ハム翁徒然

ずっとずっと前に映画で観た記憶がある。
赤い髪のモモをまだ覚えているんだけど、
あの記憶は本当に確かなんだろーか。

モモは、本で読んだことがなかった。
そういうわけで、何故か最近借りてしまった。
そして、今日読み終わった。

灰色の男の出てくるところが恐い。

時間の使い方についてある友達のいったことが、
「この灰色の男たちのいっていることとすごくよく
似ていた」と別の友達がいう。

それが、めちゃくちゃ、ひどく、似ていた。

あなたは、一体今までの人生で何秒の時間を無駄に
したと思っているんですか、計算してみましょう。
といって、計算する。

あなたは一日何時間ほどお休みになりますか?
8時間?ふむ。それは28800秒ですね。
仕事も一日大体8時間。28800秒。
年老いた母親の世話に2時間。7200秒。
食事に2時間、これも7200秒。
…という具合に全部一日で「無駄にしている」
時間を足していく。

それにその人の年齢をかけて、これまでの人生で
「無駄にしてきた」時間を合計する。

では、これまでに生きてきた時間は?
年齢×365日×24時間×60分×60秒。

ここから、「無駄にしてきた時間」をひくと、
無駄にならなかった時間が出るんだという。

とそこまで読んで、答えが0になっているのを見て、
愕然とする。ナンデ!?

それでさっきのページに戻って「一日のうちで
無駄になっている時間」を逐一挙げて足していった
ところをもう一度読むと、無駄な時間を足すと全部で
24時間になっているということが分かった。
なんという汚い手口だー!

今日、ヴァイオリニストの友達と久しぶりに話した。
でも、彼は数学を勉強しているから、ヴァイオリンは
片手間にやっている。私もそう。私は片手間以下だ。
けれど、「一日に少しでも弾くのは違うね」という。
30分でも弾くほうが良いという。

これが、モモの中に出てくるこの時間の話とリンク
してしまった。この30分の、ヴァイオリンのために
使う時間を無駄と考えるのか、有意義にすることが
できるのか…?

迷いながらも、明日は30分だけでもVnに触れようと
心に決めた。

ところで、灰色の男の話だけど、
やっぱり人の時間の使い方に他人が口を出すことは
できないと思う。親の子どもに対する義務とかとは
別にね。。。

灰色の男に時間を奪われていった大人たちも、
それまで大切にしてきた何気ない時間を、
彼らに気おされて、何の意味もない無駄な時間
だったと思ってしまって、結局つまらない大人に
なってしまったんだもの。。。

そのときそのときに、私たちは、ベストだと思う
ことをするんだと思う。先のことや、周りのことを
考えることができるようにもなってくるものだ。

そのとき「こうすることが今いちばん良いのだと
思う」と思ってしたことは、どんな結果をもたらすか
分からないけれど、考えているということが大事なの
ではないかと。

私の場合は、その背後に神さまの力が働くことを
信じるから、結果どうなっても、導きだった、と思う。
自分の身に起こることは、そのときの状況だけでは
判断できないことが多いから、後で分かることだって
ある。災い転じて福となるっていうことばもあるね。

正しくない道にいこうとしているときは、
阻まれるし、閉ざされるし、
正しいなら、導かれると思う。
だから私は、悩みすぎないで、
道を委ねて良いと思う。

そして人がそうやって決める自分自身の人生のこと
について、忠告をすることと、邪魔したり攻撃したり
することとは、違うと思う。

忠告するということには、人並みでない思いやりが
必要だと思う。忠告するというのは、（する側も）
苦しくて、並大抵の人にはできないのだと思う。