「花よりも花の如く」NYバージョン「光る軌跡」を読みました。
「自分が絶対だなんて思わないようにしよう」
という言葉が印象に残りました。
如月小春さんの「子規からの手紙」の中で、量子力学とあわせて
「この世界には絶対はなく相対的である」
という相対性理論に触れていた箇所がありました。
だからだと思います。
役の解釈、作品の解釈、人とのふれあい、不思議な出来事、国と国との争い。
「これが絶対だ、これが正義だ、これ以外はありえない」と思うことは
傲慢さにつながる・・・と成田さんは言っているような気がしました。
いろんな方のHPを眺めていると、物事の受け取り方は千差万別なのだな、と改めて思います。それぞれの考え方、受け取り方、解釈。どれも世界にひとつのオリジナリティー「=オンリーワン」です。
***
あとひとつ、印象に残ったのが
「どうでもいいよ。楽は楽なんだから」
憲人(能役者)のこの言葉に、楽(人名です。主人公の同業者)は救われます。
こだわりやコンプレックスに悩む人物に「そのままでいいよ」と語りかける。
これも成田さんの作品に良く出てくるテーマです。
「どうでもいい」という言葉は、無関心を表すネガティブな言葉だとばかり思っていたのですが・・・何事にもとらわれていない、ニュートラルを意味する言葉でもあった訳です。
この「どうでもいい」という言葉にhakapyon反応した理由がもうひとつあります。
心のダーリン(^^;こと堤真一さんがTV番組の中で発言していたからです。
番組の中で「人と違う名前を書けば正解」というクイズがありまして。
テーマが「都道府県」のときに堤さんは「佐賀」という解答を書き、司会者から「佐賀県、お好きですか?」と聞かれて「どうでもいいんですけどね」と言い放ったのです。
この日の堤さんは司会の仲居さんに
「言葉のチョイスがことごとく間違ってますよ!^^;」
と突っ込まれていましたが(笑
hakapyonも思いましたよ。
「もうちょっと気取りなさいよ^^;」って。
…正直すぎ(笑
だからといって鈍感という訳ではないのがこの方の面白いところ。
そしてこの後のテーマが
「この番組の出演者の名前」というものでした。
これって、考えようによっては
「いちばん存在感の無い人の名前を書け」とも受け取れる、かなり意地悪な設問なんですよね。県ならともかく、その場にいる人を名指しですよ。
ここまで考えずに名前を書く人もいるんでしょうけれど…
hakapyonはここまで考えてしまう性分なのです。
結果、堤さんは会場でただ一人だけ、自分の名前を書いていました。
ずいぶん大胆な人だなーと思ったと同時に、もしかしてhakapyonと同じようなことを考えたのではないかしら?とも思いました。
たぶんきっと、そこまでつきつめて考える方だと思うんですよね。
だからあんな繊細な表現ができるのではないかしら。
この人、自分と感覚が近いのかな、とちょっと嬉しくなりました。
…でも自分の名前を書く大胆さはhakapyonには無い(^^;
もし自分だったらなんて書くんだろう?
ウラを狙って(←ここにhakapyonのひねくれぶりが現れている?)タモリさんとか、超メジャー級な名前を書くと思うなあ。
***
そして…なぜ今頃こんなことを書いているのかというと。
成田美名子の「花よりも花の如く」を読むまで、この時に感じたほのかな「嬉しさ」が上手く言葉にならなかったのです。
「これが絶対だ!と思わないようにしよう」
「そんなことはどうでもいい」
これらの言葉に促されて、初めて自分の中であのときふと頭をよぎった思いが言葉になったのです。
あれ?
…なんかこの文章、日記じゃないなあ^^;
すごく恥ずかしいなあ。
でも言葉にせずにはいられなかったので、書きました。
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最終更新日
2005.05.05 19:17:42
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