テレビ地上波で放映されていたのを観ました。
家族が万引きするだけでなく、「家族を万引きする」という意味もあったのか。
「美しい国・日本」の醜い部分
「クール・ジャパン」の全然クールじゃない部分を描いているはずなのに
それなのに…いや、だからかな?
温かくて懐かしくて
優しい世界に感じられる「万引き家族」。
鑑賞後は、悲しいやら腹立たしいやら
何やらかんやら
いろんな感情が渦巻いて、余韻がさめませんでした。
安藤サクラさん素敵でした。生々しくて。是枝監督作品に登場する「はすっぱでちょいエロな女」は魅力的だわ。樹木希林さんとリリーはもはや反則(笑)。安定感半端ない。
子供たちの自然な仕草が相変わらず可愛い。中でも「はすっぱな女」同様、是枝作品によく登場する“眼がきつめの少年”の健気な姿には毎回泣かされてしまう。今回はラスト近くの刑務所での面会ガラス越しにすがるような瞳で安藤サクラを見つめる翔太少年の思慕の表情にやられたわ。
是枝さんは「雰囲気」を撮るのが上手い。
説明セリフが一切ない、リアルな空気。
映像に季節感があるのも良い。何がクール・ジャパンだ。是枝JAPANの夏は湿気でめっちゃ暑そうだぞ(笑)
夏のそうめんのシーン、凄く良いね。なまめかしくてエロチックで。昭和の昔の邦画を見ているようでドキドキしました。
そうめんで思い出したけど、この家族、インスタントラーメンもよく食べていたような(笑)ただのラーメンもこの家族が食べると妙に美味しそうに見えるんだよなあ。
いちばん身近な人間関係「家族」の物語を描き続ける是枝作品。貧しさ、ひもじさ、やるせなさ…それらを救う「愛情」という温かさ。小さな共同体から、底辺から、日本のリアルが見えてくる。
あと、是枝さんが海を撮ると何故かキタノっぽくなるね。淡い光の中の、グレイッシュブルーな日本の海。