刹那と永遠 - Moment and eternity -

2005/08/17(水)17:25

「問題の教師」

TVにひとりツッコミ隊!(436)

残暑ニマケルナ!ガンバレ、ワタシ! hakapyonの寝不足劇場(???) ■本日の上映作品:「問題の教師」 横浜の放送ライブラリーで 第一話だけ見て その衝撃的な内容が 気になっていた本編である どこにでもいそうな真面目な教員 若き堤真一扮する村岡教諭の 闇を描いた問題作!! (・・・ちょっと大げさかしら^^;ゞ) * いやはや 衝撃的でございました 衝撃のあまり 村岡先生が 夢にまで登場なさいました (もちろんセーターはパンツにきっちりイン!) 村岡教諭の手にしていた名簿は 「昭和63年度」のもの かなり昔の作品です 主人公である 中学校の社会科教諭・村岡を演じる 若き日の堤真一 ちょっと線が細めのビジュアルは最強 白いシャツを着て 黒のセーターをグレイのパンツにインした村岡先生の スタイルの良さに ホレボレ ステンカラーのコートを着て バックを背負い 自転車で颯爽と国会議事堂の見える街を走るお姿に ホレボレ 体操着姿で(しかも短パン!^~^) サッカーボールとじゃれる 細く長いおみ脚にも ホレボレボレ^^ 何をやっても あまりにステキなので 時代を感じさせる もみ上げ短めのテクノカット風な髪型と ナンパのときにかけていた どでかいサングラスも 許容範囲で 許しちゃる(^^; もし、こんなステキな先生が学校に居たら バレンタインは チョコレート山の如しに違いない しかし そんな一見爽やか青年 村岡教諭には 日記代わりに毎日自分をビデオで撮影し その日に起こったことをカメラに向かって話したり (←やってることはこのブログとそう変わらないかも) ビデオの趣味仲間と一緒に裏ビデオを製作する (←これはさすがにヤバイ^^;) などなど 隠された闇の部分があったのだ・・・ おまけに 虚言癖のある女生徒にいいよられ この女生徒を巡るクラスのイジメ問題が勃発し さらにそれを納めようとしてクラスの生徒に暴力を奮ったことで 生徒から総スカンを食らう 問題はクラスの中だけではない 職員室では女性教諭の転勤を巡って 当人の意図に関係なく 組合と管理者サイドが討論をしているという きな臭い雰囲気 学校内のどこにも 自分の居場所を見つけられない 村岡教諭 ある日 彼の安全な居場所は 校内の廊下だけだということに 気付く その時彼は 自分の孤独な立場を 痛感した さらに どんな時でも 彼の心は 天使と悪魔のささやきによって 振り子のように揺れている 「教師は聖職だ」「生徒に尊敬されるべき特別な存在だ」という正論 VS 「教師だって人間だ、はめをはずしたっていいじゃない」という本音 「いい教師」を目指していた 村岡教諭には このふたつの顔を演じわける程 「大人」になることができない 彼に降りかかるさまざまな問題が 純で素朴な青年教師を ダークサイドに落としていく だんだん壊れていく 村岡教諭が怖い・・・ しかも 悪に染まれば染まるほど 生き生きしていくのが なお怖い・・・ センセー 眼がいっちゃってるよー もどってこーい(^^; 最初は 「善」から「悪」への転落、という意味で 「恋におちたら」の鈴木島男を思い出したが そのうち いやいやこれは「悪」ではない 「狂」だ、ということに気が付き 妄想に取り付かれたタクシー運転手 「タクシードライバー」のトラビスを連想した * さらに考えさせれるのは これらの問題は 村岡教諭だけではなくて 「先生」と呼ばれ教壇に立つ方々 全てに起りえることなんだよね・・・ 小学校の卒業文集に 「学校の先生になりたい」と書いたhakapyon 残念ながらその夢は 成長とともに萎んでいったのだが 縁あってつい最近 色彩検定の講師をやったとき 自分より年上の生徒さんから 「先生!」と呼ばれて 嬉し、恥ずかしかった 「先生」とは 先に生きている人 あるいは生きる先にいる人 その響きのよさにかかる プレッシャーは相当なもの 皆の前に立って時間内で授業を済ませ 間違ったことを教えてはいけないという責任感 そして学校の外でも 道徳的な模範的な姿勢を求められ 教壇を降りても 「先生」という役からは降りられない そのうえ学校の先生は 生徒の評価、生活指導、進路相談、 時には家庭問題にまで首を突っ込まなくてはいけないのである ああ、なんてヘビイな職業なんだあ、と このドラマを見てあらためて思った 実際に教職を生業として 日々、多感で繊細な子供たちと向き合っている 先生方の苦労は いかばかりだろうか 最近は各学校に専任の 「スクールカウンセラー」を置いているという話を聞いた 教師の生徒に対する接し方も 昔に比べるとデリケートになっていると聞く hakapyonが子供の頃は 男も女もボコボコ殴られまくり 男性教諭に尻たたかれまくり(←セクハラだ^^;) だったのだが 今ではそんなことやったら 大問題になるかもしれない(^^; リンクさせていただいている でかぷりさんの日記で 現在の学校現場での状況を読ませていただく限り 学校での問題は まだまだ尽きないようだ 学校内暴力問題、いじめ問題など 昔ほど問題が表面化しない分 生徒ひとりひとりが心の奥に 抱え込むようになっているのかもしれない (・・・と京極堂が言っていた^^;) * 正義感の強い女教師・高木美保さん(眉の太さが昔の化粧だ^^;) 背徳の女教師・佐藤友美さん(めちゃ色っぽい!堤さんと年上女優とのからみはやはりイイ^^) 校長・佐藤慶さん(メガネがイカすぜ) したたかな女教師・樹木希林さん(堤さんとの共演多いな) エロ医者・名古屋章さん(なんとなく暑苦しい^^;) などなど 個性豊かな共演陣を脇に廻し 村岡教諭こと堤真一の 狂気へひた走る演技が素晴らしい!! 村岡教諭の悩み苦しみやるせなさが 見ているこちらにまで伝わってきて 居たたまれなくなってしまいました 生徒皆から総スカンくって教室を追い出され 職員室でぽつねんとしてる姿や 自分を痛めつけるように 数人からボコボコに殴られる姿は もーかわいそうで 見てらんない(--; 堕ちるところまで堕ちると 人は解放されるものなのだろうか 不幸のズンドコ状態から 躁状態になってハイ上がろうとする村岡教諭は 「迷う」ことを放棄する 生徒に爽やかな笑顔を見せ 今まで以上に厳しく指導し 模範的な教師の仮面を被り 仮面の下で 自分の中に潜む 闇と狂気を拡大させていく 真夜中に 「八つ墓村」の「たたりじゃ~」のばあさんのように 撮影用ライトをふたつ頭上に掲げて 学校内をビデオカメラで撮影する村岡教諭 しまいには ビデオカメラ持って 「うわあおおおおお!」と叫びながら 廊下や体育館を疾走する始末 そのお姿はまさに 狂気以外の何物でもなく ああ 堤真一よ 貴方はここでもまた 叫んで 走っていたのですね(^^; * 結局 村岡教諭の 暴走は 止められなかった 行き着くところまで行ってしまった後 彼は呆けた顔で 教師着任時に撮った 自分のビデオを引っ張りだして眺める 希望に満ち 初々しい表情でビデオ画面の彼は言う 「いい教師になります」 その言葉に涙する 村岡 うわあ こりゃなんと救いのない ヘビイな物語なのだ 演じる方もさぞかしヘビイだったんだろうなあ・・・と 重く、哀しい気分になっていたのだが 最後の最後に「救い」があったのが 嬉しかった^^ ここ数週間で 若い頃の堤さんのお仕事を たくさん拝見させていただいたが 昔から既に輝いていた なんとなく哀しそうな眼と 繊細さは保持しながらも 線の細さが消え だんだんと逞しく、優しく、おおきくなっているように見えた 出演される作品も 社会性と批判性と情感に富んでいて 考えさせれられる 見ごたえのある作品ばかりだった 若い頃にこれだけ 地に足のついた確かな仕事を こなしたからこそ 今の 「軽み」と「真の花」があるのだなあと ひとり感慨深く思う hakapyonであった ※ おまけ ※ 村岡教諭ホレボレシリーズ ダメ押しは カラオケでの「乾杯」熱唱 キーはともかく(^^; なかなかステキな歌声ではないですか!^0^

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