堤テムジン版「キル」が
役者として板の上(文字通り板の上!)でイキル
堤真一個人の物語に見えたのに対して
妻夫木テムジン版「キル」は
繰り返されてきた人類の征服心と
その最果ての物語のように見えた
ミシンはわたしたちの営みそのものだ
進化という名の野心の糸で
加速度的に生産し消費し
ぶくぶく着込んで
それでも満足せずに
がむしゃらにミシンを踏み続けている
鉛の夢を見ているのは誰なのだろう
万里の城のムコウ
中国の空は塵と埃と大気汚染のため
晴れていても白かった
モンゴルの空の青さは
世界の果てまで続いているはずなのにね
外国だけの話ではない
昨年の日本の一文字は「偽」
儲けを追及する余りに仕事への誇りや志を忘れかけている
いまの日本を象徴している言葉
わたしたちの中にいる偽ブランド
蒼い狼は脱ぎ捨てて
祖国が最果てになる前に
戻ろうよ
何も着てない青い空
蒼き狼の生まれた羊の国へ
おひさまのにおいのする
ただっぴろい草原と
旅人たちの背中を押す澄んだ風と
眩しい希望の光溢れる世界へ
鉛の夢から覚めた時
ミシンは青空の制服(征服)を完成させる
何もかもを脱ぎ捨てた自由な心が
見上げる空の色こそが
モンゴルの父なる空より
生まれいづる英雄
蒼き狼なのだから
*詳しい感想は後日。