佐野元春の歌が好きだ
彼の唄を
色に喩えると
青
ブルージイな歌声
哲学的なおかつ
ポエジイな詩
広がりのある
爽快なメロディ
深い世界観
冷たく澄んだ
青だ
元春の詩の
ひとつひとつが胸に突き刺さる
「いままでの君は間違いじゃない」
「これからの君は間違いじゃない」
「どんなものも変わりつづける」
もっと言って
もっと言ってよ、元春
ほんとうのことを教えてください
白い洗いざらしのシャツに
初夏の風を含むような爽やかな
元春の世界
ダーティな部分を唄っても
どこかクールで品のある
元春の世界
緑が深く
大気が潤う
この時期になると
ふと
思い出す
*
元春の唄はどれも好きだが
(といっても全部しっている訳ではない^^;)
「スウィート16」というアルバムが
特に好きである
ひとつひとつの曲のレベルも
最高だが
なんといっても
このアルバム全体を支配する
世界観が好きだ
チェリーパイのように甘くて
雷のようにビリビリ刺激的で
6月に咲く薔薇のように気高く
虹のように美しく
儚い
「シックスティーン」という世代
ひとはそれを
青春、と呼ぶ
なんてね
だからhakapyonはこのアルバムを別名
「青春16切符」と呼んでいる
(・・・ウソです^^;)
*
「スウィート16」に収録されている
「レインボウ・イン・マイソウル」という唄には
哀しい思い出がある
1994年5月1日
サンマリノGP
アイルトン・セナがブラウン管の中で事故死して
途方に暮れていた
hakapyon
その夜は
一睡もできないまま
朝を迎えた記憶がある
自分が応援していた人が
いきなり此の世からいなくなる
あの衝撃は
凄かった
そんな哀しい思いを抱えた時に
元春は
無くしてしまうことは 哀しいことじゃない
輝きつづけてるいつの日も
と唄ってくれた
それが
「レインボウ・イン・マイ・ソウル」
hakapyonの虹は
今でも消えることなく
輝いている
*
同じく「スウィート16」に収録されている
ニュース23のエンディングテーマに使われていた
「また明日・・・」という唄
光に溢れた 夜明けが近づく
僕は一日中 空を眺めていた
(うわ、またしても「空」がモチーフ)
という歌詞で始まるこの唄
とても切なくて
刹那くて
元春の声がけだるくて
物憂げで
優しい
途中からユニゾンで入ってくる
矢野顕子の歌声が
また泣ける
また明日 逢えるなら 君といく
元春のラブソングは
言葉がシンプルで
説明しすぎていなくて
どこか醒めていて
それでいて、温かくて
本質を
確信を突いている
だから好きだ
*
「スウィート16」は
「大きな薔薇のブーケ」(「ミスター・アウトサイド」)ではじまり
光に溢れる庭で、薔薇を集める風景(「また明日・・・」)で終る
元春の唄には
薔薇のモチーフがよく
登場する
幾つになっても青臭い
青春の旗手
佐野元春が咲かせる薔薇は
きっと
「青い薔薇」
此の世には
青い薔薇は存在しない
薔薇にはもともと
青い色素が
ないからだ
青い薔薇といえば
「ありえないこと」の
代名詞とされていた
しかし最近は
科学とバイオテクノロジーの発達により
「青い薔薇」がたくさん
花を咲かせている
それでもやはり
種としては弱く
花の色も青には程遠い
紫みの花が多いのが現状だ
そんな現実とは関係なく
元春の唄を聞くたびに
hakapyonの心の中に
朝露に濡れた
一輪の青い薔薇が花開く
その薔薇の青は
憂いや悲しみ
爽やかさなどの
心の青が
見事に映えている
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[マイ・ヒーロー☆マイ・ヒロイン] カテゴリの最新記事
もっと見る