里見八犬士☆犬坂毛野の夢

2005/08/03(水)15:36

僕の滝沢馬琴先生への尊敬の念~決して終わらない夢

南総里見八犬伝(11)

僕は南総里見八犬伝の作者滝沢馬琴を心から尊敬しています! それは、失明などの幾多の試練に耐え、約30年の歳月をかけて、 全98巻にも及ぶ読本「八犬伝」を完成させたからです。 それに失明は作家にとって大変な痛手の筈ですが、 それでも口述で完成させたのは驚きに値します。 でも家族の協力はあったようですが.....。 また馬琴は武家の出乍らも貧しさ故に家族は離散、 それに自身も放浪の末、山東京伝門下に入り、 身分ではなく己の才能生きる姿はとても素敵です。 ただどんなに好きな道を歩もうと改姓を拒み、 “武士の誇り”だけは捨てずにいました。 だからそれが八犬士の凛とした生き様に反映されている筈です。 然し乍ら、とても融通性が無かったとか、 本を貸しても逐一記録したが故偏屈であったという 残念な見解もありますが、 よく言えば几帳面で繊細で一途なひとの証拠。 だから、恐らく馬琴の才能へのやっかみもあったのでしょう。 勿論中国の文学の影響もあったでしょう。 でも八犬伝は馬琴の夢が込められた、 正に、花の御江戸の少年ファンタジーです!! その証拠に、現代に生きた僕の様な文学少年が、 あの日、中国の文学ではなく八犬伝だけに胸を熱くしたのは、 八犬伝が日本が誇る最高の“少年ファンタジー”だったから....。 それに何よりも素晴らしいのは、 仁義礼智信忠孝悌の八個の珠の絆によって結ばれる八犬士達。 そして邪悪な存在に立ち向かい、里見再興に死力を尽くす、 ただ直向きに精一杯生き抜こうとする潔き少年達....。 そう、勧善懲悪こそが、最高の少年ファンタジー!! だから、これを否定したら、若者って言えないんじゃないのかな? これはきっと牛若丸にも天草四郎にも言える筈。 きっとこれこそ男の子の夢の原動力だったのでしょう....。 だから僕は、命懸けで書かれたこの近世の最高傑作を、 世界一胸を熱くする少年ファンタジーとして、 一字一句、心に刻むかの如く、 蝶の如く舞い艱難に耐えるあさけのに涙し、 そして八犬士達の活躍、そして彼等の夢を想い乍ら熱く読もう。 そう、僕の若き日は決して終わらない筈。 僕の夢も、無論、馬琴先生の夢も。 八犬士と喜怒哀楽を共に出来る限りは....。 嗚呼今年の夏は南房総に行きたいな。 そして、日が暮れる迄、里見氏、そして八犬士を想って、 僕自身の生きる意味を確かめたいな....。 願わくば僕を、 物語の世界に、 存分に引きずり込んで欲しい!! また“前後裁断”って言う言葉が実現する程、 嫌な記憶、そして未来への不安を消して欲しい!! あの日の文学少年のためにも。 そして、勿論、未来の僕のためにも....。 そう、これが可能なのは、 僕が南総里見八犬伝を深く愛しているからです。 南総里見八犬伝(第3の物語)

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