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刹那と永遠 - Moment and eternity -

・引き際の産声。

ナカータ、新庄、ジダンにシューマッハと
大物アスリートの引退が続いた2006年

その例に漏れず、hakaの特別好きなアスリート二人も
今年、現役生活を引退した

ひとりは
トリノ冬季オリンピック金メダリスト
荒川静香さんと

そしてもうひとりは
hakaがここ連日騒ぎまくっている(←暴走するhakaを許してください)
サッカー元日本代表
城彰二さんだ

ふたりとも(何故か)青い服を着て
「引退」を賭けて選手生活最後の大勝負に挑み

見事に「夢」を花開かせて
人々(haka)に感動を与え

現役生活でいちばんといっていいほどの輝かしい栄光に満たされた
その勇姿を人々(haka)の胸に深く刻み込んで
笑顔で颯爽と去っていった

それはもう見事なほどの
潔い引き際

ちなみに「颯爽」なおかつ「潔い」という言葉は
私が好むものについて廻るキーワード

つまりはもともと「潔く」「颯爽」とした因子を持ったものに惹かれる性分なのである

誰かと比べてどう、とかではなくて
自分の美学を貫いて
自分で自分を評価して

全てを賭けて打ち込んだ
やりきった、という満足感が

現役生活に未練を残さず
彼、彼女を
次のステージに向かって羽ばたかせる
原動力になったのだろう

脱ぐのは簡単だ
しかし
脱ぐタイミングを見極めるのは難しい

自分の人生に対する責任そして
自分の人生は自分が創るのだという意欲が
そのタイミングを悟らせる

「引き際」でそれぞれの美学(生き様)を表現した
ふたりのアスリートは
これからもhakaのアイドルだ







「ミシンが夢を見た。大草原の夢を縫っていた」



横浜には「翼」という名のサッカーチームがあった
正式名称「横浜フリューゲルス」

しかし、1998年にその翼は突然、折れた

スポンサー(佐藤工業)の経営難に伴い
同じ横浜のチーム・マリノスに吸収合併されたのだ

横浜の翼は浮力を失った

当時、私はマリノスのファンであり、この問題はひとごとではなかった
ショックを受けた

ニュースを聞いてすぐ
初めて遠征してまで観にいった
国立競技場での横浜マリノスと浦和レッズの試合
この試合にも合併問題の余波が及んでいた

競技場の周りではフリューゲルス存続の署名運動が展開され(hakaも署名した)
競技場の中では協会へ合併反対を訴える弾幕が掲げられていた

スタジアムは殺伐とした空気に満たされていた
そのなかで

折れた翼に風を送るように
「最後まで諦めずに走り続けていれば奇跡は起こる」と
教えてくれたゴールがあった
それは

見上げれば晴れやかな秋の午後の青空
正面はレッズサポで赤く染まった観客席
その下の緑のフィールドで

わたしが始めてナマでみた城彰二の起死回生ゴールだった





横浜の翼は、2006年に甦った

三ツ沢の丘に満たされた
選手やサポーターたちの「愛」が翼をふたたび生き返らせた
奇しくもそこにはまた城彰二が関わっていた

フリューゲルスの遺志を継いで作られたサッカークラブ
J2横浜FCに城彰二が移籍した時
「こいつはもうダメだろう」と思った人が多いだろう

しかし、わたしはそうは思わなかった
自分を追い込んでそこから奮起するのが好きな性分の城は
実は心のどこかでそのような立場を望んでいたように見えたし

「最後まで諦めなければ何かが起こる」ということを
城彰二を通じて知ってしまっていたからだ

たぶん、彼をいまでも応援し続けているひとは
幸か不幸かみんなそうなのだろう
彼同様、恐ろしく諦めの悪い性分になってしまっているのだ

横浜FCに入って
彼はJ1昇格を口にしだした
いままでと同じように、熱く、熱く夢を語って
逃げ道を断ち切って自分を追い詰める

正直、わたしは当時の横浜の実力ではJ1昇格は難しいと思っていた

1998W杯、エース指名かと思ったらアレだったり(^^;
スペイン移籍が叶ったと思ったらアクシデントがあって脆く崩れたり(--;
2002年のW杯、自分はスタジアムにいるのに肝心の城がいねえよ(笑)とか

いままでも彼が夢を口にするたびに真に受けて
散々裏切られて(←オイ(^^;)きたので

「彼の話は話半分で聞いておこう・・・期待しすぎてはいけない」

ということを学習していた(^^;

だから横浜FCに移籍してからの彼の「サッカーに対する姿勢」の変化や
サッカーの楽しさやチームを愛する気持ちが

時折彼の口から聞けるだけで、嬉しかった

なのに
彼はほんとうに
その「夢」を叶えてしまった

いままで叩かれ期待を裏切られ続けていたぶん
叶った時の喜びはデカかった

最後の最後に、やられた

引退を決めてサッカーバカで望んだ城彰二最後の一年
前年は最下位争いをしていた弱小チームが
J2リーグで優勝しJ1昇格を決めた

「最後まで諦めずに走り続ければ奇跡は起こる」

また、彼に教えられた





2006年度の横浜FCの最終戦は
J2優勝&J1昇格表彰式ならびに
キャプテン城彰二の現役ラストゲームとなった

その日、12/2の三ツ沢スタジアムは
フリエブルー・・・空の青色に染まっていた

その空の青の中に
スタジアムの人々の夢に蹴りをつけた男が
すくっと立っていた

世代を越え歴史を拓き海を渡り
蹴球世界をぐるり一回り

「サポーターが行きたいんじゃなくて俺たちが行きたい」と
ナイフのように鋭利に眼を輝かせていた気が強そうな少年は
いつのまにか

「横浜FCを愛してください」といえる男になって
シュツジのJ1に戻ってきた

ボールを蹴飛ばし、サポーターのお姉ちゃんとはすぐにやれると思っていて
結髪にイエローカードやレッドカードをくらっていた
草原(フィールド)の征服者・テムジン

わたしがいちばん好きな物語
「キル」の世界が
目の前に現実としてある



・・・これはなにかの偶然なの?



空色の制服(ユニフォーム)を着たその男は
満員のファンに祝福されながら銀色の皿(Jリーグ杯)を誇らしげに掲げて
空を見上げて、歓喜に叫んだ

まるで赤子のように



それは私が長年待ちわびた、夢のような風景だった




「ミシンが夢を見た日、俺は産声をあげるだろう」



                      ( 「キル」 )






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