|
昨日の夕刊を読んでいましたら、山田洋次監督が蒸気機関車C61
20の復元作業をドキュメンタリーとして記録されると報道されて いました。 山田監督といえば、男はつらいよの第5作・望郷篇で、函館本線も ちろん山線のC62を登場させたり、高梁の伯備線をさりげなく映 しこんだりと、旅映画の名脇役として鉄道を登場させていたのを思 い出します。 望郷篇では小樽から小沢あたりの、いかにも日本の旧国鉄の風景が 見事に切り取られていたので、今回の報道にも期待がかかりますね。 そういえば、かつてデゴイチやシロクニなどの愛称で呼ばれたもの も、昨今は「SL」と総称されるのが一般的となって、京都駅前の バス乗り場でさえ「梅小路SL館」と表記されていますが、SLだ と何だか動物園のオリのなかにいる動物のような元気のないイメー ジを思い浮かべるのは私だけでしょうか。 思い返すと、私がメカキチになったのは、蒸気機関車の機械がもつ 合理的な機能美と勢いよく蒸気を吐く勇ましさだったと思います。 いまの鉄道は、何もかも合理化・効率化されていますので、人の気 配が薄い少々冷ややかな印象がありますが、蒸気機関車の頃は動か す人の心意気の熱さといいますか、まあそれ以前に機関車のなかで 火を燃やす文字通りの熱さのようなものがあって、それに見ている こちらもどこか狂わされる熱狂のような魅力があったように思いま す。 今回の蒸気機関車の復元は、イベント列車に活用する集客の目玉と いう性格が強いのだろうと思いますけれど、精神的なオリジンを伝 承するという「人が関わる本質的な理由」のようなものも、管理し すぎて大人しく扱うのではなく、中で燃えている炎の熱気が外にも 伝わって熱くなるような映像が観たいですね。 山田洋次監督には、ぜひとも「蒸気機関車」という言葉に拘ってい ただけないかな、と思っています。 ▲こちらは上野のD51-231 感謝! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年05月27日 14時28分32秒
コメント(0) | コメントを書く
[] カテゴリの最新記事
|