる。 朝食を喰らい朝9時くらいに部屋を出る。 天気は昨日のグズグズな雨模様が嘘のように晴れ渡り、これは今日は大丈夫かなと安堵する。 我々の足取りと、D学さんの麦わら帽子のお花のアップリケがふわりと 軽やかに揺れながら意気揚々と会場へ向かう。 何故、こんなに意気揚々かというと、グリーン・ステージの朝から一発目が ジ・ナックだからである!! 無論「マイ・シャローナ」しか知らない。 だが、何故なんだろう、この期待感。 いや、もちろんこの期待感はザ・マーズ・ヴォルタやシガー・ロスの荘厳なショーの 開演を待つような、既にクオリティを約束された期待感ではなく、俗に言う “一発屋さん”というレッテルを貼られてしまった可哀想なバンドが数十年ぶりに 来日というシテュエーションだけでなんだかワクワクしてしまうではないか。 果たして結局ヒット曲だけが良いバンドなのか、それとも他の曲も良いのか、 見極められる良い機会である。 何にせよ、「マイ・シャローナ」と言えば本家よりも、ブートCDで カート・コバーンが喉を振り絞ってシャウトしていたNIRVANAの カヴァー版でしか彼らに馴染みがない状況の中、挑むことに。 果たしてアメリカの大事マンブラザーズバンドとなるのかジ・ナック!? そんなわけでPAから忌野清志郎の「田舎へ行こう!」が高らかにグリーンステージに 響き渡る中、筆者ほか一陣はスキップするかのように軽いステップで歩を進める。 まだまだ朝も早いせいかグリーンステージ前方はお客がまばらである。 しかし最前列には熱狂なナックフリークが押し寄せていた。 やはりというか当時のファンというよりも「あ~ナックってあの曲の~」くらいしか 知らないような下世話な若いオーディエンスが多かった。 D学さんのようなジ・ナックのセカンドやサードの曲まで知ってるような コア・ユーザーばかりではないのだ。 当然スペースもあるのでステージ前方に向かう筆者とD学さん。 Mーしーくんは「あ~僕はいいですよ~」なぞぬかす。 もうジ・ナックは観られないかもしれないんだよ! 前方に行ったら既にSなえちゃんと今年やっと初めて遭遇したCバと合流する。 Cバはこの2日間の間で随分と日に焼けていたようで、こんがりもちもちとした クロワッサンのような肌である。 思えば、4年前のフジロックでは出会ったばかりなのでもの凄く彼に敬語を 使っていた覚えがある。 4年前の柴「C林さん!昨日のマニックス超最高でした!唄い過ぎてもう声がガラガラになっちゃいましたよ!」 4年前のCバ「あ~お疲れ~。俺ちゃんなんてオアシスで『ファッキニン・ザ・ブッシェズ』でもうぶち壊れて終わったら声ガラガラだよ('A`*)」 あ~懐かしい。 そんなこんなで司会のスマイリー原島らが出てきて最終日についてコメントのあと、 ジ・ナックを紹介し、いよいよ登場である! あ、あ~みんなファースト・アルバムのジャケットと同じ服装だ!! といってもヴォーカルの服装しかあまり記憶にないが、ともあれ、開演。 筆者たちは今回のライヴは「マイ・シャローナ」の色んなヴァージョンを演奏して 40分間乗り切るのかと思っていた。 「マイ・シャローナ」アコースティック・ヴァージョン、「マイ・シャローナ」レゲエ・ヴァージョン、 「マイ・シャローナ」ジャングル・ヴァージョン、「マイ・シャローナ」ヒップホップ・ヴァージョン、 「マイ・シャローナ」ストリングス・ヴァージョンとか。 また、「マイ・シャローナ」の間奏をメンバー紹介やオーディエンスとの コール&レスポンスも含めて15分近くやってくれたら面白いと思っていた。 で、ライヴ自体はいきなり1曲目から「マイ・シャローナ」をやる予想を裏切るような 事をしてくれるかと思ったが、やはりいきなり知らない曲。 隣にいたD学さんは「おっ!」という反応アリ。やっぱすげーな、さすが筆者内人間国宝。 しかし、知らない曲とはいえ、1発屋とはいえ演奏されるのはノリノリのロックンロール。 メンバーも皆、中年ゆえか、朝には強いのか目がランランとしていて、予想以上に 集まっていたであろうお客に気を良くしたのか、笑顔がこぼれている。 ヴォーカルの人のオデコの広さはファーストのジャケットの写真と何ら変わりはない。 増えたのは皺の数だけである。 しかし。ドラマーだけはどこか何故か見たような風貌であった。 「あれ~おかしいなアイツどこかで見た覚えがあるんだけどな…」 という喉まで出掛かっているのに吐き出せない気持ちを抑えつつライヴは進行。 「あれ?マイ・シャローナ?」と思わすようなイントロの曲が何曲か。 さすが、煽り上手だね。焦らして焦らしてお客の期待を煽る。 さしずめ中年ヌード・ダンサーズだ。 それ以降もノリノリの曲が続き意外と客を飽きさせない。 何だ、「マイ・シャローナ」以外でもなかなかキャッチーで良い曲あるじゃないかジ・ナック! と、思っていたら、数曲が終わった後、何やらメンバーの移動が。 ドラムの人が前に、ヴォーカルの人が後ろにと立ち位置と楽器を変える。 ドラムの人がヴォーカル、ヴォーカルの人がドラムといった具合に、だ。 「カモーーーン!!!フジーーーー!!!!」 と、やたら熱いドラムの人がタンバリンを激しく打ち鳴らしながらシャウトする。 お~なんだかこのおっさん熱いね~と思っていながら観ていたらなんとドラムが 唄い出したのはかの有名な(日本でだけで)MR.BIGの 「トゥー・ビー・ウィズ・ユー」(全米ナンバーワン曲)ではないか!!! 「お前が歌うんかい!!」というツッコミより先に 「あー!!こいつミスタービッグのタイコじゃあないかっ!!」と全ての記憶の糸が手繰り寄せられ、 頭の中でざわついていたモヤモヤとしたものが晴れ渡っていくようであった。 ん…、あれ? 今、ジ・ナックのライヴだよな? まあ、いいや楽しいし。 と自問自答しながらも「トゥー・ビー・ウィズ・ユー」を熱唱する筆者。 つうか1発屋のバンドにぷち1発屋のドラムが参戦するとは。 世の中、助け合いなんだな。 さて、そんなこんなでノリノリのまま知らない曲を楽しみつつステージは進行。 そしていよいよ、いよいよだ!! ヴォーカルの人もMCで煽る!! ヴォ「みんな、あの曲が聴きたいのかい!?」 客「イエァーーーー!!!!」 というコール&レスポンスがあったあと、あの軽快でキャッチーなベースラインだ。 おそらく本日グリーンステージの初めの熱狂がこの瞬間であっただろう。 筆者も諸手を上げて興奮する。 ここにいる誰しもが待っていたフレーズだ、それも当然のこと。 メンバーの方々もやはりこの曲だけは俄然気合が入っているように見受けられた。 WOWOWのカメラスタンドも縦横無尽に動き回る。 「マイーマイーマイーマイーフォォォォォォォォォォ!!!!」 と大声でシャウトしながら高く地面を蹴り上げてJUMP。 いきなりジャンプすると4年前のフジのマニックスの時の「ユー・ラヴ・アス」で 足をつるような目に遭うので、今回はもちろん準備運動もバッチリしたので、自分が今、高く 飛び上がれる限界のところまで飛び上がった。 それにしても何て楽しいんだ。今までの曲もやはりノリノリで楽しいのだが やはりジ・ナックはこの1曲にバンドの魅力やその存在価値感が集約されているように思う。 新進気鋭の若手の注目バンドや売れ線のバンド、そして何十年も前にたった一回だけ 大ヒット曲を出したバンドのライヴも観られるということもフジロックの魅力だ。 昨日のギャング・オブ・フォーを観ていた時も思ったが本当に毎年この場にいられて幸せだ。 至福の瞬間も本当にあっと言う間に終わり、ジ・ナックのオヤジたちは 「マイ・シャローナ」という偉業を我々のハートにぶつけてそそくさと笑顔で帰って行った。 ありがとう、ジ・ナック。 次はいつ会えるかわからないけどまだまだ長生きしてください。 「マイ・シャローナ2006」とか出してまた日本に来てください。 <続くんだな> ---------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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URAYAMA !! Gj !!!
(2016年03月05日 11時45分09秒)
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