目黒の住宅地の中にある
「喜多能楽堂」に
神様が降りてきなすった…。
突然何のことかとお思いでしょう
目黒で「翁」「絵馬・女体」を観てきたのですが
その中の野村萬斎氏の「三番叟」が
すごぶる良かったのでありますよ。
今までいろんな
「三番叟」を観てきたけれど
やっぱり王道
能楽堂で
生お囃子の
「翁」からの
松を背負った「三番叟」がいちばん好きかも。
席が舞台から近かったのもあるけれど
萬斎氏、いつもよりより大きく見えるような?
袖をバサッと広げる場面などは
「三番叟」の羽織の柄の如く
鳥が翼を大きく広げてそのまま飛んでいきそうな勢いだったわ。
長年、直面で烏跳びの「揉の段」推しだったけれど
最近「鈴の段」もお気に入りなのだ
鈴をふりつつ、一瞬、シナを作る仕草とか
めちゃセクシーで色っぽい。
う~ん
もしかしたら
萬斎氏と同じ時代に生を受け
こうして彼の「三番叟」を生で観ることができるというのは
後世からしたらかなり貴重な体験なのかも…
なんて俯瞰的な視点になったのも
すべては名人の粋に足を踏み入れつつある一流の芸「三番叟」の所為かしら。