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どうもピンとくるものがなかったので、バーボン樽仕込みの20年
前後熟成のものを頼んで出てきたのがこれでした。これも読むのが 難解な蒸留所のひとつ。グレンアラヒーと読むそうです。 スコットランドの地名は、ケルト民族の言語であったゲール語 (つまりケルト語)に由来するものが多く、「ch」は英語読みする と、日本語でいう「カ行」になる(cf.glenfiddich - グレン フィディック)ことが多いのですが、ゲール語風に発音すると、 まったく発音しなくなったりすることも多いため(cf.bruich- raddich - ブルックラディ)、いったいどう読んだらいいのか 途方にくれてしまうこともあります。 このボトルも私はまったく初めてのご縁だったのですが、グレンの 後はどう読んだらいいのか、しばらく止まってしまいました(笑) なぜなら、これが単なるラベルの読み方だけならいいのですが、 蒸留所の名称ですから、もし重要な一本だとすると、人生の経験を 左右しかねない一大事でもあります。真面目な話として一大事 なのです。 読み方が整理できたところで、このウィスキーが素晴らしいのは、 20世紀後半を生きた人類にとって非常に重要であった1989年 蒸留の、いわゆるヴィンテージ・イヤーのウィスキーであること。 つぎに十分に熟成感を楽しめる25年熟成、アルコール度数53% であることです。 これらのスペックからもたらされるのは、いわゆるデジタル時代 の生産管理が導入する前時代の、普通に作ったモルト原酒の最も 熟成感の成長したピークであるタイミングでいただけるという 幸運そのものでしょう。 正直申し上げれば、私自身がイメージし望んだ通りの味ではあり ませんでしたが、そのような我侭以前に、この一本とのご縁を感謝 し、ありがたく頂戴すること。また、それを期待して私に提案して くれたマスターの心尽くしのもてなしに、この刹那を生きることの 感謝をしなければいけません。 なぜならば、このときの、この一本の、この味は、この瞬間だけの ものだからです。 このすべての充実感に感謝を捧げます。 感謝! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年03月01日 16時14分17秒
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