★☆ 本日三件目の放電ポエムです!(笑) ☆★
きみの背中。
2005年夏
晴れ渡った青空と
白い翼の雲を背景に
君は一帳羅のランニング(でも汚れてる)に
一帳羅のジャケット羽織って
腕を広げて
「滑走路」を駆けていった
数分前まで
まるくみえていた背中は
永遠の勝利の暁に
誇らしげにぴんと伸び
平成のおとさんは
「遥」に向かって
あっというまに
テイク・オフ
*
2005年冬
暖かいオレンジ色の
夕映えを背景に
君は妻と息子を横に
その年最後の夕日を眺めていた
妻と子を
三輪オートの背に乗せて
従業員の帰省を
線路沿いの道を走りながら
三人で見送って
息子に
自分のジャンパーを着せて
三丁目の夕日を観ながら
数十年後の未来を想う
美しい肩のラインのシルエット
昭和の家長の背中は
微動ダニセズ
*
背中で泣いていたのは
2003年冬
飛ぶことを諦めようとしていた
サイボーグ
走れない
飛べないときの
きみの背中は
そんなにも哀しげ
たくさんの翼たちが
名残惜しそうに前を横切っていく姿を
遠くに見ながら
松葉杖をつく
ぶっちゃけ男から
翼への諦めきれぬ想いを
後押しする
聞きなれた声が飛ぶ
「俺と一緒に空飛んでください」
青い空
二人の頭上を飛んでいく
美しい翼
彼らの姿と
彼の声と
まっすぐで熱いまなざしが
「幸せであるように」と
きみの背中を引き止めたんだ
*
歓び、哀しみ
いつくしみ
さまざまな気持ちを
雄弁に伝えてくれた
きみの背中を
後押しする手もあった
1996年のある一日
ヤクザは走りながら回想する
何をやっても冴えない
おれの人生
一体、何?
ターゲットを追いかけて
走りつかれて
朦朧とした君の頭の中で
懐かしい声がする
「自分の生き方見つけて、走れ」
お台場の夜空を見上げれば
そっと風が通り過ぎ
月が輝き
指輪をはめた先輩の力強い手に
背中を押されて
きみは
ふたたび
走り出す
何かを追いかけるためではなく
「走る」ことを
純粋に楽しみながら
…微笑みながら
「走ることは喜びの表現」
刹那にいのちを燃やして
「いきてる感」を感じながら
東京の夜を駆ける
弾丸ランナー
*
後ろ姿にその人の生き方が出る
2006年冬
あの頃からずっとかわらず
いまも広くて、まっすぐな
無言で空間を圧倒させる
舞台に立った時のきみの背中に
もうすぐ逢える
そんなほのかな気持ちが
今日もわたしのちっぽけな背中を
ぐんと後押ししてくれる
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